セオリー通り夜明けに起きてみた。早朝5 時だ。登山家は日の出とともに行動するからだ。日暮れ後の行動は” 遭難 ”だ。
「あれ?雨降ってるじゃん。もうちょっと待ってみよう(というか、もう少し寝たい)」。ほら旅行に行くとよく眠れないじゃないですか、枕が変わると眠れないとか。それって「寝ずの番」だそうだ。新しい”ねぐら”に移動したとき、寝ている間に肉食動物に襲われるかもしれないからだ。原始の遺伝子が記憶が我々人類に刻まれているのだ。
遠足の前の晩に眠れない理由は知らん。
「雨降ってるし、登らずに帰っちゃおうかな、、そんなに登山に執着心はないし、600 メートル登るって嫌というほどしんどいしだろうし、、」。
しかし、テントの外では足音がする。「みんな登るんだ、しょうがない(何がしょうがないだ?)、行くか」。
というわけで朝食。コーヒー沸かして、ハムをはさんだバケットを食べます。
雑巾ではない、つぶれているだけ。
小雨というか霧雨。
グレゴリーGREGORY BALTORO 65は良くできている。
まず背負い心地がコンフォート。フレームがカーボンで軽い(・・と思う)。そしてギミック、それは上蓋が取り外し可能でウェストバックになるのだ。
今日の荷物はこれだけ。山頂アタックにテントやシュラフを持って上がる
おお!キーホルダーもあるじゃないか
欲しいぞ。おっと本題と全く違う。
登山道を行く。「文三郎道」。7 時30 分スタート。
ウォーミングアップ、文字通り「体温を上げる」
体温が低いと代謝が悪い、酸素を運べる血流量も少ない。つまり、しんどい。
本州の森林限界が標高2500 メートル。ここテント場は2300 メートル。酸素濃度は平地の75 %。ということはパフォーマンスは4 分の1 ダウン。ちなみにデスゾーンと呼ばれるエベレストの山頂では人は呼吸困難で「死ぬ」。その標高8000 メートルでの酸素濃度は35 %だそうだ。
辛いのは登り始めの15 分。そうすれば体が温まってくる。酸素を多く取り入れよう、それには息を意識して細かく吸って吸って吐く吸って吸って吐く
ハッハッ、フゥ~、ハッハッ、フゥ~
ズンズン・ジャン、ズンズン・ジャン
Buddy you are boy make a big noise playing in the street gonna be a big man someday ♪
バディ ュ ア ボイ メカ ビッグ ノイ プレイン ザスリ ゴナ ビアビ マン! サムデイ♪
Singing ! シギン!
ウィーウィル ウィーウィル ロックユー!
We will We will Rock you !
(アクセントは” マン ”だと歌いやすいよ)
16 We Will Rock You.mp3
フレディ・マーキュリーが何度も何度も頭の中で繰り返される。登ってる最中って意外と余計なことを考えない。
登ってる途中の写真がないな。雨降ってるからな。このルートは結構な岩場で、階段が設置してあったり、はしごや鎖場がある。
分岐。十字架に見えるのは、まあ人生とは色々ある
もちろん赤岳山頂へ
地面が雨で緩んでいるので要注意
岩場を登る。鎖が張ってある
「あと少し、がんばりましょう」とかプレートに刻んである、本当かよ?
本当だった、頂上が見えてきた
頂上だ
登頂 標高2,899m
山頂から見上げる
雲しか見えない
山頂まで1.3キロ、1 時間10 分
ここで「ポケモンGO」起動してみたらアイポンがフリーズ
山頂からスタートの(S)までルートのログが直線なのお分かりだろうか。山頂でデータ通信などしてはいけない。というか登山中はポケモンは忘れよう。
下山ルートは「地蔵尾根」
頂上から少し降りると赤岳山頂山荘
プレートが設置してある。晴れていればすぐそこの富士山が見えたはず。
パーティーを追い抜く。パリピ20 人だそうだ。
さらに下って、赤岳展望荘
もう1つパーティーを追い抜く。首都圏から近く、山荘、山小屋、そして交通の便がいいから、登る人も多い。
「下々のもの、道を開けよ。おら頭が高い」。
地蔵の頭の分岐。本当にお地蔵さんが置いてあった。
ここからの下りがちょっとした岩場。
おお建物が見えるぞ。テントを置いておいた行者小屋だ。到着。
10 時20 分。アイポンがフリーズしたから距離は分からない。山頂行って帰って2 時間50 分。
地図に書いてあるコースタイムよりずいぶん早いぞ。荷物の重さの差だ。フル装備で18.4 キロ、今日は水が2 リットルだから3 ~4 キロじゃなかろうか。フル装備は減らせないので(諸事情で ↓ )、ダイエットだ。体重5 キロは減らしたい。
到着したところでお昼ごはん。
鰯のトマト煮、ハムを挟んだバケット
スパークリングワインも持ってきた。
ハーフだけど1 キロ以上あるんじゃないか。いいのだ、飲みたいから山で。
またも高級ソーセージを炙るぜ
あら!Do not eat だって
一瞬晴れた。山頂では無いな、手前の阿弥陀岳だな。
多分、追い抜いたパーティーが降りてきた。そろそろ出発するか。
おやつを食べる。
やっはり胚芽入りは苦手。
美濃戸に到着。
退屈な林道を1 時間下って美濃戸口到着。
路線バスやタクシーが待ってる。
八ヶ岳山荘。ここに1 日500 円で車を置いた。
出発!
尖石温泉縄文の湯。八ヶ岳山荘から北へ約13 キロ。入浴料600 円(市民以外料金)。
普通の町営温泉。
温泉の前に蕎麦でも食おう。「ざる蕎麦ちょうだい」、「冷やし山菜蕎麦もできますが」、「じゃそれを」
何か想像と違ったが、まあまあおいしかった
温泉入ったし、ゆっくりしたし、さあ、帰るぜ
登山の何がおもしろいのだろう? 「ひとつの山を登っても、また次に登る山がある。興味が次から次へと尽きないうらやましい趣味だ」と友人に言われた。なるほど、そうかもしれない。
10 月 2 日