監督・脚本:萩上直子
出演:小林聡美/もたいまさこ/光石研/市川実日子/加瀬亮
2007年9月公開作品
以下、内容についてネタバレがあります。
映画『かもめ食堂』についても内容について言及してますので、未見の方はご注意ください。
**************************************************************************
うー、ぬ、ぬ、ぬ…………
どうしよう、全然いいと思わなかった……
昨日書いたように、『かもめ食堂』はとてもよかったのに。
『かもめ食堂』のファンの人が、同じように自分も
「説明は一切ないけどそれが逆に心地いい、何とも言えない空気感を持った」映画を作りたくて、
マネして作ってみたけど結局マネはマネに終わってしまった。。。みたいな感じ。
『かもめ食堂』は、何も説明してないのに妙に説得力があった。
サチエがフィンランドくんだりで食堂を開いたことについては、
理由は明かされないけれど、
サチエとその食堂がフィンランドの街にしっくり溶けこんでる感じがするから
納得できる。
ミドリがフィンランドにふらりとやってきたことについても、
その理由ははっきり明かされないけど、まぁ、なんか旅に出たくなったんだよね、
ってことはわかるし、
サチエの食堂を手伝いながらしばらくこの街にいたくなったことも共感できる。
かもめ食堂が最後に繁盛するようになったことも、
その経緯は描かれないけど、サチエの出す料理がみんなを惹きつけたんだよね、
ってことがちゃんとわかる。
お店の前を通ると、いつもコーヒーとシナモンロールのいい香りが漂ってるし、
グラスやカトラリーがいつもピカピカに磨かれている、
そんなお店が繁盛しないわけないもの。
翻ってこの『めがね』。
あいかわらず説明がないのは同じ。
それはいいんだけど、登場人物の心の動きに説得力がない。
初めは島の人になじめなくて(なじむ気もなくて)、何をすすめられても
「いえ、けっこうです」しかいわなかったタエコが、
最後にはみんなと一緒にサクラさんのかき氷を食べ、メルシー体操をし、
さらには翌年の春にまたこの島に戻ってくる。
その変化のきっかけはハマダを出てもう一つの宿に行ってみたけど、
そこがハマダよりもさらに自分の肌に合わないところだったので
またハマダに戻ってきたことだと思うんだけど、
「ここよりはハマダの方がマシだ」と思うのとハマダに馴染むのとでは
まだまだ距離がある。
その距離を私なりに埋めて、馴染んだタエコに共感することができなかった。
馴染んだことにホッとして、「よかったね」とは思うけど、
どうしても「でも、なんで?」と思っちゃう。
サクラさんの異常な人気ぶりにもいまひとつ共感できなかったし。
(私もかき氷苦手だからかしら。
なぜみんなそんなにサクラさんと自転車の二人乗りしたいの??)
キーワードである「たそがれる」っていう言葉にしても、
何度いわれてもどうしても違和感を感じてしまう。
ああ、私もこういうとこに行って「たそがれ」たいなぁ、と思えない。
「たそがれる」って言いたいだけなんじゃないの?って思っちゃう。
ううーん。
『かもめ食堂』と一見そっくりなのに、なぜこんなにちがっちゃったんだ!
何がちがうの??
どーにも説得力がないんだよなぁー……
説明はしてくれなくても、納得はさせてほしいです。
「わかんないけど、わかんなくていいや」っていう納得の仕方でいいんです。
『めがね』にはそれがなかったです。
脚本・監督も同じ人、出てる人も同じなのに、なぜだぁぁぁ
出演:小林聡美/もたいまさこ/光石研/市川実日子/加瀬亮
2007年9月公開作品
以下、内容についてネタバレがあります。
映画『かもめ食堂』についても内容について言及してますので、未見の方はご注意ください。
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うー、ぬ、ぬ、ぬ…………
どうしよう、全然いいと思わなかった……
昨日書いたように、『かもめ食堂』はとてもよかったのに。
『かもめ食堂』のファンの人が、同じように自分も
「説明は一切ないけどそれが逆に心地いい、何とも言えない空気感を持った」映画を作りたくて、
マネして作ってみたけど結局マネはマネに終わってしまった。。。みたいな感じ。
『かもめ食堂』は、何も説明してないのに妙に説得力があった。
サチエがフィンランドくんだりで食堂を開いたことについては、
理由は明かされないけれど、
サチエとその食堂がフィンランドの街にしっくり溶けこんでる感じがするから
納得できる。
ミドリがフィンランドにふらりとやってきたことについても、
その理由ははっきり明かされないけど、まぁ、なんか旅に出たくなったんだよね、
ってことはわかるし、
サチエの食堂を手伝いながらしばらくこの街にいたくなったことも共感できる。
かもめ食堂が最後に繁盛するようになったことも、
その経緯は描かれないけど、サチエの出す料理がみんなを惹きつけたんだよね、
ってことがちゃんとわかる。
お店の前を通ると、いつもコーヒーとシナモンロールのいい香りが漂ってるし、
グラスやカトラリーがいつもピカピカに磨かれている、
そんなお店が繁盛しないわけないもの。
翻ってこの『めがね』。
あいかわらず説明がないのは同じ。
それはいいんだけど、登場人物の心の動きに説得力がない。
初めは島の人になじめなくて(なじむ気もなくて)、何をすすめられても
「いえ、けっこうです」しかいわなかったタエコが、
最後にはみんなと一緒にサクラさんのかき氷を食べ、メルシー体操をし、
さらには翌年の春にまたこの島に戻ってくる。
その変化のきっかけはハマダを出てもう一つの宿に行ってみたけど、
そこがハマダよりもさらに自分の肌に合わないところだったので
またハマダに戻ってきたことだと思うんだけど、
「ここよりはハマダの方がマシだ」と思うのとハマダに馴染むのとでは
まだまだ距離がある。
その距離を私なりに埋めて、馴染んだタエコに共感することができなかった。
馴染んだことにホッとして、「よかったね」とは思うけど、
どうしても「でも、なんで?」と思っちゃう。
サクラさんの異常な人気ぶりにもいまひとつ共感できなかったし。
(私もかき氷苦手だからかしら。
なぜみんなそんなにサクラさんと自転車の二人乗りしたいの??)
キーワードである「たそがれる」っていう言葉にしても、
何度いわれてもどうしても違和感を感じてしまう。
ああ、私もこういうとこに行って「たそがれ」たいなぁ、と思えない。
「たそがれる」って言いたいだけなんじゃないの?って思っちゃう。
ううーん。
『かもめ食堂』と一見そっくりなのに、なぜこんなにちがっちゃったんだ!
何がちがうの??
どーにも説得力がないんだよなぁー……
説明はしてくれなくても、納得はさせてほしいです。
「わかんないけど、わかんなくていいや」っていう納得の仕方でいいんです。
『めがね』にはそれがなかったです。
脚本・監督も同じ人、出てる人も同じなのに、なぜだぁぁぁ
りんさんの感想に共感します。
でもね 一個だけ。
これはずるいんだけど…
(だってDVD鑑賞にはない条件なので)
私は 劇場で見たのね「めがね」
暑くて臭くて煩い梅田の端っこにある
スカイビルていう
空中庭園のあるビルの映画館でね。
体力を奪う暑さから逃れて
静かに冷えた映画館で
それこそ子育てから解放されての
あの「めがね」時間は
ちょっと小旅行に行ってきたみたいな気持ちになれました。
ま それでも私も見ながら
「これ家でみたら寝るな…」って思ってたけどね(笑)
あと私もかき氷好きじゃないけどね。
でも あの島で ビーサンでスプライト飲みながら
海の絵でも描いてやろうかな…って思ったよ。
子供がいなかったら そういう有休の取り方を
私はしていたと思う(理想!)
おお、プー子さんも『かもめ』がよかったのに『めがね』がよくないチームですか。
なんだろう、どこがちがうんだろうね?
不思議なことに、両方ともちびっちょがいるところで見たんだけど、
『かもめ』は時々見て「ふふっ」って笑ったりもしてたのに、
『めがね』は一顧だにしてませんでした。
そうだね、あのロケーションはほんとに素晴らしいね。
「海が主役の映画だな」って思いました。
あんなふうに、早春の頃に南の島にいって、
海を見ながら編み物したい、とは確かに思った。
またあのビーチチェアを置く位置が絶妙なんだよね。
あの、近からず遠からずという海からの距離の取り方が。
そういうセンスはとても好きでした。