日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

灼熱の近畿を行く 2017 - 蔵

2017-08-18 21:04:15 | 居酒屋
近年甲子園とともに巡礼してきたのが「明治屋」ですが、試合の終了が延びたことで、本日は素通りするしかなくなりました。阪神電車と近鉄電車を乗り通して奈良へ直行、さらには投宿も後回しにして「蔵」を訪ねます。

結果論ではありますが、今回の旅程を考えた場合、大阪、和歌山、奈良の順で泊まればよかったのかもしれません。しかるに奈良、和歌山、京都という組み合わせになったのは、日曜の京都の宿が空いていたという事情もさることながら、奈良へ行くなら平日にしたかったという事情によるところが大です。というのは、去年奈良を土曜に訪ねたところ、「蔵」が予約満席の大盛況で、その後どうにか入れたものの、客層が見事なまでに俗化していたからです。ここまで雰囲気が一変するようなら、今後は平日に訪ねた方が賢明だろうと思いました。平日の近畿圏で一泊できるという状況が巡ってきたとき、いの一番に浮かんできたのが奈良だった次第です。
こうして宿願を達成したわけなのですが、残念ながら所期の成果は必ずしも達成できませんでした。まず着いて早々面食らったのは、店先にまたも予約満席の張り紙があったことです。先客が出てくるところに運よく重なり、片付けを待ってから入れることになったものの、依然として客層は俗化していました。欧米人の二人組がいるのは奈良らしくてよいとしても、他の先客がそれぞれ六人組と三人組で、彼等だけでカウンターの半分以上が埋まっていました。決してたちの悪い客ではなく、むしろ節度を保った人々ではあるのですが、日頃古い酒場で呑むという習慣を持たないであろう人々でカウンターが埋まり、客層が明らかに変質していることに対して違和感を覚えるとでも申しましょうか。
この状況から察するに、旭川の「独酌三四郎」などと同様、影響力のある番組あるいは情報誌か何かに取り上げられ、それ以来客層が変わってしまったのかもしれません。これでは土曜ばかりか金曜も避けた方が望ましく、行くとしてもお客が引けた遅い時間を狙うしかなさそうです。
色々と否定的なことを申してしまいましたが、変わったとはいっても中洲の「一富」ほどの変わりようではありません。一般人ならまず気にしない程度の、わずかな客層の変化であり、その他の部分が保たれているのは幸いです。攻略法をもう少し模索していく必要はありそうですが、今回再訪できたことについては満足しています。

ちなみに、去年「明治屋」に同道した仲間に今回もお出まし願いました。今回も「明治屋」へ行こうと声を掛けていたところ、こちらの都合で急遽奈良に振り替えるという、何とも身勝手な振る舞いではありましたが、快く応じてもらえたことに感謝しています。


奈良市光明院町16
0742-22-8771
1700PM-2130PM(LO)
木曜定休

ハートランド
貴仙寿
おでん三品
鱧おとし
きも焼
若鶏串焼
氷頭なます
赤だし
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灼熱の近畿を行く 2017 - 言式合糸冬了

2017-08-18 18:30:00 | 野球
七時を回ったところで第四試合が終わりました。9対1で東海大菅生の勝利です。序盤の一方的な展開から、どれだけ大差が付くかと思いきや、後半は全く互角の展開になりました。敗れたとはいえ、本塁打で一矢報いた青森山田の意地は天晴れでした。
第三試合が残した強烈な印象の前には何もかもが霞みがちです。しかし、最後に印象を刻んだ光景があります。今春の選抜を巡礼したときには、アルプス席を埋め尽くした中村の応援に圧倒されましたが、それとは対照的なささやかさだったのが、青森山田が陣取る本日の三塁側アルプス席です。少なくとも、遠目には野球部と吹奏楽部しかいないように見え、一般の学生も、保護者の姿も見当たりませんでした。それを見て気付いたのは、同校にまつわる噂が本物だったということです。今季久々の代表権を獲得したとき、同校が今では県内出身者を主力にして戦っていると話題になりました。かつて「大阪山田」と揶揄された当時なら、少なくとも選手の保護者らは駆けつけていたでしょう。それすら見当たらないという事実が、同校の変貌ぶりを無言のうちに物語っています。
青森の遠さはもちろん承知のこととはいえ、8強入りを争う一戦ならば、盛大に応援してやれなかったものかという老婆心が頭をもたげてきます。とはいえ、数こそ少なかったものの、声援の大きさは相手に一切引けを取らず、むしろ上回っているようにさえ思われました。それを含め、健闘に拍手を送りたいというのが偽らざる心境です。

今季の巡礼はこれにて終了です。第一試合では手に汗握る投手戦を、第二試合では地元のチームの戦いぶりを、第三試合ではこれぞ高校野球というべき劇的な展開を、第四試合では新生青森山田の奮闘を見届けることができ、足を運んだからこその収穫が全ての試合にありました。暦と大会の日程が噛み合わず、一時は断念しかけたところが、雨による順延と組み合わせの妙により、唯一捻出できた機会が今日でした。行くならこの日しかないという状況で、ことごとく好試合に恵まれたのを幸いに思います。
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灼熱の近畿を行く 2017 - ナイター

2017-08-18 18:17:24 | 野球
二試合が延長にもつれ込むという予想外の展開により、第四試合は五時の開始となりました。いずれも接戦で展開したこれまでの三試合とは対照的に、東海大菅生の打棒が猛威を振るい、前半終了時点で8対0の一方的な展開となっています。グラウンドに延びていた影が弱まり、程なくして照明が灯されました。去年に続いてのナイターです。
猛攻にひたすら耐えるのみだった青森山田も、ようやく立ち直りつつあるのか、五回は初めて両軍無得点で終わりました。この先よほどの波乱がなければ、七時過ぎに試合終了といったところでしょうか。ほどほどの時間に終われば、天王寺の「明治屋」で一献傾けてから奈良へ向かうつもりでしたが、今日は残念ながら見送らざるを得ません。近鉄電車で直行する形になりそうです。
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灼熱の近畿を行く 2017 - 魔物

2017-08-18 16:40:03 | 野球
第三試合が先程終わりました。いや、兎にも角にも壮絶な試合でした。甲子園に棲む魔物とやらを、目の当たりにしたような思いです。
終盤までは淡々とした展開でした。両軍走者を出しながらも、効率よく加点した明豊と、空回りする神村学園との間で徐々に点差が開き、最終回に入った時点で5対2となっていました。事態が急展開したのは2死をとってからです。安打で出た先頭打者を塁上に置きながらも、最後の打者を平凡なゴロに仕留めて試合終了と誰もが思ったその瞬間、二塁手の手元で突如打球が跳ね、中前に転がって二塁走者が生還。それだけなら偶然のいたずらで済む話でしたが、呆気にとられたのは直後の連打でたちまち同点に追いついたことです。その裏の反撃も不発に終わり、試合は本日二度目の延長戦に入りました。
結果としては、第1試合と同じく延長12回で決着したわけなのですが、その幕切れがこれまた劇的でした。延長に入ってからは、土壇場の同点劇で勢いづく神村学園が一転優勢に試合を進め、迎えた12回表に2死満塁の絶好機が到来。ここでスクイズという奇策が飛び出し、動揺した明豊の守備の乱れを誘って、塁上の走者が全員帰るというまさかの結果に。決定的ともいえる3点が入り、これで終わったと誰もが思いました。
しかし、魔物はまたも気まぐれを起こしました。計測不能なスローボールを投じる神村学園三番手の術中にはまり、あっさり二死を奪われこれまでかと思いきや、事態がまたも急展開を見せたのです。連打と四球で満塁の好機を作ると、ここで暴投により三塁走者が生還。なおも二、三塁の状況で、起死回生の同点打が飛び出しました。これで俄に浮き足立ったか、次打者の投ゴロをはじいて内野安打にしてしまい、さらにはストレートの四球で再び満塁です。目前にしていた勝利がいつの間にやら遠ざかり、押し出しでサヨナラという悲劇的な結末さえ浮かんでくる、絶体絶命の危機を迎えました。完全にコントロールを失い、次打者にもボールを三つ続けた後、二球続けてストライクが投じられた瞬間、球場の熱気は最高潮に到達。切り抜けるか、押し出しで終戦かという紙一重の状況で投じられた一球は無情にも外れ、熱戦に終止符が打たれるという結末です。これほどまでに劇的な展開が、一大会に果たして何度あるのでしょうか。足を運んだ甲斐はあったと実感できる熱戦でした。
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灼熱の近畿を行く 2017 - 右翼席

2017-08-18 14:35:32 | 野球
第二試合が終わったところで、左翼席の照明塔の下にも日射しが回ってきました。二時頃までは行けるというのが先達の弁ではありますが、どのみち第三試合の終了までは持ちません。潮時と見て席を立ち、右翼席に移ってきました。
去年は右翼席に回ったものの日陰になる席がなく、駅前のイオンでしばらく時間をやり過ごしましたが、そのときは優勝候補の一角だった履正社の初戦で、相当数の観衆だったという事情があります。今回はそこまでの大事には至らず、ファウルラインの内側の最上段に、広告の陰になる位置をどうにか確保しました。
着席した時点では、首から上に日が当たっていたものの、方角と時刻からして、いずれ日陰になるのは明らかでした。その狙いは的中し、開始直後に全身が日陰に入りました。時間が経つにつれてこの陰が下段の方に延びていき、どの位置でもお好み次第となりますが、当面はここで第三試合を見届けます。
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灼熱の近畿を行く 2017 - 最後の砦

2017-08-18 13:20:38 | 野球
第二試合が先程終わりました。三本松が5対2で二松学舎大付を下しました。序盤から両軍走者を出しながらも決め手を欠くという展開の中、三本松の主戦が尻上がりに調子を上げると、二松学舎大付は次第に苦しくなっていきました。中盤に2点、最終回にはとどめの3点を奪われ、その裏にようやく奮起し2死から2点を返すも、時既に遅しという結末です。
地方大会決勝10連敗という不滅の記録に加え、自宅の最寄りの高校という縁もあって、二松学舎大付に対する思い入れがある一方、三本松が破れた時点で公立校は姿を消します。これは、公立校が選手権を一度も制することなく平成20年代が終わることを意味するわけであり、日頃から公立校を依怙贔屓する立場としては、どちらが勝つにしても複雑な心境でした。ともかくこれで最後の砦は残ったことになります。試合後の抽選により、明後日の準々決勝では第一試合を戦うことが決まりました。健闘を祈ります…
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灼熱の近畿を行く 2017 - 左翼席

2017-08-18 10:44:17 | 野球
曇っていた空が静岡で晴れ、あとは回復する方向かと思いきや、名古屋ではかなりの雨が降っており、京都を出ても依然として雨模様でした。しかし、速報によると既に試合は始まっています。小雨決行かと思ったのも束の間、新大阪の直前で雨が止み、次第に日が射してきました。
電車を乗り継ぎ甲子園に乗り込み、内野席が早々と売り切れているのを遠巻きに確認。こうなるともう慌てても仕方がありません。まずイオンのロッカーに不要な荷物を預け、氷を2kg買い込んでから球場に入り、外野席には余裕があるのを一応確かめました。しかる後にカレーを手早くかき込んで左翼席に上がると、両軍それぞれ4安打、1対1の同点で8回裏の攻撃中だったという経過です。着いて早々訪れた1死満塁の危機を天理が切り抜け、その後も両軍一歩も譲らぬ投手戦が繰り広げられた後、11回表に待望の適時打を放った天理が、1点差を守りきって神戸国際大付を下し、8強1番乗りを果たしました。
終盤に駆けつけられれば御の字と思っていた第一試合ですが、いきなり手に汗握る好試合となったのは思わぬ収穫です。老若男女誰もが知る陽気な曲を中心にした、一風変わった天理の応援も印象的でした。

終日観戦することを考えると、傘のある内野の特別自由席がよかろうと思っていたところが、上記の通り九時過ぎに早々と売り切れる誤算もあって、去年に続き左翼席からの観戦となります。しかし、照明灯の脇、背後に大きな看板があり、隙間から浜風が吹き込んでくる特等席で、右翼席の彼方には六甲の山々と夏空を見渡せるなど、こちらもあながち悪くはありません。少なくとも第二試合が終わるまで、この周辺が日陰になるのは分かっています。問題なのは、日陰がなくなる第三試合をどうやり過ごすかですが、当面は二松学舎大付が登場する第二試合に集中します。
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灼熱の近畿を行く 2017 - のぞみ151号

2017-08-18 06:39:58 | 関東
おはようございます。例によって始発の一本後の臨時列車で旅立ちました。夏休みということもあり、本日は新大阪止まりではなく博多までの延長運転となります。しかし平日の恩恵もあり、二列席の窓側がほぼ埋まる一方、三列席は大半が空席です。車窓には多くを期待できない曇り空ということもあり、新横浜を出たところで空いた三列席に移りました。
現地でも今のところ降雨はなく、午後から晴れて32度まで上がり、明日、明後日も晴れると予想されています。連日35度を超えていた去年よりましとはいえ、暑さとの戦いになるのは間違いなさそうです。

★東京606/のぞみ151(7151A)/833新大阪
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