漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

ある硬骨漢の死

2019年02月17日 | 歴史
新聞に小さく、死亡記事が出ている。

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【李鋭】(り・えい)

毛沢東の元秘書、
中国改革派の重鎮、16日北京市内で死去、101歳。

引退後も言論の自由を求めて積極的に発言。

習近平国家主席も批判していた。

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この人の経歴はケッコウ面白い。

若き日から、
毛沢東の秘書として活躍するも、

途中でその政策を批判して失脚、

文化大革命中は、
八年間も投獄されると云う憂き目にあう。

その毛沢東の死後、
権力者の交代により名誉回復、

復帰ののちは、
天安門事件で失脚した趙紫陽ら改革派を支持。

引退後も
言論の自由を求めて積極的に発言し続け、

近年では、
独裁色を強める習近平主席のやり方を批判もしている。

半世紀ほども前の文化大革命中、
日本の新聞や、進歩的な学者・文化人が、

口を極めて文革を支持、
あるいは礼賛していたころを知る私には、

共産中国と云う独裁国家で、
権力者をおそれずにその政策を批判し続けた、と云う、

その一事をもってしても、
その硬骨ぶりに、

へそ曲がりのワタシメとしては好感を持ってしまう。

この訃報が、
中国の官製メディアでなく、

香港発の報道である、と云うのも、然もありなんと思う処。

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【硬骨漢】こうこつかん

意志が強く、権力に屈せず、
容易に自分の主義・主張を曲げない男。






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