りん日記

ラーとか本とか映画とか。最近はJ-ROCKも。北海道の夏フェスふたつ、参加を絶賛迷い中。

彼のいない世界

2009-11-13 21:32:23 | 映画
『THIS IS IT』、見てきました。


さびしい。

さびしい。

マイケル・ジャクソンのいない世界は、やっぱりやりきれないほどさびしい。



以下、内容にふれつつの感想です。
ぐっと下げます。






























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全篇これ、予定されていたロンドンでのライブのメイキングなんですね。
2時間あるから、
彼の生い立ちや周囲の人へのインタビューなんかも混ざるのかと思ってた。
でも、リハーサル光景をつぶさに見せてくれたことで、
よけいなVTRを混ぜるよりも、たぶんずっとしっかりと、はっきりと、
マイケル・ジャクソンがどんなアーティストだったのかがわかりました。

「ものをつくるひと」だったのですよね、彼。

ひとつひとつの音をチェックして、指示を出す。
ダンサーの振りをチェックする。
イメージを伝えて、自分がやって見せる。
ライブの中で使う映像をチェックし、
どういうタイミングで曲を始めて
何小節前奏を鳴らしてから歌い始めて
どこで仕掛け花火を点火するか、
といった細かいところまで、
すべての曲について自ら検討し、決めて、つくっていく。

偉大なパフォーマーであっただけではなく、
偉大なアーティスト、クリエイターでもあったんだ。

そのことが、この映画を観てはっきりわかりました。

わかると同時に、圧倒的な喪失感に襲われました。

私たちは、なんて人を失ってしまったんだろう。
これから先私たちは、マイケル・ジャクソンなしで生きてかなきゃならないんだ。
なんてことだろう。


どんなに素晴らしい人だったのかということは、
もう映画の最初の3分ですごく伝わってきます。

今回のライブのためにオーディションで選ばれたダンサーたちへの
インタビューでこの映画は始まります。

マイケルが亡くなってからのインタビューではなく、
おそらくはライブを映像化したときに使うつもりだったんでしょう。
ダンサーたちはマイケルと共演できることになってどんなに嬉しいかを
興奮気味で語っています。

マイケルのことを語る彼らの目の輝きといったら、もう!

こんなにも目を輝かせて嬉しそうに誰かのことを語る人たちを、
ほかに見たことがありません。

なんて愛されていたんだろう、と思ったらもう涙がボロボロ出てきて、
そのまま2時間ずっと止まりませんでした。

見れば見るほど、素晴らしい人なんだよ。


スタッフに対して指示を出したあとは、
必ず「Thank you」「I love you」「God bless you」を付ける。
一度など、苛立ったようにぶっきらぼうな短い指示を出したあと、
すぐに微笑んで、
「怒ってるわけじゃないよ。よくしたいだけなんだ。ありがとう」
とフォローしていた。
世界中に何億人のファンがいるスーパースターがですよ。
そしてファンが聞き慣れてる音とちょっとでもちがってはいけない、
その上でさらに素晴らしいパフォーマンスを提供するんだ、と、
伴奏のテンポや曲入りのタイミングなどを一切妥協せずに細かく合わせていく。
時間をかけて緻密にリハーサルを繰り返すその姿は、
ファンに対してもスタッフに対しても、誠実で、謙虚。
そして自分の音楽に対しては真摯で、情熱的。

ああもう、こうして書いてても涙が出てきます。

いやだ。
どうして逝っちゃったんだ。

いなくなっても彼は私たちの中で生き続ける とか、
そんな美しい心境にはどうしてもなれません。
ただただ、さみしい。

そして何より悔しいのが、
彼が生きているうちはそのことがわからなかったことです。
二十何年か前、マイケルのかっこよさに酔いしれたことが、
自分の中ではもう完全に「過去のもの」になってたことです。

バカですよねぇ、ほんとに……

ほんの少しでも生きてる時代が重なってたことに感謝すべきなんだと思います。

でもいまは、ただたださみしい、口惜しい。
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