【見慣れないクモ】
11/21夜、10時頃仕事場の外に出たら、センサーライトに照らされて、入り口のコンクリート台の上に体長1~1.5cmの見慣れないクモがいるのを認めた。外気温はもう5℃くらいだから、動きがのろい。センサーの作動時間は30秒くらいなので、カメラを取り出しセンサーの薄明かりでフォーカスを合わせ、何とか2枚撮影した。もちろんフラッシュは併用した。(写真3)これはゆっくり前に移動しているところ。
(写真3)
フラッシュに反射して青く光る眼が2つ見えるのが特徴的だ。それと体軸背面を縦に走る縞も。
これは円網をつくるタイプのクモではない。新海栄一『日本のクモ』、八木沼健夫『原色日本クモ類図鑑』を見ると「エンマグモ科(Segestridae)」のクモで「ミヤグモ属(Ariadna)」の中のミヤグモ(Ariadna lateralis, Karsch 1881)ではないかと思われるが、確信はない。「眼は6眼」とあるが、八木沼図鑑の手書き図では縦並びの側眼が左右に1対あり、前額部に横に並んだ大きな眼が2個ある。フラッシュで、青く光っているのがこれだろう。
エンマグモ科はミヤグモ属2種とエンマグモ属1種=コマツエンマグモ(Segestria nipponica)しか八木沼の図鑑には載っていない。
属名のアリアドナ(Ariadna)はギリシア神話の「アリアドネの糸」に由来するのであろう。円筒状の巣を木や岩の割れ目や屋根と柱の隅につくり、そこから多くのみち糸を放射状に出し、水平に張った網の情報をキャッチする。ラテラル(lateral)は「横の、脇の」という意味だから、ミヤグモのラテン語学名はクモの身体の特徴に由来するのではなく、巣と網の特徴に基づいたものではないか…。それにしても和名の「ミヤグモ」は何に由来するのだろう?まさか神社の軒下に多い、というのではあるまいな。
小野展嗣先生、先生の『クモ学』にはこのクモのことが書かれていませんが、ミヤグモでよろしいでしょうか?
と、書いた後11/23、文房具やら、薬局で「コーラック・ハーブ」を買うために、西高屋ショッピングモールに出かけた。ついでに書店の雑誌売り場で「中央公論」12月号に「特集:国家融解」があるので買った。「新潮45」12月号は、表紙の文句にはあまり魅力的なものがなかったが、目次を見てびっくり。小野先生とビートたけしがクモについて対談している。ためらわずこれも買った。
買い物を終えた後だったので、呉信用金庫と散髪屋の間にある椅子付き、灰皿付き丸テーブルにすわって一気に読んだ。1954年生まれで、子供の頃からクモが大好きで、本当は理学部に行きたかったが、親の反対で学習院の法学部に入り卒業して法学士に。その後なんとドイツのフランクフルト大に8年留学してクモ学を研究したという。
帰国後、京大から理学博士号を授与され、今は国立科学博物館の研究部研究主幹。
それにしてもたけしはクモのことをよく知っているなあ。小野先生の『クモ学:摩訶不思議な八本足の世界』(東海大出版会)もちゃんと読んでいる。対談から彼も学ぶし、それ以上に読者はクモについて理解することができる。本や論文は難しいが、対談や座談会になるとわかりやすくなるのは、世の常道だが、この対談はとても面白いので、12月号はお薦めです。立ち読みにはちと長すぎますから、ぜひお手元に。
11/21夜、10時頃仕事場の外に出たら、センサーライトに照らされて、入り口のコンクリート台の上に体長1~1.5cmの見慣れないクモがいるのを認めた。外気温はもう5℃くらいだから、動きがのろい。センサーの作動時間は30秒くらいなので、カメラを取り出しセンサーの薄明かりでフォーカスを合わせ、何とか2枚撮影した。もちろんフラッシュは併用した。(写真3)これはゆっくり前に移動しているところ。
(写真3)
フラッシュに反射して青く光る眼が2つ見えるのが特徴的だ。それと体軸背面を縦に走る縞も。
これは円網をつくるタイプのクモではない。新海栄一『日本のクモ』、八木沼健夫『原色日本クモ類図鑑』を見ると「エンマグモ科(Segestridae)」のクモで「ミヤグモ属(Ariadna)」の中のミヤグモ(Ariadna lateralis, Karsch 1881)ではないかと思われるが、確信はない。「眼は6眼」とあるが、八木沼図鑑の手書き図では縦並びの側眼が左右に1対あり、前額部に横に並んだ大きな眼が2個ある。フラッシュで、青く光っているのがこれだろう。
エンマグモ科はミヤグモ属2種とエンマグモ属1種=コマツエンマグモ(Segestria nipponica)しか八木沼の図鑑には載っていない。
属名のアリアドナ(Ariadna)はギリシア神話の「アリアドネの糸」に由来するのであろう。円筒状の巣を木や岩の割れ目や屋根と柱の隅につくり、そこから多くのみち糸を放射状に出し、水平に張った網の情報をキャッチする。ラテラル(lateral)は「横の、脇の」という意味だから、ミヤグモのラテン語学名はクモの身体の特徴に由来するのではなく、巣と網の特徴に基づいたものではないか…。それにしても和名の「ミヤグモ」は何に由来するのだろう?まさか神社の軒下に多い、というのではあるまいな。
小野展嗣先生、先生の『クモ学』にはこのクモのことが書かれていませんが、ミヤグモでよろしいでしょうか?
と、書いた後11/23、文房具やら、薬局で「コーラック・ハーブ」を買うために、西高屋ショッピングモールに出かけた。ついでに書店の雑誌売り場で「中央公論」12月号に「特集:国家融解」があるので買った。「新潮45」12月号は、表紙の文句にはあまり魅力的なものがなかったが、目次を見てびっくり。小野先生とビートたけしがクモについて対談している。ためらわずこれも買った。
買い物を終えた後だったので、呉信用金庫と散髪屋の間にある椅子付き、灰皿付き丸テーブルにすわって一気に読んだ。1954年生まれで、子供の頃からクモが大好きで、本当は理学部に行きたかったが、親の反対で学習院の法学部に入り卒業して法学士に。その後なんとドイツのフランクフルト大に8年留学してクモ学を研究したという。
帰国後、京大から理学博士号を授与され、今は国立科学博物館の研究部研究主幹。
それにしてもたけしはクモのことをよく知っているなあ。小野先生の『クモ学:摩訶不思議な八本足の世界』(東海大出版会)もちゃんと読んでいる。対談から彼も学ぶし、それ以上に読者はクモについて理解することができる。本や論文は難しいが、対談や座談会になるとわかりやすくなるのは、世の常道だが、この対談はとても面白いので、12月号はお薦めです。立ち読みにはちと長すぎますから、ぜひお手元に。
このてのクモはゴキブリを退治してくれる「軍曹殿」なんだよ。
難波先生が「体長」を生物学的な意味で使われているかどうか知らないけど。