ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【修復腎移植裁判、証言3:海外の評価】難波先生より/拡散希望

2014-05-29 20:11:47 | 修復腎移植
【修復腎移植裁判、証言3:海外の評価】=拡散希望
 5/15【修復腎移植掲示板】という文章中に<B型肝炎のドナーから腎臓を移植したなど、嘘の情報もあるので当時関係した医師はきちんと説明してもらいたいと思う。これは「読売」の誤報スクープだったと記憶するが。>と書いた。
 これについて、
 5/27<HBs抗原陽性ドナーからの移植は嘘ではなく事実です(NATROM)>
http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/cf448921899d7f10e49bee97f568a30d?st=1#comment-list
という書き込みが「武田元介ブログ」にあった。
<問題となったドナー症例のHBs抗原が陽性であったことは「専門委員会調査報告への反論」において万波誠医師自身が認めています。「病気腎移植推進・瀬戸内グループ支援ネット」や「修復腎移植推進・万波誠医師を支援します」というブログでも万波誠医師の主張が引用されています。1997年に実施されたドナー女性のデータでは、「HBs抗原 34.50(+)」であり、明らかにB型肝炎ウイルスに感染している状態です。>とのこと。

 2006~2007の朝・読の報道はひどかった…
 「これで医療といえるか」(朝日06/11/5社説)
 「移植患者選びは恣意的、万波医師<気まぐれ>」(朝日11/6夕刊)
 「医療としての妥当性が問われる」(読売06/11/7社説)
 「病気腎<密室>の連携、独自の倫理観、院長に内証」(朝日11/10夕刊)
 「<病気腎移植>に包囲網、年明けにも5学会、統一見解」(朝日12/26)
 「移植後がんで死亡、病気腎使用、潜伏細胞持ち込む?」(朝日07/1/23)
(「患者の死因は肺がん、尿管がん腎移植、広島大の難波教授調査<移植とは無関係>」:中国07/1/30,
「がん患者の病腎移植、<転移症例なし>結論、調査の教授」07/2/1)
 「万波移植カルテ大量廃棄 宇和島病院」(読売07/3/19)
 「病気腎移植、低い生存率、移植学会発表」(読売3/31)
 (「病腎移植36例、生存率5年70%、広島大教授調査<検討に値する>」産経07/1/20)
 「市立宇和島病院、B型肝炎の腎移植、梅毒なども、計4人に」(1面トップ、読売07/2/17)
 該当の症例はこの記事のものと思われる。

 <1997年に実施されたドナー女性のデータでは、「HBs抗原34.50(+)」であり、明らかにB型肝炎ウイルスに感染している状態です。>
 このようにNATORN氏が、具体的な数値まで上げておられるということは、移植学会調査委員会のメンバーか、調査報告書を読める立場にあるということでしょう。私は数値までは知りません。
1997年には「修復腎移植」は、宇和島で行われていません。該当するケースは2000/12の市立宇和島病院例にあります。術前に血液検査が行われていますから、97年のデータは意味がありません。
 B型肝炎ウイルスに感染するとHBs抗原が陽性となります。しかしこれはウイルス被膜タンパクであり、それ自体では感染力を持ちません。感染性の患者ではウイルス核酸であるHBe抗原が陽性となります。この患者は私のファイルではNo.22-23で40歳女性、SLE由来の糖尿病がありネフローゼ状態でした。HBs(+)、HBe(―)で、万波医師は「感染危険性」について、当時内科の担当医と話し合いをしています。
 No.22の腎臓は62歳女性に移植されたが生着3ヶ月で拒絶反応が起き、以後松山市内で透析に入りました。入院中にB型肝炎は発症していません。
 No.23の腎臓は28歳男性に3回目の移植として実施され、3週間後に急性拒絶反応が起こり、3ヶ月後に別の修復腎移植(小径腎がん)を4回目の移植として受けています。が、生着3ヶ月目に急性膵炎を発症し死亡しました。B型肝炎ではありません。
 なおドナーには母親の腎臓が移植されましたが、その後肝不全で死亡しています。よってその後に肝炎が再発した可能性はあります。(ドナーの経過追跡は不完全。)
 この2/17読売記事は、移植学会関係者の意図的リークによるものです。さすがにウソがばれるから恥ずかしいのか、相川厚(患者裁判被告)『日本の臓器移植:現役腎移植医のジハード』(河出書房新社, 2009)の§4「病腎移植はなぜいけないのか」にはまったく書いてありません。東邦医大の相川教授は「厚労省調査委員会」委員長として、ドナーのみ提供に関わった3病院と呉、宇和島の移植実施3病院について、情報を入手できる立場にありました。
 NATRON=相川厚氏とはいいませんが、医師であれば偏見を捨て事実から虚心に学んで欲しいと思います。

 さて、本論に入ろう。今回は「修復腎移植」の国外評価について証言する。
 「弁護人1」は前回に同じ。
 「弁護人2」は原告側の薦田伸夫弁護士(松山市)、「弁護人3」は被告大島伸一氏の代理人藤井成俊弁護士(名古屋市)、「同4」は他の4被告の代理人宮澤 潤弁護士(東京)。

弁護人1「修復腎移植について、海外の評価が高いということも、陳述書にるるお書きになっていますね」
難波「はい」
弁護人1「海外の評価が高いということについては、どういう理由があるのですか」
難波「ご承知かと思いますが、人口100万人当たりの日本の死体腎(脳死腎含む)の提供率は0.6人です。スペインはこれが50です。ですから約80倍の差があります。午前中の証言で大島先生は、日本の臓器移植は和田心臓移植の結果、30年遅れたとおっしゃいましたが、世界を回ってみて日本が移植医療の先進国だなんて、誰も思っていないんです。
 日本は医学の他の領域では全部トップを走っているのに、なんで移植医療だけがあんなに遅れているのか、というふうに見ているわけです。それが<ジャパン・プロブレム>という移植の世界の業界用語になっているんです。で、そのジャパン・プロブレムを非常に心配してくれていて、日本が修復腎移植をやり始めたか、これでドナー不足を解消する方向に行くなということで、評価が高いんですよ。
 修復腎移植に対する評価は、ジャパンが自助努力で自らの問題を解決するだろうという期待感がこもっているんですね。そのために、皆さんいろいろ、万波論文だとか、あるいは小川論文だとか、そういうものを国際学会で、例えばアルゼンチンの臓器提供学会とかマレーシアでのアジア移植学会とか、そういうところでみな表彰してくれたではありませんか。移植後進国、日本への応援ですよ」
弁護人1「海外の学会の考え方として、献腎が多いアメリカなどでも、マージナル・ドナーなどでドナー確保に努力している。それなのに日本では、修復腎移植になぜ学会が反対するのかと、不思議に考えているようなこともあるのですか」
難波「はい。それはドイツのエッセンで2007年6月に開かれた臓器提供に関する学会で、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の教授である、アッシャーさんという女医さんから個人的に質問されました。そのセッションの座長をしておられました。
 アッシャー先生の質問は、今パターナリズムが世界で批判されているが、日本で臓器移植が進まないのは、医師が患者のためと称して、外形的にはインフォームド・コンセントとか倫理委員会とか、いろいろ書類や委員会は作っているが、本当のところは<内心のパターナリズム>を捨てていないからじゃないか、と言われました。
 私も困りまして、しばらく考えて、こうお答えしました。
 確かに、外形的には遺漏がないように、患者側から追求されないように書類は整っているけれど、確かに、本当に、患者の立場で、医療がなされているかというと、疑問がある。
 相変わらず医者が、はい、これは良い、これは悪いという指示を出している。患者さんが理解して治療法を自分で選ぶのでなくて、医者が最適の方法を選ぶというのは、定義によれば、まさにパターナリズムなんです。だから、そういう意味では、口で言っていることと心の中で思っていることが、日本の場合は違うかも知れませんねというふうに、私は答えました」
弁護人1「前回、吉田証人(奈良医大教授)が、ドナーの予後については最低10年間くらいの観察期間が必要、がんの持ち込みについては1パーセントでもあったら推奨できない、0.1パーセントでも、もっとパーセントが低ければどうかと聞かれて、可能性が残っていないといえるためには、数十年後でも1例も出ないという結果が出ないと認められないという趣旨の証言をされました。このご見解について、科学的にはどうなんでしょうか」
難波「バカバカしいです」
弁護人1「なぜですか」
難波「医療ってそういうもんじゃないですよ。0.1パーセントの危険があるから治療行為をやめるというのは…、それはもう患者さんに殴られますよ。
 個人的な経験をお話しさせて下さい。私の母は90歳まで生きたんですが、75歳の時かな、今の私より2~3年歳をとっていました。1980年代のことです。その時に、頭痛がするというので病院を受診したところ、未破裂の、破裂しかかった脳動脈瘤が発見されました。ちょうど昔の、丸餅を火鉢の上の金網で焼いたときにみたいに、ぷうっと膨らんだ状態だったんですね。
 それでさっそく県病院の脳外科に行きまして、部長先生にお願いしたところ、脳の前側の下側にあるから難しい部位だ、手術が成功する確率は7割ですと。30パーセントは途中で失敗して手術中断になるかもしれないし、下手をしたら出血で命を落とすかもしれない。しかし、このまま放置すれば、日常活動は制限され、それでも破裂するかもしれない。で、どっちにするか決めて下さい、と言われたんです。
 母はあんたのいうようにするというし、私が医者だから兄弟は全部、私に責任をかぶせてくるわけですよ。あんたが決めろと。困りましたね。でも、私は30パーセントのリスクがあっても、あのとき手術したから母は元気で90歳まで生きられたと思います。
 だから、30パーセントの危険があるから、そんな手術できませんって。それはもう、そんな医者にはかからんですよ」
弁護人1「欧米では献腎が多いのに、まだドナー拡大のためにマージナル・ドナーを使う努力をしている。で、日本ではドナーが圧倒的に不足しているのに、学会が修復腎移植の導入に反対する。その反対理由について、証人はどうお考えですか」
難波「修復腎移植をどう理解するか、学会の反対理由をどう理解するか、ということですね。
 冒頭に、私は第三者として、これに、できるだけ公平に関わっているつもりだ、と申し上げました。2006年11月からの展開を見ると、大きな論点が3つあったと思います。
 第1期は、2006年11月6日の修復腎移植の存在の報道から、2007年3月の高原発表を経て、4学会統一声明までです。このときの論点は、修復腎移植ついて、学会側は<見たことも聞いたこともない医療だ>、<海外では全然行われていない>という論法でした。
 この問題については、日本で最初に行われた1956年の新潟大「楠移植」というのがあるのです。東大卒の楠教授が腎移植を行ったので、こう呼ばれています。これは昇汞を飲んで自殺を図った青年の腎不全を救命するために、腎移植が行われたのですが、その頃は死体腎もないわけですから、何を使ったかというと、病気腎を使ったのです。特発性腎出血という、尿に大量に血液が出る病気があります。そのために腎臓摘出術を行う予定だった入院患者から、病気の腎臓を取り出して移植したんです。ドナーは治療目的、レシピエントは延命目的で、この医療はまさに病腎移植そのものです。結果は青年の救命に成功しています。
 ですから、日本の腎移植は病気腎移植で始まったわけです。それを否定してしまったら、日本の移植学会が自分たちの大先輩の業績を否定してしまったら、どうするんですか。これは必ず、歴史によって、いま移植学会が言っていることが間違いだ、ということになるでしょう。
 僕らの調査により、そういう病気腎移植が、腎動脈瘤など、過去に日本だけで70例以上あるということが明らかになると、学会の論点が変わって来たんですよ。
 第2の論点は、2007年4月以後のもので、イスラエル・ペンの学説を持ちだして、小径腎がんを移植するとがんが移るという主張に変わりました。だけども、万波移植の中にがんが移った例はありません。2008年にオーストラリアのニコルさんの小径腎がん移植の43例が報告されましたが、全然移っていないじゃないですか。それからヨーロッパでもアメリカでも、過去の症例が発掘されましたが、再発した、転移したという例は一つもないんです。だから、確かに理論的にはそういうことがあるかも知れないけれども、事実によって証明されていないわけだから、この論点あるいは主張も間違いなんです。
 なのに、もうともかく禁止。2007年7月に厚労省が禁止通達を出して、それから2008年12月に修復腎移植の臨床研究が始まって、2012年に12例かをまとめて、徳洲会が厚労省に先進医療としての認可を申請したら、また4学会が厚労大臣宛に、それを認めるなという要望書を出しました。で、今度もまた論点が変わっているんです。
 第3の論点の最大の主張は、小径腎がんの移植はドナーの不利益になる、腎臓を取られたら、ドナーの寿命が短くなるというのが、メインの論点です。それを言っちゃあおしまいでしょうと、私は言いたい。だったら、健康なドナー、親兄弟やいとこから腎臓を取っているのは、あれは犯罪じゃないですか。あれは業務上、傷害罪で逮捕されるかもしれない。つまり、自分たちがやってきた生体腎移植の行為そのものを否定する主張でしょう。自己矛盾していると思わないのか、と私は思います。
 そういうわけで、光成弁護士の最初の質問に戻りますが、私は修復腎移植について、これは日本発の、世界に誇れる移植医療だと断言いたします。で、今年の6月から中国が、死刑囚を臓器移植に利用することを止めると公表しています。彼らも腎臓やそのほかの臓器不足に困っているので、必ずや修復腎移植に乗り出すと考えています。大きな国ですからね、すごいことになると思います。
 日本の学会は世界の動きを無視して、いつまでこうやって鎖国しているつもりなのか、私は不思議でしょうがない。1万3,000人いる腎移植の待機患者さんのうち、毎年約10パーセントが死んでいる、年間に約1,300人が死ぬんですよ。毎日数人が死んでいる。修復腎移植を禁止してから、そういう患者さんをもう8年も見殺しにしているのです。ですから一日も早くこれが、公的な医療として再開され、患者の選択肢が増えることを願いたいと思います。
 日本移植学会は、大きな論点では、もう後だしじゃんけんみたいに、つぎつぎと新たな主張を繰り出されています。しかし、それらは、私から見ると、論理としてはすべて破綻しています。何がなんでも、修復腎移植禁止を貫きたいという、執念の産物としか思えません。その執念はどこから来るのか…
 そこから先は憶測になりますので、差し控えたいと思います」
弁護人2「がんの持ち込みについて確認です。先ほどの証言でカウフマン論文が2002年、先生の陳述書にあるペドッティ報告が2004年、先ほど証言されたブエルの研究が2005年ということで、本件の修復腎移植が問題にされた2006年から07年の時期では、もう既に被告ら移植学会の幹部が言っていた、がんの移植は禁忌であるという、この説はもう否定されていた時期に当たるわけですね」
難波「欧米のトップの研究者の間では、否定されていたと思います。日本の学会幹部はそれを知らなかったのでしょう」
(ここで被告側弁護人に交代)
弁護人3「証人は経歴から、病理が専門ですか」
難波「おっしゃるとおりです」
弁護人3「具体的にはどういうお仕事を主にされていたのですか」
難波「専門は血液病理という領域で、血液学と病理学がオーバーラップする領域です」
弁護人3「呉共済病院にも勤めておられたと」
難波「はい、あそこには10年ちょっといました」
弁護人3「そうすると患者さんの血液を…」
難波「いや、業務は手術材料、生検材料の病理診断、細胞診に病理解剖、それからCPCといいまして、臨床病理カンファレンスです。臨床の先生方と治療中の患者さんや解剖症例をめぐってディスカッションをするカンファレンス。そういうのが主な仕事で、自分の研究として血液病理をやっていた、ということです」
弁護人3「それで広島大学に行かれて、そこでの研究も血液についてですか」
難波「それは個人的な事情になりますが、新しい学部を作るというお話があり、そこへ移ったのですが、中曽根内閣の時の土光臨調に引っかかって学部ができなかった。それで元の研究はよそと共同でやるしかなく、大学ではできませんでした」
弁護人3「広島大ではどういうことを主にしていのですか」
難波「ですから、保健学科と体育学科を合わせたような学部を作る構想があったので、創設準備室に行ったのですが、そこにパーマネントな人事枠がなくて、総合科学部の保健体育講座に張り付けられたことを後になって知りました。学部構想が潰れて、保健体育理論の講義とか、身体障害者に対する体育実技の開設とか、そういうことを…
 普通、身障者は見学させられるのですが、それがおかしいと言ったんです。身障者こそスポーツが必要で、いろいろなスポーツの楽しみ方を学ばなきゃいけない、健康な学生はほっときゃいい。運動サークルに入っていれば、単位を出せばよい。1980年頃ですからね、パラリンピックなんてまだないですよ、体育館にスロープを付けさせるのに事務長とだいぶやりあいました」
弁護人3「それで今のような観点から、授業をされていたということですか。体育学の学生さんに」
難波「張り付けられたのは総合科学ですから一般教育で、すべての学生が対象です。教育学部の学生も、医学部の学生もいます。エイズが流行った頃で、性教育とか性倫理、性病が発生するメカニズム、そういうのを適宜、時代の要請にあわせてやっておりました」
弁護人3「先ほどの主尋問では、2006年11月6日の新聞記事を見るまで、修復腎、病腎については知らなかったと。全くご存知なかったのですか」
難波「全く知りませんでした」
弁護人3「そうすると、腎移植に携われた経験はないのですか」
難波「ありません。腎生検や病理解剖の腎臓の病理診断はしたことがあります」
弁護人3「腎移植自体は…」
難波「私がいた頃は、呉共済病院では腎移植をやっていなかったです。ですから移植医療の体験はありません」
弁護人3「主尋問で御証言され、論文も紹介されました。そうすると2006年11月以降、勉強されて論文などを読まれて、修復腎、病腎のことをお知りになっての証言ということですか」
難波「そのとおりです。で、論文だけ読んだのではなくて、手術も見学しましたし、実際に海外にも何回か出かけて、それぞれの専門家とディスカッションして、勉強しました」
弁護人3「先ほどアメリカの女医さんの話が出ましたが、それは学会ですか」
難波「ドイツ西部の工業都市エッセンで開かれた学会です」
弁護人3「日本の学会には、行かれたことはないのですか」
難波「臓器移植関係の全国学会のことでしたら、ありません」
弁護人3「それは何か理由があるのですか」
難波「だって、それ以前に修復腎移植関係の演題を発表しようとした人たちは、全部却下されたじゃないですか」
弁護人3「証人の応募論文が却下されたということですか」
難波「いや、光畑先生の投稿とか発表申込みとか、小川先生の発表だとか、患者団体の申込みも拒否されています。それどころか、海外にまで手を廻して、国際学会での発表を妨害したではないですか」
弁護人3「証人は学会に発表されたことは」
難波「ひょっとしたら、論文や学会演題に私の名前がついたものもあるかもしれませんが、自分では移植関連学会には、演題も論文も、持ち込んでいません。「医学のあゆみ」など、医学関係の専門誌になら、いくつか論文を発表しました」
弁護人3「論文収集の収集方法について証言されました。第1段で集めた論文から、過去に遡って論文を集めたと。そうすると400本くらい論文を読まれたということですね」
難波「はい」
弁護人3「その中に、今日、証言された論文があったということですね」
難波「ペンの論文とかですね、そのとおりです」
弁護人3「そうすると、証人のご見解は、主に論文を読んで、見聞をして、自分の考えを持たれたと、そういう理解でよろしいのですか」
難波「はい、それで結構です」
弁護人3「証人は、移植を専門にされていないので、日本移植学会に所属されたことはないですね」
難波「ありませんね。せいぜい免疫がらみで、日本免疫学会に入ったくらいですかね」
弁護人3「最後のご証言に、修復腎移植というのは、誰もが考えつかなかった新しい発見で、世界に発信できるものではないか、とおっしゃいましたが」
難波「はい、その通りです」
弁護士3「日本のこの症例数というのは少ないんですよね」
難波「日本には、良性病変を使った修復腎移植が、70例か80例ほど報告されています。もうありきたりのことだから、今は症例報告もされていないと思います。小さな病院だと、死体腎は滅多にまわって来ないですから、動脈瘤のある腎臓など、そこを切除して使っていると思います。」
弁護人3「証人のご意見に、症例数が少ないんで、もっと大規模な臨床試験を開始して、より多くの症例数で効果を確認する必要があると」
難波「そんなこと言っていないですよ。どこで私がそう言っていますか。
 だって今、厚労省が、安倍首相だって、医療が国際競争力をつけるために、海外の大規模試験のデータを、日本の厚労省も認めて、医薬品の輸入とその使用を早めるべきだと、言ってるじゃないですか。もう、オーストラリアで45例かがやられて、その他にもたくさんあるわけですからね。もう必要ないですよ、日本で臨床試験を拡大することは。必要なのは、修復腎移植の早急な認可です。」
弁護人3「(高橋幸春『透析患者を救う!修復腎移植』を開いて)82頁の終りに、<症例数が少ないので、これからもっと大規模な『臨床試験』を開始して、その効果をより多くの症例数で確認する必要があります>、<修復腎移植は「第三の道」になると難波名誉教授は主張した>と書いてありますね」
難波「はい、これは、確かに、かつてそう言ったことはあります。これは高橋幸春さんが書かれた本で、この法廷にもおられますが、これは2006年11月、まだ万波移植が42例もあるということが分からない段階で、中国新聞文化欄に載った論評記事を基にしたものです。バッシングするだけではいかん、可能性を認めて大規模臨床試験をやり、それで評価しようと訴えたものです。今日、現在の私の意見ではありません」
弁護人3「私が聞いたのは、そういうご意見を言われていたのではないか、ということです」
(ここで被告側弁護人が宮澤潤弁護士に交代)
弁護人4「証言の最初のほうで、高原先生の解析が2つあって、少し数字が違うんじゃないか、と言われました」
難波「はい、そのとおりです」
弁護人4「この二つの数字の間に、ある程度年数があることも、お分かりですね」
難波「はい、発表された時点が違うのは承知しております」
弁護人4「その間に、追加の報告があれば、数値が変わるということは、先生もおっしゃいましたね」
難波「数値が変わる可能性はあると思います。しかし、それを決定できるだけの情報は、後に出た論文に含まれていないと思います」
弁護人4「後の論文には書かれていないけれども、追加の報告があれば数値が変わることはあり得るということは、その通りなんですね」
難波「その通りだと思います」
弁護人4「次ぎに、リスクとベネフィットのお話がありました。ヨーロッパのほうでは、プラグマティックな考え方に変わりつつあるというお話をされたのですが、それでよろしいでしょうか」
難波「はい。特にドイツ法の領域が、だんだんプラグマティックな方向に変わりつつあるような印象を持っています」
弁護人4「プラグマティックに変わりつつあるということは、対立する考え方も、当然あるということですね」
難波「私が読んだのはジープの倫理学の本(注1)くらいですが、ジープさんがそこで述べているのは、2陣営に分かれていて、こっちが優勢とかそういう話しじゃなかったと思います」
弁護士4「変わりつつあるということは、その前には、違う考え方があったという意味ですね」
難波「それは認めます、ドイツ観念法学です」
弁護人4「それと、今、先生は病腎移植に関しての評価をされたわけですけれども、その移植の方法は、どのような方法が適切なのかということは、司法の場で決めていくべきなんでしょうか。それとも医療界の中で、医師が議論の中で決めていくべきなんでしょうか。どのようにお考えですか」
難波「それは、望ましいのは、やはり医療界が、患者の声を聴きながら、自ら決めることだと思います」(完)
 注1=L. ジープ他『ドイツ応用倫理学の現在』(ナカニシヤ出版, 2002)
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16 コメント

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Unknown (大丈夫です)
2014-05-30 00:27:47
日本移植学会が、万波先生の言われなきバッシングをし、マスコミ模それにじょうじて自ら調べることもせず世論をあおりました。今回スタップ騒動で、いかにマスコミ特に新聞の科学医療部がお粗末か証明されましたから、万波先生の時も言わずもがなです。しかし世の中は賢い人もおりますから大丈夫です。
返信する
Unknown (地雷原を走る勇者、NATROMの日記さんへ)
2014-05-30 01:55:48
「移植が行われた当時であっても弱いながらも感染力があるとするのが常識であり、少なくともこ件では万波医師の行った移植には大きな問題点があったと言わざるを得ない」しかし、自分は腎臓病にあっては専門外だ。と、当時あなたは言っています。しかし肝臓専門医に聞いたところ当時の肝臓病の常識として、かんせんせいはないと判断する、その旨の当時のこれらのデータの評価を示す文献として、例えば日本消化器病学雑誌98巻P.206から213,(2001年)があると根拠を示しているのにあなたは客観的資料をしめさず思い込みでのべています。「HBs抗体が陽性ということは完治に近いと肝臓専門医に教えられてきた」というB型肝炎患者の見解も無視されました。この時の調査委員長はあの深尾立氏です。それだけでもこの調査が正当性を欠くものと言えます。さらにあなたが示されたデータは正しく有りません。
ドナーの肝炎ビールス検査データ、実施1997年
HBs抗原 34.50 [+] Cut off 1.0 未満
HBe抗原 0.30 [ー] Cut off 1.0 未満
HBe抗体 101.00 [+] inhibition%30未満

これらの数値で、専門医の意見を聞き万波先生は反論されています。
当時の報道が誤りであり、万波先生の手術が正しく見直されていることは言うまでもありません。姑息な手段で、名前も云はず、進歩の無い人です。
返信する
Unknown (地雷原を走る勇者、NATROMの日記さんへ)
2014-05-30 01:55:48
「移植が行われた当時であっても弱いながらも感染力があるとするのが常識であり、少なくともこ件では万波医師の行った移植には大きな問題点があったと言わざるを得ない」しかし、自分は腎臓病にあっては専門外だ。と、当時あなたは言っています。しかし肝臓専門医に聞いたところ当時の肝臓病の常識として、かんせんせいはないと判断する、その旨の当時のこれらのデータの評価を示す文献として、例えば日本消化器病学雑誌98巻P.206から213,(2001年)があると根拠を示しているのにあなたは客観的資料をしめさず思い込みでのべています。「HBs抗体が陽性ということは完治に近いと肝臓専門医に教えられてきた」というB型肝炎患者の見解も無視されました。この時の調査委員長はあの深尾立氏です。それだけでもこの調査が正当性を欠くものと言えます。さらにあなたが示されたデータは正しく有りません。
ドナーの肝炎ビールス検査データ、実施1997年
HBs抗原 34.50 [+] Cut off 1.0 未満
HBe抗原 0.30 [ー] Cut off 1.0 未満
HBe抗体 101.00 [+] inhibition%30未満

これらの数値で、専門医の意見を聞き万波先生は反論されています。
当時の報道が誤りであり、万波先生の手術が正しく見直されていることは言うまでもありません。姑息な手段で、名前も云はず、進歩の無い人です。
返信する
Unknown (深尾立)
2014-05-30 06:46:39
このブログに載っていた人ですね。精神疾患の患者さんをドナーにしたことが問題になりヘルシンキ宣言に抵触すると問題になった人ですね。自分の事を棚にあげなんたること!
返信する
Unknown (NATROMさんへ)
2014-05-30 08:50:18
あなたはネットで、物議を醸している自称内科医のかたですか?
返信する
「万波医師がHBs抗原陽性ドナーからの移植した」というのは事実です (NATROM)
2014-05-30 10:00:41
難波先生、お返事ありがとうございます。

HBs抗原の数値については、「病気腎移植推進・瀬戸内グループ支援ネット」や「修復腎移植推進・万波誠医師を支援します」で公開されていましたので、調査委員会のメンバーでなくても読めます。「万波医師がHBs抗原陽性ドナーからの移植した」と私が書いたのは、マスコミだけではなく、万波医師を支援するサイトに、万波医師の名前で、具体的な数値でもって情報が述べられていたからです。それとも、「病気腎移植推進・瀬戸内グループ支援ネット」がまったく虚偽の情報を載せたのでしょうか?

今回、難波先生も、「HBs(+)、HBe(―)」と述べられている通り、「万波医師がHBs抗原陽性ドナーからの移植した」というのは事実です。よって、2014-05-16のブログ記事にある、

> http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=3470940&id=32546854
> B型肝炎のドナーから腎臓を移植したなど、嘘の情報もあるので当時関係した医師はきちんと説明してもらいたいと思う。

という主張は撤回、修正していただけるものと期待します。

なお、HBe抗原陰性であってもHBs抗原が陽性であれば感染力があります。肝臓あるいは感染症を専門とする医師にお尋ねするか、基礎的な教科書をお読みください。
返信する
Unknown (NATROMさんへ)
2014-05-30 10:44:06
あなたはどうしてもB型肝炎でなくなったことにしたいのですか?あなたのようなひとがB型肝炎患者さんへの偏見を産んできたのです。そもそも専門医に完治に近いといわれてきたのなら、本当にB型肝炎ウイルスなのか担当医師でもないあなたにわかるのですか?膵炎からの肝障害を疑わない理由をお答え下さい。
返信する
Unknown (いつもの嫌がらせ)
2014-05-30 11:16:13
下っぱの暇な人間にいつもブログを点検させて、こまかなことに口をだしてくる、愚か者です。まともな皆さん取り合わないように。もうすぐ裁判ですから焦っているのでしょう。かわいそうに
返信する
Unknown (Unknown)
2014-05-30 13:14:28
私は医師ではありませんが親族に糖尿病の者がいるので、自分の身にもいつ降り懸かるかわからないこともあって、このブログを拝見しています。NATROMという名前の書き込みをみて怒りがこみあげてきました。
誰でも好きで病気になる訳では有りません。病気腎移植推進、瀬戸内グループ支援の方達を冒涜する発言は許せません。本来ならば国がやらなければいけないことを市民の皆さんがご自身もお辛い中訴えていらっしゃるのに、なんたる言い草。あなたが医師ではないことを祈ります。病で苦しみ国に訴えている人達を支えるどころか邪魔をするなんてとんでもない事です。人間ではありません。
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Unknown (Unknown)
2014-05-30 13:54:07
本気で修復腎移植を推進するためには、事実を些かも歪曲して伝えるのはよくない。B肝に感染していたのが事実なら、それを『嘘』といってしまうと逆に移植推進派の議論全体の信頼度を著しく損ずる。むしろ、このことに怒りを覚える。

HBs抗原陽性・HBe抗原陰性のドナーの感染性はゼロではないし、レシピエントが透析患者の場合のリスクは一般人より高いと推定される。万波医師はそのリスクを評価した上で移植を決定したのだろうし、結果的にB肝と患者の死亡の間に因果関係は認められなかった。過去の事実は冷静に受け止める必要がある。『お辛い中訴えていらっしゃるのに』といった気持ちは理解できるが、感情論では医療の現実は変わらない。理性で訴えていきましょう。
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