漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

見苦しきエリートたち

2009年09月26日 | 事件
その人は、鉄道模型が趣味だそうだから、

贈られた「500系 新幹線の模型」が、
市販はされない特別の品だったことを知っていたはずで、

「滅多に手に入らぬ物を」と、さぞかし嬉しかったことだろう。

贈った方の後輩も、
先輩の示してくれた「恩情」に 感謝の気持ちを込めたのだろう。

しかし、この温情物語が、

死者だけでも百人を超えた、
「福知山線 脱線事故」の調査結果に関わっていた、となると話は違って来る。

なにしろ、この模型、

脱線事故の原因を調べる組織の委員、
最も公正中立たるべき その人が、

被害者たちには内緒で、
事故を起こした側、JR西の社長にだけ、密に「調査結果を漏らしていて」、

オモチャはその事への謝礼だった、と云うのだから。
  
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JR西日本の、福知山線脱線事故の調査委員会の一人だった、
山口浩一氏(71)が、
調査結果が未公開の段階で、
その内容を、山崎JR西社長(66)に漏らしていた事が発覚した。

また、その後、山崎社長の求めに応じる形で、
報告書がJR側に有利な内容となるよう、発言していた事も分かった。

二人は旧国鉄時代からの先輩後輩で、
25日現在、両氏共に、その事実を認めている。

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もし、この事故調査委員会を、
法廷に例えるなら、

裁判官が判決を下す前に、
原案を被告に見せ、
その意を入れて判決文を書き換えんとしたようなモノ。

これでは犠牲者も浮かばれまい。

まったくヒドイ話だが、
二人はそれぞれ、
「不注意だった」、
「不適切な行為だった」と謝罪した、と報道されている。

窮地にある人の揚げ足を取るような事は好まぬが、
それにしても、
「不注意」や「不適切」が、謝罪の言葉だと、私には思えない。

なんだか、
「もう少し注意して、バレないようにすれば良かった」、
或いは
「適切に隠すべきだった」と言っているようにしか思えないのだ。

大組織のトップにある身で居ながら、

我が身可愛やと、保身に狂奔し、
不正が現れてからも、まともな謝罪一つできぬとはミットモナイ。

この程度の人物なら、

まだしも、
現金7千万円と共に、
輸送車を乗り逃げして、先日捕まった犯人の方がマシに思えてくる。

定年退職間近なのに、貯金も退職金もなく、
あるのは競艇で作った借金だけ、と云う境遇での犯行だと云うから、

自業自得ながらも、
「一片の同情」ぐらいは、出来ようと云うモノ。

対する、こちらは、

還暦を過ぎた今、
地位もあり、名誉もあり、

あとの人生も、
年金で悠々自適、と云う境遇にある人にしては、見苦しい事だ。





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