ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【デジャブ?】難波先生より

2014-11-04 08:42:29 | 難波紘二先生
【デジャブ?】10/22「朝鮮日報」がこんな記事を掲載している。
 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/22/2014102200594.html
 戦争中にコンドームを増産した日本企業「O社」が「戦犯企業」に当たるのだそうだ。製品がどう使われるかは、一旦工場を出たらわからない。では、ダイナマイトを商品化したアルフレッド・ノーベルは世界最大の殺人鬼か?
 論理と修辞を混同したこういう主張を日本語では「言いがかり」といい、ヤクザの常套手段だ。まあ、ヤクザの祖国は朝鮮だから、それも仕方ないか…。(増川宏一『日本遊戯史』,2012によると、元々は3枚の字カルタを引いて、八九三だと合計が20になり、役札でなくなることを言った、という。)

 二人の女性大臣の辞任ついて10/21「毎日」掲載の「サンデー毎日」広告が「辞任ドミノ」という言葉を使っている。同日の「余録」は「徒然草」71段を引用し「デジャブ(既視感)」があると、第一次安倍政権末期の閣僚辞任を想起させている。
 だがしかし、どちらも言葉の使い方がおかしいのではないか。「ドミノ」は西洋将棋で、日本で普及したことはない。「ドミノ理論」は一国が共産化すると隣国が同様になるという国際政治理論で、アメリカによるベトナム戦争の正当化に利用された。
 二人の閣僚の辞任は一方が他方の辞任原因ではないから、これを「ドミノ」と呼ぶ方がおかしい。
 同じく「余録」のいう「既視感」は原語フランス語で「deja-vu」という。これは普通の日本語では「デジャビュー」と表記するはずだ。Vu音やbut音を「ブ」と表記するなら、新人の「デビュー(debut)」もフランス語だから「デブ」になってしまう。
 実際には、独立した理由による辞任だから10/22「産経」記事見出しにあるように「ダブル辞任」が正しい。言葉の文字面と意味が異なっている言語を、オーウェルは『1984年』で「ニュースピーク」と呼んだ。言葉を正しく用いることは新聞の信頼性回復のための、基本要素である。新聞がニュースピークを用い始めたら世も末だ。「敗戦」を「終戦」と言い換えたのと変わらない。”We lost the War.”が正しい言い方だ。
 見出しは整理部がつけるものと思うが、もっとちゃんとならないものか。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 11月3日(月)のつぶやき | トップ | 【読書日記2】難波先生より »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2014-11-05 00:17:32
デジャブはフランス語由来ですが、英語でもよく用いられます。米国人が発音する際は、フランス語風に「デジャヴュー」(ヴューにアクセント)と発音する人と、英語風に「デジャヴ」(デにアクセント)と発音する人がいて、後者ならば日本語表記として「デジャブ」はおかしくないと思います。
wikipedia「既視感」の項目も「デジャヴ」「デジャブ」としています。

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事