(裏)長男の荷物

それどこで買ったの?いくらしたの?Where did you get It? How much was It done?

1 月の映画 ローグ・ワン 沈黙

2017年01月30日 19時32分43秒 | 映画
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遠い昔、はるか彼方の銀河系で…
ローグ・ワン
初の4DX デジタルシアターで観てきた。デス・スターを3D で見たかったから。椅子が動いたり、水が落ちてきたりはそれは余計だった。それにしても画面が暗い。「また視力落ちちゃったかな??3D メガネが合ってないのか??」ってくらい。普通に3D 観に行けばよかったかな。でも画面が暗いのには理由があった(と思う)。それは映画最後の30 分が青い海と島々でできた惑星スカリフで地上戦、AT-AT(カーゴタイプだそうだ)に蹂躙されるローグ・ワン(ちなみにローグ・ワンってチーム名という意味でもある)
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その惑星上空でのは反乱同盟軍vs銀河帝国軍の艦隊戦なのだ ↓
Rebel Fleet above Scarif.jpg
デス・スターの移転が始まらないからモフ・ターキン提督は怒っている。それは昔、埋立地の上にガス精製工場があった跡地に建てたもんだから、汚染された地下水が涌いてくる。だったら建屋の地下に空間作っておけば何か起きた場合、何かできるじゃん、と。いやいや、ほぼ出来上がっていて都市くらいなら吹っ飛ばせますぜ。
『エピソード4 新たなる希望』の例のオープニング
During the battle, Rebel
spies managed to steal secret
plans to the Empire's
ultimate weapon, the DEATH
STAR, an armored space
station with enough power
to destroy an entire planet.
大量殺戮兵器に加担することを良しとしない設計者(主人公ジン・アーソのお父さん) から機密情報が漏洩したらしい、ベーダー卿がお怒りだ。
設計図は帝国の公式HP からPDF でダウンロードできるわけが無い機密情報、つまりデータの管理について、ファシリティ(建物)、情報機器、人員の観点から集中して管理、つまりデータセンターを置くのが現在の主流。主流なのは、もちろんコスト面なので、銀河帝国が「シールド」で囲って駐屯部隊を駐留させただけの惑星スカリフにデータセンターを置くのは如何なものか。それ言っちゃうと、たかだか10 人のローグ・ワンで急襲できる訳なんだが。
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Chirrut Îmwe.gif
I am with the Force and the Force is with me.
「フォースは我と共にあり、我はフォースと共にある。」
実は私は勘違いをしていた。「この情報を手にするまでに、多くのボサンが犠牲となりました」は反乱同盟軍のモン・モスマ議員のセリフで、これは『スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還』で第二デス・スターを攻撃するときの話。
エピソード6 ジェダイの帰還のモン・モスマ議員と

帝国が惑星をも吹っ飛ばす兵器を開発中であることを反乱同盟軍は知るが、対抗できる軍事力は無い、降伏する意見が圧倒的になる。その協議の場でのモン・モスマ議員。しかしローグ・ワン達の犠牲でデス・スターの設計図を手に入れ、レイア姫に手渡される話なので、その通り『ローグ・ワン』はそのまま、スター・デストロイヤーに追尾される輸送船タンティヴⅣのシーン『エピソード4 新たなる希望』に繋がっているのだ。

繋がるストーリーなので、前述のモフ・ターキン提督、モン・モスマ議員、もちろんダース・ベイダー、C-3PO、R2-D2、他にラダス提督、ゴールドリーダーとレッドリーダー、そしてレイア姫も登場する(ついでに育ての親のオーガナ議員も)。
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人間は3 つの点が集まった図形を人の顔と見るよう錯覚する脳の働きをシミュラクラ現象という。表情が無いドロイドK-2SO にも感情移入してしまう。惑星スカリフのデータセンターに侵入したジン・アーソとキャシアン・アンドーだが、帝国軍に包囲される。しかしK-2SO は身を犠牲にしてハッチを閉じる、別れの言葉を残して。泣いたね。C-3PO、R2-D2 てウザいだけじゃん。私は自己犠牲に弱い。人として人に希望を託す最も人間らしい行為だから。K-2SO はもちろんドロイドなんだが。ジン・アーソとキャシアン・アンドーもデータを送信したはずだが、もう戻る術はない、ただ惑星スカリフのデータセンターとともにデス・スターのスーパーレーザー砲に焼かれる。これがローグ・ワンの結末だ。
観終わってから分かったことがある。設計図は敵に渡ったものの帝国軍側は最後までデス・スターに弱点があることを知らなかったのだ。だからルークの乗るXウィング1 機にやられちゃうのだ(ダストシュートからも脱出できることも)。
エンドロールの最後にキャリー・フィッシャーの名がありました(感動をありがとう、どうぞ安らかに)。
May the Force be with us. フォースと共にあらんことを

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沈黙‐サイレンス‐
今は訳あってイエズス会の宣教師をしているが、彼の素性は海軍特殊部隊「SEALs」対テロ部隊の元指揮官だった。師と仰ぐパードレが極東のとある独裁国家に布教に渡ったが棄教を強いられ行方不明となり、その民衆は虐げられているという。ライバック宣教師は極秘に救出に向かうのだった、タイトル『沈黙の宣教師』
515xPXlMeyL.jpg叱られそう
そんなわけない原作は遠藤周作著1966 年刊行『沈黙』 である。
随分と昔、小説版「聖書」を読んだことがある。正直に書くと「旧約聖書」編までで、しかも途中で挫折した。なぜなら罰と生贄、辛い物語が世代に渡って続くから。(私はほのぼのとしたハッピーエンドが好きなのだ。)しかし、イエス・キリストが磔刑に処されてからは神は寡黙になられた。今までのことも、そしてこれからのことも人間が犯す罪の身代わりになって死んだわけだから、人の成すことにはもう一切口を出さない、あとは最後の審判を待てと。
私は「信仰」とは「希望」と捉えている。「希望」さえあれば人は生きていける。しかし人とは狡猾だ。「希望」を餌に心を操ろうとする。体制の維持には民から希望を奪えばいいのだ。その狡猾なやり方に、当時の江戸幕府なんぞ十字軍かスペインの無敵艦隊にボコボコにされればいいのにと思ったくらいだ、そう言う私は今の日本の文明を謳歌しているくせに。しかしスペインが中南米で何をやったかは歴史が物語っているがだがしかしだ。この『沈黙』では、踏み絵を踏んでいいのか悪いのか神は何も答えないことがタイトルとなっている。私はそんなことどうでもいいと思う。「希望」があるのなら偶像を踏もうが、愚弄されようが神は許してくれる。「希望」があるのなら生きて良き事を成すのだよ。その良き事を見つけるのが宿命で、成し遂げることを試練という。この世界に生まれてきて私は何をすればいいのか神は「沈黙」したまま術(すべ)を示さない。「神」とはそういう存在なのだろう。私が踏めないモノって何だろう、つまり命を懸けても譲れないモノって何だろう? 他人の命を見捨ててまで踏めないモノ。「正義」とか? いいや違う違う。命に敵うモノは無いと思うけど、自分の命を懸けてみたい欲求(衝動?)が私にはある。それが何かはまだ見つからないし、世の中ってそれほど崇高かどうだか分からない。
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「祝福」しているのではない、どう見ても考えても死の恐怖から気を紛らわそうとしているにしか。神父とは言え生きている、生に執着があって当然だ。死の恐怖を体験してそれを語ることができるのは唯一キリストだけだ。敢えてそれを象徴するシーンなのかもしれない。

力の無いものはただ黙って生贄になるしかないのだろうか。モキチ役の塚本晋也さん。役作りか痩せ具合がさらに心に痛い。他の出演者は適当に血色が良くて不自然だった、ガンバレ
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小役人たちが人の命を左右する時代。その役人たちを低いアングルから。監督はマーティン・スコセッシ。イッセー尾形、浅野忠信らは頭を剃ったのか?ちょん曲げカツラじゃないのか。邦画もこれくらいのやる気を出せ

棄教したフェレイラ神父ことリーアム・ニーソン(またの名をクワイ=ガン・ジン)と同神父を追って日本まで辿り着いたガルペ神父ことアダム・ドライバー(またの名をカイロ・レン)。因縁ですな
この映画『沈黙 サイレンス』のストーリーの最後に原作に無いちょっとした尾ひれが付いている。主人公が望んだのか、彼の妻が添えたのかは分からない。ひょっとすると監督のマーティン・スコセッシも私と同じ考えなのかもしれないと思った(単にキリスト教バンザイなのかもしれないが)。
海外版ポスター
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主役が棄教したフェレイラ司祭とも取れる。原作やそして劇中でも棄教することを「転ぶ」と特異な表現をする。密航したロドリゴ神父とガルペ神父が経験する試練より、転んだ司祭の方に目が向くのだろうし、興行側もそれを売りにする。いずれにせよ我々は試練を課した方の末裔なのだから、そもそも俯瞰する視点が違う。

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ザ・コンサルタント
コンサルタントってアメリカっぽくて響きはいいけど、原題は『The Accountant』、つまり「ある会計士」ってことだから。会計士って「腕抜き」してて分厚いメガネってイメージだ。
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両ゴム入り/12双
それはアメリカも同じで、会計士といえば「ポケットプロテクター」といってワイシャツのポケットに入れるもうひとつのポケットでボールペンのインクの汚れからシャツをカバーするものだそうだ。で、この主人公もポケットプロテクターを使っている。この小道具もストーリーの一部(銃弾を防ぐ訳ではない)。
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「エエッ!? ダッセェー」って顔
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ナースアイテムだってさ
ポケットプロテクターの他に凹んだ水筒(銃弾で凹んだ訳ではない)とか。
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一緒にお弁当を食べたい女子に対してのこの距離感
これらも裏社会に加担する経緯とかのストーリーの一部となっている。
主人公はAutism spectrum disorders-ASD 自閉症スペクトラム障害、いわゆる自閉症という設定だ。しかし「自閉症」とは、自閉症じゃない人たちが作った症状の呼称だ。たまたま自閉症じゃない人たちの方が多いだけで、そもそもその判断基準・テストってこっち側の多勢が作ったものではないか。普通って何なんだろう。私も生きることに違和感がある時がある、あー生きるのがしんどい
1. 実は几帳面ではない
2. 気になるところを完璧にしたいだけ
3. 私の性格を型にはめようとするんじゃない
4. 同じ性格の人と気が合うが、そんなことはめったに起こらない
5. 要は神経質
6. 他人のアバウトさにビビる
7. 否定することで会話を進めがち
8. 不思議な人と言われる
9. 不思議な人と言われると嬉しい
10. 不思議な人と言わせようと頑張る
11. そういうところがどうしようもなく堅苦しい人間だと気づく
12. 主役にはなれない
13. 名脇役を目指す癖がある
14. 意外と爆発力はある
15. いつも「今、やろうと思ったのに・・」
16. そう、やれば何でも出来るのだ、しかも期待される以上に
17. でも、やっぱりやらない
18. 適当にやっておいても器用貧乏なので叱られない
19. 変な人が割と好き
20. 急にテンションが上がるのは仲が良い証拠
21. 人の話を8割適当に聞いている
22. 適当に聞いてることを気づかせないための演技はウマい
23. 結果、聞き上手と化す
24. 好き嫌いが自分でもびっくりするくらいハッキリしてる
25. それを相手に悟らせないように全力で普通に接する演技をする
26. 演技をしてるうちに本気になってくる
27. 気づけば、嫌いだった人を若干好きになってる
28. でも興味がこっちに向いたら飽きる
29. お腹が弱い
30. 心も弱い
31. 傷だらけでも我慢する
32. 自分に対する人の意見がやたら気になる
33. 1人でいると、恥ずかしい過去を思い出して死にそうになる
34. でも1人が楽で好き
35. そんな自分が嫌いじゃない
すまん、ストーリーと関係ない私事。
主人公クリスチャン・ウルフの父親は心理戦専門の軍人という設定。自閉症の治療や社会への適合が云々より普通じゃない者は攻撃されるということを知っている、普通の人間にとって異質なものは恐怖であり社会から排除するという原則を知っている。だから父親はクリスチャンに暴力でもってでも自身を守る術を徹底的に叩き込む。そのやり方に耐え切れず母親は出て行く。自閉症について考察していると長くなるのであえて端折ると、主人公は自閉症が故に数字に対するこだわりが強く、規則性の中に潜む不規則を見つけ出す能力に秀でている、つまり優秀な会計員なのだ。そして子供のころからの格闘護身術、淡々としたルーチンワークを行うことで上がる狙撃の命中率。一見パッとしない会計士だが、表に出ない組織の帳簿を預かりマネーロンダリングをする一流のスナイパーなのだ。という訳で本国版のポスター
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「職業:会計コンサルタント、本業:腕利きの殺し屋」、、草。
ストーリーも良くできていた。一周回って繋がるって感じ。
しかし、こんな対車両ライフルで何をスナイパーするのだろう?


劇中では、本業の会計士として破産しそうな農家を助けたお礼として場所を借りて、1.5 キロメートル先のメロンを3 個連続で打ち抜く。ガラス越しの標的も倒すためなのかな。
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『アルゴ』はおもしろかった(ベン・アフレック主演とプロデュース)
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『ゴーン・ガール』も「おもしろい」映画ではないが、よくできたストーリー(同主演)
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世紀の割れアゴ対決『スーパーマンvsバットマン』は公開を見逃して後悔したが、何でベン・アフレックがこんなのに出演しちゃったのかな?というくらいの地雷らしい