漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

ルネッサンスのことを考えた

2015年11月16日 | 歴史

私ははるか昔、
学校で歴史の時間に、「ルネッサンスとは文芸復興である」と教えられ、
「はぁ、そんなものですか」と簡単に思っただけでその後の年月を過ごした。

別に深く知る必要もなかったし、ネ。

ところが、成人してから読んだある本に、

“ルネッサンス以以前の芸術は、すべて「神と来世のため」だったが、
ルネッサンス以後は、「人間と現世のため」の芸術になった、”
とあるのを見て、

「ああ、成程そうか」と思った。

仏教などにも「後生大切」と云う言葉があるように
「現世は仮りの姿、来世こそ大切」という宗教理解の仕方もあるが、

それが行き過ぎると、
死後の世界だけを頼りにするようになる。

この世の生活よりも、
死後、天国に行くことだけを人生の目的と考えてしまうのである。

つまり、人の生のテーマを、
「神と来世」に置き、「浮き世と人間」を粗末に扱ってしまう分けだ。

その考えがねじれると、

神に尽くすためなら、
我が命だけでなく、他人の命も軽んじるようになる。

パリで、「神は偉大なり」と叫びながら、
銃を乱射し、無差別殺戮を強行した犯人たちを報じるテレビを見ながら、

彼らは「異教徒を殺せば神がお歓びになる、
さすれば自分に天国の門が開かれる」と考えたのだろうなと思い、

暗澹たる気分に陥りながら、
はるか昔に習ったルネッサンスのことを考えた。






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