9月も第3週に入ると、やっと晴れて秋らしい青空がのぞくようになった。空高く鱗雲や飛行機雲が見かけられる。8月中旬からしばらく続いた、低く雨雲が立ちこめ、降ったりやんだりしていた天候がウソのようだ。
近くに民営の豊栄飛行場があって、そこから飛び立った一人乗りの軽飛行機が空を飛んでいる。空が澄んで見通しが利き、空気もさわやかで、さぞ気持ちがよいだろう。
今年はイチジクの樹にエドがネットを掛けてくれたので、カラスやヒヨドリに食われることがなく、いまだにイチジクの実が沢山なる。おかげで毎日、食卓には赤く熟れた果実が並ぶ。
庭のはずれの藪に山芋が沢山自生しているが、そのツルにムカゴが多数稔っている。
家内がちょっともぎに行くと、たちまちザルにいっぱいになる。これをすり鉢かミキサーで砕けば、とろろができる。
これらは小指の先ほどしかないが、葉の付け根にできた種芋で、植え付けると新しい山芋の芽が生えてくる。一種のクローン生殖である。で、家内がそれを天ぷらにしてくれた。
見かけは「黒豆の天ぷら」みたいだが、もとが山芋の赤ん坊だから、柔らかくて結構美味しい。焼酎のおつまみとしてもいける。
こんなふうにして、実りの秋を少しずつ楽しんでいる。
軽乗用車とデジカメと登山靴があったら、田舎暮らしにお金はかからない。
8/25メルマガで白い卵嚢を抱え込むクモを取り上げたが、これについてクモ学者の小野展嗣先生(国立科博動物研究部)から、
http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/c67c3af2b23c90af7ed1eb8c20ec4253
「写真の卵嚢をかかえたクモはカニグモ科のヤミイロカニグモです」とご教示があった。ありがとうございました。日本語WIKIを見ると、<日本産カニグモの代表種>とある。胸部背面に縦に2本ある褐色の縞から「ヤミイロ」と命名されたのであろうか。
R.F.Foelix「Biology of Spiders
(2011)によるとクモ類は4万種いて、110科に分かれるという。クモ類の英語俗名による大ざっぱな分類を見ると、3つの亜目に分かれ、90科を含む「アラネオモルフェ(Araneomorphae)」亜目に「ウルフ・スパイダー(Lycosidae)科」と「クラブ・スパイダー(Thomsidae)科」とがいる。和名は前者がコモリグモ、後者がカニグモとなっている。Wolf Spider(オオカミグモ)=Lycosidaeは網を張らない徘徊性のクモで、穴を掘って生活する。また卵嚢を身体に付けて運び、生まれた子供を背中に載せて防御する。八木沼健『原色日本クモ類図鑑』(1986)によると、旧名はドクグモだったが、毒性は強くないので1973年に和名がコモリグモと変更された、とある。正直言ってこの和名はわかりにくい。「籠もりグモ」なのか「子守りグモ」なのか…。英名のオオカミグモは網を張らず、積極的に狩りをする習性から来ているようで、これはわかりやすい名前だ。
上記フェリックスの本にはクラブ・スパイダーの名称について、「非常に巧みに横歩きする」と説明してあるが、日本語の本では上記八木沼の本、新海栄一『日本のクモ』(2010)でも、「歩脚はカニ状」、「全体の感じはカニに似ている」とあり、横歩きの事実が書かれていないので、和名がわかりにくい。
古い分類ではカニグモ科の類縁に、エビグモ、ヤドカリグモ、シャコグモという属があり、カニからの連想だろうが、安易な和名の付け方に笑ってしまう。このうちエビグモ類(Phi;pdromidae)は分子生物学的証拠に基づいて、カニグモの系統発生と関係がないことが明らかになり、カニグモ科からはずされたとフェリックスは述べている。こういうふうに根拠を述べ、依拠した論文を明示した記述は信頼できるが、八木沼のように「現在ではカニグモ科とエビグモ科は独立科となっている」としか書いてないと、権威主義的で不審が募る。
クモは一般人から毛嫌いされているが、負けず劣らず日本語のクモの本もとっつきにくい。
今回は
1.【書評】No.234長谷川伸「瞼の母・沓掛時次郎」
2.【修復腎移植ものがたり(5)助っ人】
3.【宿題代行業】=こんな新手のビジネスがあるとは知らなかった、
4.【朝日騒動】=どうも社長辞任ぐらいでは収まりそうにない、
5.【書込を読んで<デング熱>】
6.【書込を読んで<トコリの橋>】
を取り上げました。
近くに民営の豊栄飛行場があって、そこから飛び立った一人乗りの軽飛行機が空を飛んでいる。空が澄んで見通しが利き、空気もさわやかで、さぞ気持ちがよいだろう。
今年はイチジクの樹にエドがネットを掛けてくれたので、カラスやヒヨドリに食われることがなく、いまだにイチジクの実が沢山なる。おかげで毎日、食卓には赤く熟れた果実が並ぶ。
庭のはずれの藪に山芋が沢山自生しているが、そのツルにムカゴが多数稔っている。
家内がちょっともぎに行くと、たちまちザルにいっぱいになる。これをすり鉢かミキサーで砕けば、とろろができる。
これらは小指の先ほどしかないが、葉の付け根にできた種芋で、植え付けると新しい山芋の芽が生えてくる。一種のクローン生殖である。で、家内がそれを天ぷらにしてくれた。
見かけは「黒豆の天ぷら」みたいだが、もとが山芋の赤ん坊だから、柔らかくて結構美味しい。焼酎のおつまみとしてもいける。
こんなふうにして、実りの秋を少しずつ楽しんでいる。
軽乗用車とデジカメと登山靴があったら、田舎暮らしにお金はかからない。
8/25メルマガで白い卵嚢を抱え込むクモを取り上げたが、これについてクモ学者の小野展嗣先生(国立科博動物研究部)から、
http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/c67c3af2b23c90af7ed1eb8c20ec4253
「写真の卵嚢をかかえたクモはカニグモ科のヤミイロカニグモです」とご教示があった。ありがとうございました。日本語WIKIを見ると、<日本産カニグモの代表種>とある。胸部背面に縦に2本ある褐色の縞から「ヤミイロ」と命名されたのであろうか。
R.F.Foelix「Biology of Spiders
(2011)によるとクモ類は4万種いて、110科に分かれるという。クモ類の英語俗名による大ざっぱな分類を見ると、3つの亜目に分かれ、90科を含む「アラネオモルフェ(Araneomorphae)」亜目に「ウルフ・スパイダー(Lycosidae)科」と「クラブ・スパイダー(Thomsidae)科」とがいる。和名は前者がコモリグモ、後者がカニグモとなっている。Wolf Spider(オオカミグモ)=Lycosidaeは網を張らない徘徊性のクモで、穴を掘って生活する。また卵嚢を身体に付けて運び、生まれた子供を背中に載せて防御する。八木沼健『原色日本クモ類図鑑』(1986)によると、旧名はドクグモだったが、毒性は強くないので1973年に和名がコモリグモと変更された、とある。正直言ってこの和名はわかりにくい。「籠もりグモ」なのか「子守りグモ」なのか…。英名のオオカミグモは網を張らず、積極的に狩りをする習性から来ているようで、これはわかりやすい名前だ。
上記フェリックスの本にはクラブ・スパイダーの名称について、「非常に巧みに横歩きする」と説明してあるが、日本語の本では上記八木沼の本、新海栄一『日本のクモ』(2010)でも、「歩脚はカニ状」、「全体の感じはカニに似ている」とあり、横歩きの事実が書かれていないので、和名がわかりにくい。
古い分類ではカニグモ科の類縁に、エビグモ、ヤドカリグモ、シャコグモという属があり、カニからの連想だろうが、安易な和名の付け方に笑ってしまう。このうちエビグモ類(Phi;pdromidae)は分子生物学的証拠に基づいて、カニグモの系統発生と関係がないことが明らかになり、カニグモ科からはずされたとフェリックスは述べている。こういうふうに根拠を述べ、依拠した論文を明示した記述は信頼できるが、八木沼のように「現在ではカニグモ科とエビグモ科は独立科となっている」としか書いてないと、権威主義的で不審が募る。
クモは一般人から毛嫌いされているが、負けず劣らず日本語のクモの本もとっつきにくい。
今回は
1.【書評】No.234長谷川伸「瞼の母・沓掛時次郎」
2.【修復腎移植ものがたり(5)助っ人】
3.【宿題代行業】=こんな新手のビジネスがあるとは知らなかった、
4.【朝日騒動】=どうも社長辞任ぐらいでは収まりそうにない、
5.【書込を読んで<デング熱>】
6.【書込を読んで<トコリの橋>】
を取り上げました。
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