日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国四国縦断ツアー2013 三日目

2013-09-16 22:27:28 | 中国
岡山に着きました。この時間なら「サンライズ」で帰るのも一興というところ、あいにく台風の影響で運休となってしまったため、今日はこのまま岡山に泊まり、明日の始発の新幹線で帰路につきます。

岡山といえば今や政令指定都市にも列せられた東中国最大の街ですが、自分自身この岡山には全くといっていいほど縁がありません。blogの記録を繙いても、過去五年間で岡山市に立ち寄ったのは四国または広島までの行き帰りだけです。それも、乗り継ぎの合間に記念撮影しただけといったおざなりものでした。つまり、岐阜、山口などと同様、無理矢理「立ち寄ったことにしている」といっても過言ではありません。遠い過去を振り返っても、最後に岡山で泊まったのは六年前が最後で、それも幹線道路沿いの健康ランドで仮眠しただけです。半日一日単位で腰を据えて滞在した経験ということになると、記憶する限りでは十年以上も遡ります。

もちろん、岡山には城に後楽園など全国に知られた見所があり、行政機関以外に何もない山口などとは別格の存在です。それにもかかわらず素通りを繰り返してきたのは、「悪くはないが、周辺の都市に比べて地味」という理由によります。
岡山まで来たなら四国はすぐそこ、広島も新幹線でわずか30分少々です。そうすると、岡山で足踏みするより先を目指したくなるとでも申しましょうか。たとえばB級グルメなら、香川にはうどん、広島にはお好み焼きという不動の王者が君臨するのに対し、岡山の「デミカツ丼」は近年の流行に乗せられている感が否めません。酒場で呑むなら、四国には全国屈指の居酒屋天国高知があり、西日本随一の酒どころである広島の充実ぶりもかなりのもので、岡山はどうしても見劣りします。前橋の温泉、鳥取と佐賀の酒屋など、せめて駅前に定番の立ち寄り場所があれば、どんなに地味な街でも楽しみが出てくるところ、岡山ではそのような場所にもいまだに出会っていません。その結果、岡山には乗り継ぎの合間に短時間滞在するだけとなって久しくなりました。
これとよく似ているのが熊本です。岡山と同じく城と路面電車があり、太平燕、球磨焼酎、馬刺しに辛子蓮根、さらにはヒライの弁当など名物もそれなりにあります。ところが、そう遠くないところに福岡と鹿児島があるばかりに、これらの影に隠れてどこか地味な感じがしてしまうのです。つい最近政令指定都市になったところまで似ています。

そんな岡山で、図らずも一夜を明かす機会がやってきました。深夜に着いて早朝に出るというお粗末さではありますが、行きずりの酒場で軽く一杯傾けられれば、例年に比べてはるかにましということはできるでしょう。もちろん、三連休の最終日の十時過ぎという状況で、多くを期待しているわけではありません。そこそこの酒場を一軒見つけられれば上出来と割り切って、とりあえず市街を歩いてみます。
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中国四国縦断ツアー2013 三日目

2013-09-16 19:57:14 | 四国
岡山行の列車に乗り込み、丸一日滞在した高知を後にします。結局、上りの新幹線は最大でも一時間少々の遅れで走っているようです。こんなことなら早まってキャンセルする必要はなかったのかもしれません。しかし、帰りを延ばしたおかげで高知の呑み屋にもう一軒寄ることができたのですから、結果としてはこれでよかったのではないでしょうか。二日にわたって六軒の酒場をはしごし、清々しい秋晴れにも恵まれ、短いながらも充実感が残る今年の高知でした。また来年…

★高知1934/南風28(58D)/2157岡山
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中国四国縦断ツアー2013 三日目

2013-09-16 19:17:52 | 四国
宿に預けていた荷物を引き取り駅へ向かいます。昨晩世話になったのは「ツーリストイン高知」でした。駅と呑み屋街の中間に位置し、大浴場があり部屋もきれいで一泊五千円を切るという申し分のない宿で、このところ何度か続けて世話になっている定宿でもあります。
今回改めて気付いたのは、部屋が幾分狭めだということです。これは、細部の寸法をmm単位で詰めることにより最小限の面積で最大限の空間を生み出す、合理性を突き詰めた現代的なビジネスホテルということでもあります。自動精算機にカードキーを通してチェックインするところなどにも、合理化と低コスト化を追求する思想が現れているようです。言い換えると、快適ではあるものの特に感じ入るところもないということで、数ある高知の宿の中からこの宿を選び続ける必然性が果たしてあるのかと、一抹の疑問を感じないこともありません。
とはいえ、大理石を奢った広いロビーは、「ロビー」と呼ぶのもはばかられるスーパーホテルのそれとは大違いであり、フロントの対応も気持ちよく、少なくともこの宿に明確な難点を見出すことはできません。経済性、快適性といった次元を超える満足を、高知の宿にあえて求める動機もなく、当面はここが高知の定宿ということになりそうです。
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中国四国縦断ツアー 2013三日目

2013-09-16 16:22:27 | 旅日記
電車を乗り継ぎ終点の伊野までやってきました。ごくありふれた市街の区間はともかく、軒先をかすめるようにして狭い道を走る区間あり、国道の道端を行く区間もありといった具合に、郊外電車の雰囲気を色濃く残した車窓が秀逸でした。名鉄の600V区間なき今、いわゆるインターバンとしてはここが孤高の存在といってよいでしょう。
今から高知へ戻っても五時を大きく回り、東京行の最終列車に接続する特急には間に合わないため、本日中の帰宅はこれで消滅しました。市街へ戻れば、頃よく呑み屋が始まっているでしょう。最後に一献傾けてから岡山へ向かいます。
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中国四国縦断ツアー 2013三日目

2013-09-16 14:47:51 | 四国
さて、ここで大幅な予定変更があります。帰りを明日に延ばすことも視野に入れつつ、押さえておいた帰りの列車をキャンセルしました。
そもそもの原因は、台風の影響により新幹線が運転見合わせとなったことです。駅に乗り込んだ時点では、15時頃に運転再開との情報が入っており、それなら予定通りに帰るかとは思ったものの、ただでさえ混雑する連休最終日に、ダイヤが乱れるという状況を嫌いました。代わりに「サンライズ」を押さえられれば理想的ではありましたが、連休最終日という条件ではさすがに難しく、とりあえず帰りの列車だけキャンセルし、今後の状況次第で今日中に新幹線で帰るか、岡山に泊まって翌朝の始発列車で帰るかのいずれかを選ぶことになります。
後者の場合、宿代がもう一泊分かかり、翌朝も職場に直行しなければならない代わりに、夕方に高知でもう一度呑むことができます。高知が一泊限りでは足りないと思っていた折も折、この選択肢は魅力的です。
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中国四国縦断ツアー 2013三日目

2013-09-16 11:56:13 | 居酒屋
そのようなわけで早速「葉牡丹」にやってきました。カウンターは午前中にもかかわらず早くも五分以上の入りという盛況。もちろんその大半が独酌の中年男です。短冊の品書き、機能的なカウンター、五人組のおばちゃんの一糸乱れぬ連係、流れる演歌は絵に描いたような大衆酒場の情景で、常連客とおばちゃんらが歓談する光景にも土佐の気質が感じられます。
それはよいのですが、前夜飲み過ぎたのがたたったか、肴はともかく酒が入らず、徳利を一本空けるのが限界です。酒の代わりに「酒場放浪記」でも紹介されたオムライスをいただいて切り上げました。

葉牡丹
高知市堺町2-21
088-872-1330
1100AM-2300PM(無休)

司牡丹
たたき盛合せ
串フライ盛合せ
めひかり唐揚
オムライス
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中国四国縦断ツアー2013 三日目

2013-09-16 11:08:27 | 四国
おはようございます。その後千鳥足で宿へと戻り、先ほどようやく目覚めてとりあえず部屋だけ出たところです。
五時から始めて八時間を超える長丁場だったとはいえ、三軒目を出たあたりから目に見えて酔いが回り、最後の「ぼくさん」がとどめになりました。しかしながら、今回立ち寄れなかった名酒場が何軒もあることを考えると、高知の居酒屋文化を味わい尽くしたとは到底いえません。やはり、高知が年に一泊限りというのはあまりに少なすぎます。昨秋の鹿児島五連泊を高知で再現するのは難しいとしても、今後高知では連泊あるいは複数回の活動を組み立てる必要がありそうです。

さて、頃よく「葉牡丹」が開く時間になりました。ここで一献傾けてから岡山へ移動し、新幹線で帰路につくのが本日の予定です。「葉牡丹」で呑んだら早々に岡山へ向かうつもりでいたものの、昨日の悪天候が嘘のように一変し、清々しいばかりの秋晴れになったため、しばらく滞在するにもやぶさかではなくなってきました。岡山行の列車は一時間に一本出ており、新幹線の時刻からして四時過ぎまでは滞在できます。高知での滞在が延びればその分岡山での持ち時間が削られるわけなのですが、岡山ならば広島への行きがけなどに立ち寄ってもよく、今日行かなければならない必然性もありません。まずは時間の許す限りこの秋風に吹かれます。
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中国四国縦断ツアー2013 三日目

2013-09-16 00:12:31 | 居酒屋
日付が変わり、煌々と灯っていた呑み屋街の明かりもまばらになってきました。店の選択肢を考えても、こちらの体力からしてもこれが潮時でしょう。最後の一軒と決めて訪ねるのは「ぼくさん」です。
「一釣」のすぐそば、中央公園に面した広場の片隅で、はらたいらの線画を描いた看板に気付いたのは去年のことでした。地元では知られた日本酒バーと聞いて、高知の夜を締めくくるには好適と思い立ち、今回初めて二階の店舗に乗り込んだ次第です。
店内には五人掛けのカウンターとテーブルが少し。10人少々も入れば満席というささやかな店内を、働き盛りの店主が一人で仕切っています。ホワイトボードに記された高知の地酒は、店の収容力に見合った適正な数といったところでしょう。
驚いたのは、大きめの皿に何種も盛り合わされた豪勢な突き出しが出てきたことです。これを受けるには一杯ではとても足りず、おすすめの品を含めて四杯を飲み干す結果に。店主に御常連を交えて語らううちに、高知の夜は更けていきました。

ぼくさん
高知市帯屋町1-12-9
088-822-4535
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