漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

ほうかさん

2016年07月25日 | テレビ 映画 演芸
先日、
テレビのチャンネル持ってザッピングしてたんですよ。

そしたら木下ほうかさんの、
呆然とした表情が大アップで映りましてね。

どうやら、ほうかさん、気を失ったシーンらしい、
そのあと、番組司会者だと思われる人が映り、その脇に居並ぶ人たちが、

「あ~~、スッとした」とか、
「ホントに腹が立って腹が立って・・でも良かったぁ」とか言い合ってる。

なるほど、ほうかさん、
又、誰かに意地悪してカタキを取られたんだな、

それで伸びていたんだ、と、
この手のあざとい番組は見ない私でも、

ほうかさんが“悪いヤツ”で、

やられると、
見る人みんながスッとすると云うことだけは知っている。 (笑)

その何日か前、
我が同居人ドノご贔屓の
若手イケメン俳優の出るインタビュー番組がありましてね。

そのなかで、その若手が、
共演したほうかさんのことを話してたそうです。

ほうかさん、例によって、
共演のかれんな若手女優を散々いびった後、

休憩に入ったんですが、
そのイケメン俳優の隣に座ったほうかさん、

だれに言うともなく、つぶやいたんだそうです。

「ええんやろか、オレ、・・・こんなことばっかりしてて」

どんな役でも軽々と演じて、
ひょうひょうと生きてるように見える先輩でも、

こんな風に思ってるんだ、と、そのことが新鮮だったそうです。

昔のように、
悪役の人が街を歩いてたら、
“後から石を投げられる”ようなことこそ聞かなくなったものの、

やはり、嫌われるだろうことは致し方ない処。

でも、ほうかさん、
昔、同じような役ばかり来る、とぼやいた役者さんに、

ある大御所俳優さんが、意見したそうですよ。

「同じような役はイヤだ、なんて贅沢を言うな。
役者の中には、一生はまり役を持たずに終わる者がほとんどなのに」

ほうかさんのテレビを見ながら、
うらやましいと思ってる売れない役者さんは多いと思いますよ。

あ、それからほうかさん、
「ほうか」は本名だそうですが、

「放下(ほうか)」は、
日本の中世に現れた曲芸や手品をする人を指す言葉ですよね。

「ほうか」とはつまり、
観客の心をあやつり、ハラハラドキドキさせる芸、

あなたがこの世に生まれてこの名が付いた時、
きっと、人々の心を手玉に取るのが宿命だったですよ。

これからも
どんどん悪いヤツを演じて下さい、

どう見ても、
演技ではなく、地でやってるとしか思えない、その演技力で。 (笑)




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