日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

金沢移住顛末記 - 晩酌

2021-08-21 22:27:44 | 晩酌
新居の利便性は驚異的です。ほとんど濡れずに繁華街まで歩くことができ、その範囲であらゆるものが揃います。実際のところ、郊外型の商業施設を利用する機会がほとんどありません。スーパーで買い出しするのも今夜が初となりました。
北陸を囲む各県には、それぞれの県を発祥とするスーパーが幅を利かせています。ざっと挙げても新潟の原信、ナルス、ウオロク、長野の西友、デリシア、マツヤ、滋賀の平和堂、岐阜のバローといったところです。しかし、北陸では事情が若干異なります。富山のアルビスはさておき、石川には互角に渡り合うスーパーがありません。しいていうならここだといえるところはあり、代表格がマルエーです。県外資本のスーパーに押されながらも健闘する当店を、一度表敬してみたいとは思っていました。折も折、帰り道の左に店舗があったため、これが好機と思い立ち訪ねてみたわけなのですが、その結果は残念ながら大和との落差を感じるものでした。
顕著な違いが出た点の一つに刺身が挙げられます。六時台に訪ねたところ既にほとんど残っておらず、めぼしいものは県外産のスズキだけでした。値段についてはこちらの方が割安とはいえ、倍にも満たない違いなら、自分にとっては大和の方が満足できます。あちらまで歩いて行ける環境が、いかに恵まれているかを再認識しました。それとともに、マルエーの印象が弱い一因を図らずも知るに至りましたが、一定の支持を集める理由も分かったような気がします。商品力こそ規模で勝る県外資本に及ばないものの、地場ならではの強みを活かし、都心部にも小型の店舗を配置して、隙間の市場を開拓していく方針なのかもしれません。


車だい昆布〆
えびす寒天
チキンと夏野菜の和風マリネ
山芋オクラ
高原ミックス
絹とうふ
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金沢移住顛末記 - 語尾の特徴

2021-08-21 20:51:33 | 北陸
同じ土地に何度も足を運ぶことにより、特徴的な言い回しがあるということに気付いてきます。金沢でいえば「ようこそ」もその一つです。通常は出迎えのときに使う言葉が、当地では見送りのときに使われます。ただし、最初の頃は「浜長」の親方の口癖とばかり思っており、方言の一種と気付いたのは比較的近年になってからでした。最近になって気付いたのは、語尾に特徴があることです。
典型的に現れるのは、「ので」という接続助詞を使う場面です。書き下せば標準語と変わるところはないものの、「で」の部分を延ばして上げ下げするとでも表現すればよいでしょうか。最初にそれを意識したのは、入居にあたって不動産屋と何度か応答したときです。「ようこそ」の使い方と同様、最初の頃は個人の癖かと思いました。しかし似たような口調を度々耳にするに至り、方言の一種と気付いて今に至ります。今日運送会社と何度か連絡した際も、電話口からその特徴は窺われました。問い合わせ先の番号は全国共通だったものの、最寄りのコールセンターへつながっていたということでしょう。しかし、年に何度か訪ねるだけで、これほど細かな特徴を発見できていたかどうかは分かりません。味付けの甘辛さにしてもそうですが、住んで初めて分かることは多いというのが実感です。
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金沢移住顛末記 - 骨折り損

2021-08-21 20:35:26 | 北陸
買い出しをして新居に戻り、届いた寝具を早速広げ、あとは荷物を待つだけかと思いきや、指定した時間になっても音沙汰はなし。そうなるに至って気付いたのが、携帯の不在着信です。留守番電話に残っていたのは運送会社からの知らせでした。転送を取り消す手配が間に合わず、荷物は送り返されたとのことでした。これにより、帰京してから再度こちらへ運ばざるを得ず、無駄な往復が生じます。転送を依頼しなければ、今日中に寝具ともども受け取れていたわけであり、骨折り損のくたびれ儲け以外の何物でもありません。
運送会社に何ら非はなく、咄嗟のことに慌てたこちらの責任です。しかし販売店の対応は残念でした。というのも、一定以上の期間にわたって新居を空ける状況が出てくることは想定の上、極力こちらで受け取れるよう発注の時期を調整し、微妙な場合は実家宛にしていたのです。今日あたりに着くと想定できていれば、宛先を事前に変更したでしょう。しかるにそれをしなかったのは、月末までかかるかのような案内を受けていたからです。それが何の前触れもなく十日も前に発送され、しかもそれがこちらの帰京する直前というのが何とも皮肉でした。
せめて一日早く送ってもらえば、こちらで普通に受け取れたと思うとやるせなさが募ります。しかし、嘆いていても始まりません。この失敗から学ぶべきは、同様のことが再び起きた場合、荷物がこちらに着いてから転送するかどうかを決めるということです。二重生活を乗り切る上での教訓とします。
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金沢移住顛末記 - 額温泉

2021-08-21 17:45:32 | 温泉
喉の渇きを癒やした後は銭湯で汗を流します。立ち寄るのは金沢市最南端の額温泉です。
越してきてから訪ねた四軒は全て温泉でした。温泉の屋号を掲げていないところについてもです。しかしこちらはその逆で、脱衣所には地下水を沸かしているとの断り書きが。文面には創業昭和40年の文字もあります。最寄駅は北鉄の額住宅前、住宅とは有り体にいうと団地です。いわゆる高度成長期、郊外に造成された団地とともに誕生し、歴史を重ねてきたのでしょう。木製のロッカーは開業以来の年代物と見受けられ、古きよき時代が偲ばれます。

★額温泉
金沢市額新町1-30
076-298-7986
1340PM-2300PM(日祝日 1240PM- )
月曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)
入浴料460円
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金沢移住顛末記 - 桜生水

2021-08-21 17:17:20 | 北陸
昨日はどうにか耐えられたものの、今日の暑さは限度を超えました。一日汗をかき続け、冷たい水をがぶ飲みしたい気分です。金沢へ戻る道沿いに湧水があるのは助かります。桜生水に立ち寄りました。
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金沢移住顛末記 - アーチ橋

2021-08-21 16:40:49 | 北陸
金平駅から線路の跡を辿っていき、舗装路が切れた地点から少し歩くと、アーチ橋が残っていると先人の踏査記録にはありました。ほぼ真横から撮った写真とともにです。ただし、線路の跡を辿っても、横からの写真は当然ながら撮れません。全景を捉えられる位置までどのようにして到達したかが謎でした。しかし、実際に歩いたことで得心します。ご丁寧にも遊歩道が造られ、橋の袂から川岸へ下りられるようになっていたのです。線路の跡を歩いて辿る物好きが意外に多いということでしょうか。真相のほどはともかく助かりました。
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金沢移住顛末記 - 金平駅

2021-08-21 16:25:23 | 北陸
続いては金平駅を訪ねます。「男はつらいよ」第9作の冒頭を飾ったことでつとに知られる当駅に、遺構は一切ありません。しかし、線路を転用した道が一直線に田圃を貫く光景から、鉄道在りし頃の情景はむしろ色濃く感じられます。まだ青々としてはいながらも、稲穂が頭を垂れてきました。実りの秋まであと少しです。
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金沢移住顛末記 - 橋脚

2021-08-21 16:12:16 | 北陸
沢駅を出て少し進むと、線路の跡は未舗装の農道となって小川の手前まで続きます。その小川を跨いでいた鉄橋の橋脚には導水管が渡されており、水道橋として第二の務めを果たしているところでした。
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金沢移住顛末記 - 沢駅

2021-08-21 15:50:54 | 北陸
かつての線路は鉱山から川沿いに小松市街へ下っていました。線路は右岸、国道はその対岸を行く区間がしばらく続きます。沢駅についても同様です。線路の跡の道沿いにホームが残る状況は先ほど訪ねた観音下駅と同様ながら、道との境は草生していて、石積みの上はアスファルトの舗装で覆われています。先人の踏査記録に基づき特定できたものの、それがなければ見落としていたかもしれません。
この手の遺構に注意を払いつつ辿るなら、車から降りて歩くのが一番です。さりとて徒歩では時間を際限なく費やします。何が最も適しているかと考えたとき、浮かんでくるのは自転車です。大枚をはたいて買ったブロンプトンで線路の跡を走ってみるのは一案でしょう。しかし相も変わらず気温以上に蒸し暑く、長く走れるような状態ではありません。然るべき季節を待つしかなさそうです。
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金沢移住顛末記 - 観音下駅

2021-08-21 15:36:36 | 北陸
尾小屋鉄道の遺構を辿りつつ戻ります。先人の踏査記録を参照しつつ、難読の観音下駅を訪ねました。車内からでは判然とせず、車を止めて歩いたところ、目に留まったのは石積みです。一見すると道より一段高い位置にある民家の基礎に見えるものの、よくよく見ると石積みが直線状ではありません。少し離れた位置から小松方面を向いたところ、線路を転用した道が緩やかに弧を描いており、ホームもその曲線上にあったらしいと分かります。鉄道在りし頃の面影が偲ばれる光景です。
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金沢移住顛末記 - ポッポ汽車展示館

2021-08-21 14:43:12 | 北陸
国道8号線、416号線の順に走って尾小屋にやってきました。目当てのポッポ汽車展示館を訪ねます。
上屋を模した屋根の下にホームと線路を配置して、蒸気機関車、客車、気動車を並べたのがその正体で、「館」というより屋根付きの保存車両に近いのが実態です。公開日に何が変わるかといえば、気動車が屋外に引き出されることと、鉱山で働いていたトロッコに乗車できることです。同僚だった気動車が自走までする粟津のなかよし鉄道に比べ、ささやかな展示ともいえます。しかしこの物騒なご時世なら、公開が「自粛」を余儀なくされてもおかしくありませんでした。予定通りに公開したのは、公共施設がどこもかしこも閉鎖される中、行き場をなくした人々に楽しんでもらうためだと保存会のWebサイトには綴られています。弘前で花見をしたときにもつくづく思ったのですが、自粛自粛と叫ぶだけなら簡単です。暗いと不平を言う前に、進んで明かりを灯しなさいという先人の言葉があります。細心の注意を払いつつ公開を続ける有志の皆様方には頭が下がるばかりです。せめてもの感謝の印として、硬券を記念に買って辞去しました。
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金沢移住顛末記 - 金沢総合車両所

2021-08-21 12:52:21 | 北陸
チューから引き続き走ると松任駅に至ります。駅の裏手にあるのが金沢総合車両所の松任本所、かつての松任工場です。本線から左に弧を描いて入る構内には、今春七尾線での務めを終えた415系と、トワイライトエクスプレスの塗装をまとったEF81が留置されていました。引退した国鉄型が野晒しにされた光景は、形骸化が進む北陸の鉄道網の行く末を暗示するかのようでもあります。新幹線が敦賀に延びれば、本線を引っ切りなしに行き来する特急列車は全廃され、やってくるのは短編成の普通列車がせいぜいです。保守すべき車両がそもそもなくなったとき、この工場の処遇はどうなるのでしょうか。今はまだ直視したくない現実です。
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金沢移住顛末記 - チュー松任田中店

2021-08-21 12:19:52 | B級グルメ
細かな用事を済ませてようやく出発しました。尾小屋へ向かう道すがら、腹ごしらえを済ませます。噂のチューを訪ねました。
当地に住まいを構えることとなったとき、すしべんに8番らーめんなど序の口、現地人御用達の店は他にもあると知りました。芝寿しとともに紹介されていた中の一つがこちらです。現代風に形容するなら町中華で、暖簾分けで増えた店が県下に点在し、店毎に品書きも味も違うと聞いていました。その噂から想像したのは、関東における珍来、近畿におけるラーメン藤のような存在です。新居から歩ける距離に一軒あり、昨日も候補の一つに挙げていたものの、洋食屋に一度は行くという判断から見送ったという経緯があります。初めてのチューは松任田中店となりました。
暖簾をくぐるのは初ながら、実は何度も見ていたという事実があります。既に廃業しているものの、野町駅前にチューの屋号を掲げた店舗があるのです。同じ看板が方々にあれば、チューとは果たして何物なのかと興味が湧いていた可能性は十分あります。しかるに気付かなかったのは、控えめな店構えによるところが大きいのかもしれません。沿道に建つ縦長の看板は小さめで、「ラーメン」の文字を掲げた暖簾もおそらく既製品でしょう。しかし、店構えから訴えるものは弱くとも、雰囲気はこちらの好むところです。暖簾をくぐった先にはオープンキッチンのカウンターにテーブルが三つ。厨房に立つのは女将だけかと思いきや、出前から帰ってきたと思しき店主が加わりました。麺類、一品、丼物と定食各種が揃う、町中華らしい品書きも申し分ありません。
暖簾を潜る前までは、初見なら手堅く行こうと思っていました。頭の中にあったのはラーメン、餃子、炒飯といった何の捻りもない品々です。しかし先客の定食が実にうまそうでした。それに倣って注文したのは焼肉定食850円也。金沢に来てからというもの、惣菜の味付けが甘辛いことに気付きましたが、ここの焼肉も御多分に洩れず甘辛です。
昼時ということもあり、地元客が引きも切らずに暖簾をくぐります。むくつけき男が黙々とお昼を頬張る光景は、老若男女様々な層に支持される8番らーめんとは好対照。彼等の多くが注文するのはご飯物ですが、ラーメンも同時に選ぶお客が少なくありません。ラーメンは一種の副菜というのが当店における常識なのかもしれません。注文のコツは分かりました。最寄りの店舗を訪ねるときの参考にします。

チュー松任田中店
白山市田中町251
076-276-9876
1100AM-2000PM
木曜定休
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金沢移住顛末記 - ヤマニクリーニング

2021-08-21 11:30:49 | 北陸
帰りを延ばしたことにより、野暮用が一つ増えました。業務の際に着るYシャツの洗濯です。持ち出したシャツは四枚ありました。今週末に一旦帰る前提なら、それで一応間に合うため、持ち帰ってから出すつもりでした。しかるに帰りが延びたことにより、こちらで済ませる必要が出たという次第です。
最寄りの店は、物件を出て大通りを渡った先の街道沿いです。店主夫妻と大女将らしき三人組が仕切る雰囲気はこちらの好むところでもあります。最近越してきたことを告げると、大女将からはようこそというお言葉が。この物騒なご時世に、よりにもよって東京からの転入者を受け入れてくれた当地の皆様方には、かねてから深く感謝しているところではありますが、改めてそう実感する一幕でした。
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金沢移住顛末記 - 一石二鳥

2021-08-21 10:54:13 | 北陸
帰りを延ばしたのは結果として一石二鳥となりました。新居を出ようとした瞬間、寝具が入荷したとの知らせが入ったのです。その場では外出を理由に一旦保留したものの、直後に考え直しました。今夜から使えるならそれに越したことはありません。最速でどれだけかかるかたずねたところ、すぐにでも届けられるとのことだったため言葉に甘え、今し方運び込まれたところです。知らせを受けてから搬入まで、20分足らずの間の出来事でした。近くの店で手配したことの効用は絶大です。
入居以来、キャンプ用のマットで休んできましたが、それでもどうにかなるものだというのが実感です。とはいえ、幅も厚みも限られるため、目覚めた直後は腰の痛みを感じていました。それだけに、今夜から上質な寝具で休めるかのは助かります。これから届く荷物を含め、帰京の前に主要な家財を揃えられるのは幸いです。
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