日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 21:19:53 | 晩酌
先週末の上陸以来、毎日当たり前のように繰り返してきたささやかな晩酌も、いよいよこれが最後となりました。音威子府のセイコーマートで買い求めた酒と肴を、道内最後の晩餐の献立とします。
かつては要衝として賑わった音威子府も、今や鉄道の衰退とともに、すっかり寂れた道北の小さな町となった感があります。実際のところ、市街は昨日泊まった枝幸よりも、その前日に買い出しした佐呂間よりもささやかで、同じく要衝だった中湧別、興部などにも一歩譲ります。そのような町だけに、調達手段はセイコーマートに自ずと限られました。買い出しの便を考えるなら、音威子府と名寄では比較にならないほどの差があったのです。
それにもかかわらず音威子府で買い出しを済ませたのは、天塩川温泉のキャンプ場を選択肢に入れていたからです。しかしそれだけではありません。道中散々世話になってきた以上、最後の最後も特別なことはせず、いつも通りに締めくくりたいという心情があったのです。かような観点から、最後を飾る献立は、道中何度も選んだ、自身とりわけ愛用してきたものを中心に選びました。セイコーマートへの感謝を込めて、乾杯…

サッポロクラシック
北のポテトサラダ
海老しゅうまい
豚串
大あげ
味付けラムジンギスカン・もやし
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 20:05:32 | 北海道
その後275号線から40号線に入って南下しキャンプ場に到着。昨日よりもかなり手早く設営を済ませました。ただし、先ほど申した名寄のキャンプ場ではありません。道中最後の泊地となるのは「天塩川温泉リバーサイドキャンプ場」です。
本日の宿として名寄を考えていたのは、買い出しの便と明日の移動を考えた上でのことでした。道内最後の夜を飾るなら、初見の場所より勝手の分かった場所がいいという考えもあってのことです。ただし、名寄に移動してから設営を済ませ、さらに買い出ししてキャンプ場に戻るとなると、時間的には相当遅くなってしまいます。そこで、名寄への経路上にあるこのキャンプ場を下見し、気に入ればそのまま泊まるという前提で、先ほど音威子府で買い出しを済ませました。そしていざ現地に乗り込んだ結果、予想以上の秀逸さで即決した次第です。
場所は国道から1kmほど離れた温泉施設の裏手、駐車場から一段上がった芝地です。少し離れた場所に街灯こそあるものの、サイトはランタンなしには歩けないほど暗く静まり返っています。その暗闇の中には、ざっと両手に余るほどのテントがあって、その脇で旅人たちがランタンを焚きつつキャンプをしているという雰囲気がまず秀逸です。しかも、見上げた空はすっかり晴れて星空になっており、風も一切ありません。ここでキャンプをしない手はないでしょう。
敏音知を出た頃から気温は急に下がって現在11度、明日の朝には10度を切るかもしれません。しかし、風がない分体感温度は昨夜よりもむしろ上です。茂みからは、オホーツクで聞いたのとは違う、道央と同じ虫の声が、場所柄やや控えめながらも聞こえてきます。そんな中、ランタンをを灯して晩酌ができれば、まさに有終の美というものでしょう。天候については負けたと先刻申しましたが、どうやら前言を撤回する必要がありそうです。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 18:28:31 | 温泉
日没とともに昼の部は終了です。しかし、温泉、買い出し、設営、それに道内最後の晩酌と、まだまだ仕事は残っています。渡りに船の温泉が駅の向かいにあったため、こちらで一風呂浴びてから移動します。立ち寄るのはその名も「ピンネシリ温泉」です。
温泉といいながらその正体は冷鉱泉ではありますが、昨日の枝幸の温泉と同様、手早く入れるところに価値があります。日が暮れたところに温泉があるという、北海道における経験則には、今回も例外がありませんでした。

ピンネシリ温泉
枝幸郡中頓別町敏音知143-2
01634-7-8111
1030AM-2100PM
第二・第四月曜定休(祝日の場合翌日休業)
入浴料500円
泉質 ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(中性低張性冷鉱泉)
泉温 4.6度
pH 7.0
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 17:44:45 | 北海道
その後往生際悪く駅と橋梁の跡をいくつか拾い、道の駅となった敏音知に着いたところで完全に時間切れです。今更ながら西の空が晴れてきました。道内最終日こそ晴れてくれればよいのですが。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 16:30:02 | 北海道
さて、なまじ北上したのがたたって時間が押し、これから脇目も振らずに走っても、日没間際に日本海へ到達できるのがせいぜいという情勢になりました。しかも空はどんより曇ってもう撮影にはなりません。不本意ながら、本日の昼の部はこれにて事実上の打ち止めとなります。短時間とはいえ晴れ間があったという点で、負けに近い引き分けと言えなくはないものの、今日については潔く負けを認めてもよさそうです。
しかし、仮にまっすぐ日本海に西進するか、道央方面へ南下したとしても、今日通ってきた場所より多少天気がよかったというだけで、序盤のような秋晴れではなかったようです。どこへ行っても勝ちはなかったのであれば、昨日を引き分けに持ち込んだだけでも、オホーツクを北上してきた甲斐はあったといえるでしょう。毎日曇りか雨という天気予報の間を縫って、それなりに乗り切って来られたことに感謝したいと思います。

これにより、日本海に出るという選択がなくなったため、今日はこのまま旧天北線から宗谷本線沿線に南下します。旭川まで南下し、「独酌三四郎」で道内最後の夜を飾るにやぶさかではないものの、あいにく三連休に重なって、今夜は全く宿がありません。それ以前に、今回の旅の主題はキャンプにありました。去年泊まった名寄のキャンプ場が秀逸だったため、ここで道内最後の夜を過ごそうかと考えています。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 16:15:07 | 北海道
続いては旧中頓別駅に立ち寄ります。かつての駅は、吹き抜けの巨大な三角屋根をファサードにした、山小屋風の瀟洒なバスターミナルとなりました。その玄関は百花繚乱の鉢植えで彩られ、館内も上質な天然木で造られるなど、北見枝幸、浜頓別といった近隣の味気ないバスターミナルとは全く異なる趣です。
吹き抜け部分には明かり取りの窓とロフトが設えられ、そのロフトにはささやかながらも天北線の資料が展示されています。窓口には今なお係員が常駐するなど、地元の人々により大切にされていることが一目瞭然。建屋のそばに置かれたキハ22も、駅前にカーブを描いて突き当たる停車場線の雰囲気も秀逸です。廃止から四半世紀を経て、代替バスも年々本数を減らし、今では一日四往復のバスが発着するに過ぎないターミナルですが、この雰囲気だけは末長く受け継がれてほしいと願わずにはいられません。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 15:44:02 | 北海道
沿道の公園に49648号機が。それも、渚滑の69644号機をも上回る良好な保存状態です。傍にあるナナカマドの木がよい点景になっています。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 15:12:23 | 北海道
国道275号線に合流した地点で現れるのが、旧天北線の下頓別駅です。駅名標が残るホームの脇には、駅の現役当時から佇んでいたであろう大きな柳の木が揺れており、国道に一つだけある信号機も駅跡の存在を物語っています。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 14:42:43 | 北海道
豊牛駅に寄ったところで北上は打ち止めとし、浜頓別の町を短絡して内陸に入ります。というのも、神威岬のあたりから空が曇ってしまい、これ以上北上する意味がなくなってしまったのです。何とも半端な場所ではありますが、北緯45度線を越え、出発から1400kmというある程度切りのよい地点でもあるためこれでよしとします。
日本海までの距離はざっと100km弱といったところでしょうか。まっすぐ走っても二時間はかかる距離です。走るにつれてこの雲が晴れてくれれば、夕日を拝むことはできるかもしれません。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 14:18:18 | 北海道
神威岬が万人受けする遺構だったのに対し、汽車好きに受けるのが斜内駅です。昨年訪ねた中名寄、滝ノ下、下渚滑などと同様のユニット型駅舎が残っており、隣の豊牛駅についても同様です。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 13:46:59 | 北海道
興浜北線はもとより、オホーツク沿岸でも屈指の名撮影地として知られた神威岬に立ち寄ります。浜頓別と枝幸を隔てる岬が東へ大きく突き出し、先端には岩山が屹立し、その崖下にへばりつくようにして灯台が立ち、灯台の下を線路が急曲線で通過するというのが、その昔ここで見られた光景です。小高い岩場から、灯台を回り込む列車を見下ろすように写した絵柄が特に有名で、誰が撮っても絵になる撮影地の典型でした。線路こそなくなったものの、特徴ある地形はもちろんのこと、山肌にへばりついて岬を回る線形は遠目にも見分けることができ、今なお線内最大の見せ場となっています。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 12:44:06 | 北海道
枝幸の隣の問牧市街を通過しようとするところで、北緯45度国際広場の案内看板が。旧道沿いの市街に入ると、そこにあったのは、ざっと二階ほどの高さがある木製のモニュメント、それにテーブル付きのベンチと水飲み場があるだけの、「国際」とは名ばかりの広場でした。これでは当然ながら訪れる人の姿もありません。しかし、小学校があるだけの小さな集落には、このささやかさがむしろ似合っています。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 11:58:15 | 北海道
天候がさらに回復して日が差してきたため、昨晩世話になった千畳岩に戻ってきました。昨晩ただ一人のライダーだった原付の旅人がまだ滞在しており、気の早いチャリダーがこの時間から設営を始めています。
風がほぼなくなったところへ日が差してきたため、体感温度は大きく上がり、先ほど半袖に着替えました。しかし気温は昨夜と同じ15度。にわかには信じ難い話です。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 11:36:42 | 北海道
昨日通った国道のバイパスが、かつての線路を跨線橋で越えており、欄干には昭和56年10月完成の銘板が。この跨線橋が役割を果たしたのは、昭和60年6月の廃止までわずか四年弱だったことになります。既に廃止が検討されていた、一日六往復の超ローカル線のために、これほど長い跨線橋を造ったのですから、今から思えばおおらかな時代だったのでしょう。
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色づく秋の北国へ 2014九日目

2014-09-13 11:06:24 | 北海道
前言をやすやすと撤回し、再び北上を開始します。早い話、空が次第に明るくなってきたのです。前回走ったときは清々しい快晴だったため、そのときに比べれば元も子もないものの、その前回とは六年前であり、天候がこの程度なら再訪の価値はあると判断しました。とりあえず興浜北線の跡をたどって浜頓別まで走り、後のことは着いてから考えます。
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