日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 22:06:07 | 居酒屋
数自慢は好みませんが、blog開設以来弘前に何泊したのか、自分でも正確には数えられなくなっています。それだけ泊まると、日が暮れて投宿してから呑み屋に入るまでの流れが、無意識のうちに確立されてくるという現象が起こります。会津などはその好例でしょう。到着するや否や、とるものもとりあえず呑み屋街に走った昨日に対して、本日は適度な時間に到着し、宿で一息入れてから悠然と外に出るという、まことに理想的な時間配分となりました。満を持して訪ねるのは毎度おなじみ「はすや」です。

弘前に来てこの店に寄らなかったのは、休業で振られたのが一回、夜桜見物で時間が押し、看板で振られたのが二回ほどだと記憶しています。逆にいえば、それ以外は必ずここで一献傾けているわけです。それほど足繁く通ったこの店ではありますが、繰り返す通り秋に来たことは一度もありません。それだけに、見慣れた品書きがどれだけ様変わりするかに興味があり、それが今回津軽を訪ねた理由の一つでもあります。
しかして品書きを一瞥するに、前面に押し出された秋刀魚の文字に季節感がありありとうかがわれます。縦書二段組の品書きの右上、すなわち一番目立つ場所には刺身、塩焼、肝友焼、梅肉揚の文字が並んで、ホワイトボードのご飯ものには叩き丼の文字も。それに加えて見逃せないのが、初夏から秋まで出荷される、ご当地名産の嶽きみです。この時期に訪ねてよかったと、いきなり実感させられました。
秋刀魚と並ぶこの時期の主役といえば、一夏越して蔵出しされたひやおろしでしょう。地元豊盃の「あきあがり」があったため、一杯目には瞬時の迷いもなくこれを選択。生しらす、かいわれ、刻み海苔をうずらの黄味で和えたお通しでこれを受け、八点の豪勢な、しかし千円ぽっきりの刺盛り、これもこの時期らしい鰹と続けた後、満を持して嶽きみのかき揚げを投入。腹が八分目まで満ちたところで、真打ちの秋刀魚塩焼を所望します。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM(日曜定休)

豊盃・六根・華一風
お通し
刺盛り
カツオのみょうが味噌
嶽きみと海老かき揚
さんま塩焼
とろろめし
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 21:28:25 | 東北
おおむね想定通りの時間で弘前までの道を走り通し、只今投宿して一息つきました。本日の走行距離は200km弱でした。北海道では一日平均140kmだったわけで、内地に戻ってからの方が走っているという事実は意外です。もっとも、日が暮れてからの移動が200kmのうちかなりの部分を占めており、日没時点で考えれば100kmそこそこでした。そう考えると北海道にいた頃とほぼ同じともいえます。自身にとって適度な走行距離というものが、ようやくつかめてきたようです。
気温は八甲田の山麓で10度を切り、北海道でも一度として体験しなかった8.5度まで下がりました。平野に出て再び上がったものの、現在のところ14度です。北海道を旅したときから一週間経ったことを割り引いても、北東北の寒さもかなりのものだというのが実感です。北国の秋は次第に深まってきました。

それにしても、黒石市街が近付いて、津軽平野の明かりが視界に入ったとき、「戻ってきた」という感慨が一気に押し寄せてきました。「やってきた」というより「戻ってきた」と実感するのは、何度も旅したなじみの深さによるところが一つ。もう一つは、北海道からの帰り道という事情によるのでしょう。十日にわたり北海道に滞在し、今日もやや内地離れした南部地方を旅してから、いかにも日本の原風景とでもいうべき津軽平野が見えてきたとき、無性に懐かしさを感じたということです。夜が明けたとき、どんな眺めが広がっているかが楽しみです。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 19:34:19 | 東北
出発からの走行距離が2000kmを超えたところで七戸市街に入りました。現在の気温は14度。北海道を旅した間も、この時間に15度を切っていたのはオホーツク、道北などの寒冷地だけでした。これから標高を上げるにつれて、どこまで冷えるかが気になります。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 19:01:32 | 東北
風呂から上がったところで移動を再開します。394号線で八甲田の山麓を通り、黒石で津軽平野に出ます。去年走った経験からして、地図で見るほど遠くないのは織り込み済みです。居酒屋で一献傾けるには適度な時間に着くでしょう。
ちなみに、野辺地の方で季節外れの花火が上がっています。しかし、人混みはもとより好きではないため、ここから遠巻きに眺めるだけにしておきましょう。これが今年最後の花火になるかもしれません。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 18:22:52 | 温泉
数が多いだけでなく、泉質も雰囲気も秀逸なのが青森の温泉だと先ほど申しました。この点、当地には見た目からしてただならぬ温泉があります。その「八甲温泉」を本日のニ湯目とします。
何がそこまで秀逸かといえば、ドライブインと旅館を併設した怪しげな佇まいとでもいえばよいでしょうか。昭和40年代から何一つ変わっていないであろう、看板建築の古びたドライブインを敷地の奥に配置し、その手前にはこれまた昔ながらの商人宿が、道路沿いには小屋根を乗せた切妻金属屋根の温泉が建つという構成です。去年の初夏に通りがかって、一瞬釘付けになりながらも、そのときは時間が噛み合わずに素通りしたのでした。今回は二年越しの宿願達成となります。
館内は年季に応じた味わいを放っている、というより、安普請の建物がくたびれてきたというのが実態ではあります。しかし、立ったままでも腰まで浸かるL字型の深い浴槽には、褐色をした滑らかな源泉が滔々と掛け流され、細かいタイルの淵から溢れて床を伝います。この温泉が200円なのですから大したものです。

★八甲温泉
上北郡東北町上野字北谷地39-186
0176-56-2364
600AM-2200PM
入浴料200円
泉質 単純温泉(緩和性低張性高温泉)
泉温 45度
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 17:58:03 | 東北
本日もEOS-1D Xの高感度性能を存分に発揮し、光量の限界まで粘って昼の部を終えました。あとは一風呂浴びて弘前へ向かいます。
これが北海道なら、一風呂浴びて買い出ししてキャンプというところでした。実は、小川原湖にもキャンプ場はあり、しかも温泉は選び放題、買い出しには好適な上北町のユニバースが至近です。気温は適度で風もないというこの上ないキャンプ日和に、わざわざ宿代を払って宿泊するのがもったいなく思えてきます。
それにもかかわらず、昨夜に続いて宿泊を選択したのは、秋の津軽の酒と肴がいかなるものか、一度体験しておきたいという理由によります。加えて、ひやおろしが蔵出しされる、一年中で最も酒がうまい時期という事情もあってのことです。今回は毎晩投宿して居酒屋に入るつもりなので、宿代も呑み代もかなりの出費になりそうです。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 16:50:47 | 東北
その後下り列車の撮影地を求めて移動し、上北町の先で真横から列車を撮れるおあつらえ向きの畦道を発見したものの、惜しくも四時過ぎから空が再び曇ってしまい、結果としては空振りに終わりました。現在小川原の高架橋に戻り、天候回復に一縷の望みをかけています。
晴れるかどうかにかかわらず、五時過ぎの貨物で列車撮影は打ち止めとし、あとは小川原湖のほとりで夕景を眺め、一風呂浴びてから弘前へ移動するといった流れになるでしょう。あと10km少々で出発から2000kmに到達します。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 15:22:34 | 東北
僥倖です。風呂から上がって腹ごしらえを済ませると、図ったように空が晴れるという理想的な展開になってきました。来た道を少々引き返したところ、その道では知られた小川原のラーメン橋と稲穂を写せる場所を発見し、先ほど上りの貨物列車を狙い通りに仕留めたところです。
この後四時過ぎに下りの貨物列車が通過するため、今度は下り線が撮れる場所を探して移動します。五時過ぎに来る上りの貨物列車は、ここに戻って待ち構えるのも一案でしょう。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 14:18:30 | B級グルメ
朝食から間が空き空腹感が出てきたところで、渡りに船の弁当が売られていたため、こちらを本日のお昼とします。温泉の受付に弁当という唐突さにつられたのもさることながら、赤魚の粕漬け、唐揚げ、春巻き、蟹玉に付け合わせと、350円とは思えない充実ぶりも決め手になりました。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 13:33:09 | 温泉
青森の旅における楽しみといえば、どこへ行っても温泉には事欠かないことです。本日も沿道に頃良く温泉が現れたため、天気待ちを兼ねて一風呂浴びて行きます。立ち寄るのは「水明温泉」です。
場所は駅近くの県道沿い、佇まいはいかにも青森らしい、飾り気のない民宿兼日帰り温泉です。別棟の浴場は、入って正面に正方形の大きな窓を、それに寄せる形で同じく正方形の浴槽を二つ設え、左がぬる湯、右があつ湯という構成。それに加えて、鬱蒼とした杉木立を望む露天風呂が。その浴槽に掛け流されるのは、やや褐色を帯びた滑らかな源泉です。北海道の温泉も悪くはなかったものの、数、泉質、雰囲気の全てを兼ね備えているという点において、青森の温泉は全国一と改めて思います。

ちなみに、中庭には大分嗄れながらも紫陽花が咲いています。去年最後に紫陽花を眺めたのは、10月上旬の北海道でした。年内にこれより北へ行く予定はなく、どうやらこれが今年の見納めとなりそうです。

水明温泉
上北郡東北町大字上野字山添56-4
0176-56-5083
600AM-2200PM
入浴料250円
泉質 アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
泉温 46.4度
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 13:15:55 | 東北
上北町まで北上すると、お待ちかねの稲穂が目の前に広がってきました。彼方に八甲田も望めるよい眺めです。すぐそばでは今まさに稲刈りが始まったところで、数日すればこの光景も一変するでしょう。それだけに、つい先ほどから曇りがちになってしまったのが惜しまれます。とはいえ、上空こそ雲に覆われてはいるものの、彼方の至る所に青空が広がっていることからして、あくまで一時的な現象ではあるのでしょう。晴れるのを待つもよし、青空の方角へ向かって行くもよしといったところです。
ちなみに、気温は急に下がって現在17度。日が陰ったのと、海に近付いたので余計に下がったのでしょうか。いずれにしても、まだ蝉が鳴く関東とは全くの別世界です。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 12:35:58 | 東北
同じく定点観測で、十和田観光電鉄の旧七百駅に立ち寄ります。駅舎とホームと車庫は、去年訪ねたときから何一つ変わることなく健在ながら、構内で雨ざらしになっていた車両が一両残らず姿を消していました。大井川鉄道に行ったという話を小耳に挟んではいたものの、使える車両だけだろうと思っていただけに、残らず姿を消したのは意外でした。何にしても、新しい職場が見つかったのはよいことです。
ちなみに現在の気温は22度、エアコンを入れずに窓を開けて走ると心地よいのは、北海道にいた頃と同じです。それに加えて、茂みからは道央で最もよく耳にしていた、関東では聞けない虫の声が。地形になだらかな起伏があること、針葉樹林が多いことを含めて、北海道の旅を彷彿させる展開です。しかし、津軽に入るとこの眺めも大きく変わってくるでしょう。それもまた楽しみではあります。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 11:42:28 | 東北
八戸市街を出て本格的な移動を開始します。まずは定点観測で陸奥市川駅にやってきました。
正面からホーム側へ一直線に屋根が降りるという出で立ちと、先日訪ねた函館本線の光珠内にどこか似ている、しかしこの駅独特の、上屋を兼ねたホーム側の造りは毎度のことながら秀逸。それに加えて雰囲気がこれまたよいのです。見上げるような樅の木の下に駅舎が建ち、きれいに掃き清めた待合室にはささやかな文庫が置かれ、開け放った扉からさわやかな秋風が吹き込んできます。いつ訪ねても小一時間滞在したくなる駅の一つです。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 10:54:24 | 東北
さらに東へ移動し八戸線の鮫駅を訪ねます。一度聞いたら忘れられない個性的な駅名もさることながら、今なお残る木造駅舎を再訪するのが目的です。
古い駅舎は維持費をかけずに建て替えるというJR東日本の無思慮な政綱により、八戸線の木造駅舎もことごとく取り壊され、国鉄時代からの駅舎らしい駅舎も、ここと階上だけになってしまいました。有人駅は多少なりとも安泰という傾向こそあるものの、それとて決して楽観はできません。天気がよいこともあり、デジタルで記録しておくなら今しかないと思い立ちました。
記憶が確かなら、かれこれ十年ぶりの再訪となるこちらの駅ですが、切妻の木造駅舎は最近改装されたか、眩しいばかりに白く輝いていました。これは取りも直さず、この駅が当分現役を続けるということでもあります。健在ぶりを確かめられたのは幸いでした。
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色づく秋の北国へ 2014Part2 二日目

2014-09-20 10:16:17 | B級グルメ
西へ向かうと言いながら、まずは正反対の東へ移動してきました。目当ては漁港の食堂です。ワシントンホテルの朝食バイキングを選ぶにもやぶさかではなかったものの、四日前フェリーを降りたときに立ち寄ったにもかかわらず、開店前で断念せざるを得なかったのが心残りだったという次第です。注文したのは日替刺身定食800円也。鰹、イナダ、中落ち、帆立の四品に、長芋とオクラの小鉢を添えるところに土地柄が現れています。

みなと食堂
八戸市大字湊町字久保45-1
0178-35-2295
600AM-1500PM(日曜定休)
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