日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い信濃路へ 2013

2013-02-23 07:52:07 | 甲信越
信州への旅は新宿駅から始まります。目当てはもちろん、往年の名曲に唄われた8時ちょうどのあずさ号です。要は去年の完全なる焼き直しに過ぎません。しかし、甲信越の国鉄近郊型電車に終焉の時が迫った今、この列車で旅立つのも今回が事実上の最後になります。あずさ号は残っても、松本で列車を降りたが最後、あとはロングシートの普通列車しか走っていないとなれば、来た道をそのまま引き返すしかありません。松本まで行って戻るだけなら車の方がよほど便利で、この列車に乗る理由はなくなってしまうわけです。今後甲信越を列車で旅する機会があるとすれば、来年金沢まで開通する北陸新幹線で素通りするときだけではないでしょうか。それとて一本道を行って戻るだけのつまらない旅になることを考えれば、ものの試しに一度乗って終わるのがせいぜいでしょう。奥多摩の山々と甲府盆地、南アルプスに八ヶ岳、さらには諏訪湖を望みながらの風光明媚な中央東線の旅も、もしかするとこれが今生の別れになるかもしれません。
車内放送では車掌が「8時ちょうど発」と繰り返しています。もの悲しいトレモロの旋律とともに、惜別の念が否応なしに高まってきました。

★新宿800/スーパーあずさ5(5M)/1038松本
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