二軒目は中洲に河岸を替えます。訪ねるのは人形小路の「一富」です。
こちらも教祖の古い著作にひっそり登場し、「居酒屋味酒覧」には掲載されていない隠れた名店でした。「でした」というのは、昨年グルメ番組で取り上げられた途端、予約のとれない人気店に一変してしまったからで、前回は敬遠せざるを得ませんでした。しかし一年経てば多少なりとも落ち着くだろうという期待もあり、お客が一巡しそうな遅い時間を見計らって乗り込んだ次第です。
結論から申しますと、予想通りというかなんというか、かなり俗化してしまったのが現実ではあります。まず店先に立つやいなや聞こえてきた大声で、かなりの賑わいなのは容易に想像できました。それでも意を決して暖簾をくぐると、カウンターの角に二つだけ空席ができており、片付けが済むのを待って着席。混んでいるのもさることながら、日頃通っている店とは客層が明らかに違います。有り体にいうなら、古い酒場で呑むなどという習慣を持たない人々が、評判を聞きつけてやってきたかのようなのです。教祖の著作に載ったからといって、雰囲気がここまで一変することはないような気がします。これがTVの影響力なのでしょう。
これでは店主一人で仕切れるはずもなく、今日は女将と思しきおばちゃんが加わっています。時間が経つにつれて店内も落ち着いてきたとはいえ、後から入ったお客の注文もあり、店主は終始忙しそうです。唯一救いだったのは、慌ただしく立ち回る中でも、いつぶりかとの一言が店主から咄嗟に発せられたことでした。要はこちらの顔を何となく覚えていたということでもあります。
一昨年の聖夜、先客一人の状況で、軽妙洒脱な店主相手に酒を酌んだのはよき思い出です。今夜の状況を見る限り、そのような古きよき時代が戻ってくるかどうかは微妙ながら、予約満席という一時の盛況から、飛び込みでどうにか入れる程度にまで落ち着いたことを考えると、時間が経てばさらに落ち着くのではないかという期待もあります。次回博多を訪ねるときにも、この店を遅い時間にのぞいてみるつもりです。
★一富
福岡市博多区中洲4-1-193
092-281-5120
1800PM-100AM
日祝日定休
酒二合
突き出し(なまこ酢)
鰺ごま
こちらも教祖の古い著作にひっそり登場し、「居酒屋味酒覧」には掲載されていない隠れた名店でした。「でした」というのは、昨年グルメ番組で取り上げられた途端、予約のとれない人気店に一変してしまったからで、前回は敬遠せざるを得ませんでした。しかし一年経てば多少なりとも落ち着くだろうという期待もあり、お客が一巡しそうな遅い時間を見計らって乗り込んだ次第です。
結論から申しますと、予想通りというかなんというか、かなり俗化してしまったのが現実ではあります。まず店先に立つやいなや聞こえてきた大声で、かなりの賑わいなのは容易に想像できました。それでも意を決して暖簾をくぐると、カウンターの角に二つだけ空席ができており、片付けが済むのを待って着席。混んでいるのもさることながら、日頃通っている店とは客層が明らかに違います。有り体にいうなら、古い酒場で呑むなどという習慣を持たない人々が、評判を聞きつけてやってきたかのようなのです。教祖の著作に載ったからといって、雰囲気がここまで一変することはないような気がします。これがTVの影響力なのでしょう。
これでは店主一人で仕切れるはずもなく、今日は女将と思しきおばちゃんが加わっています。時間が経つにつれて店内も落ち着いてきたとはいえ、後から入ったお客の注文もあり、店主は終始忙しそうです。唯一救いだったのは、慌ただしく立ち回る中でも、いつぶりかとの一言が店主から咄嗟に発せられたことでした。要はこちらの顔を何となく覚えていたということでもあります。
一昨年の聖夜、先客一人の状況で、軽妙洒脱な店主相手に酒を酌んだのはよき思い出です。今夜の状況を見る限り、そのような古きよき時代が戻ってくるかどうかは微妙ながら、予約満席という一時の盛況から、飛び込みでどうにか入れる程度にまで落ち着いたことを考えると、時間が経てばさらに落ち着くのではないかという期待もあります。次回博多を訪ねるときにも、この店を遅い時間にのぞいてみるつもりです。
★一富
福岡市博多区中洲4-1-193
092-281-5120
1800PM-100AM
日祝日定休
酒二合
突き出し(なまこ酢)
鰺ごま