日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

あれから五年経ちました

2013-02-04 23:34:41 | 旅日記
立春を迎えた今日は、このblogにとっても節目となる一日でした。わずか百字ほどの短い文から始まったこのblogが、開設から五年を迎えたのです。
その記事で「右も左も分からぬままの見切り発車」と申した通り、当時はblogというものが何物であるかもよく分かっておらず、旅と同様全くの気まぐれで始めたのが発端でした。ところがいざ蓋を開ければ、大半の期間で毎日更新に近いペースを保ち、五年間で六千以上の記事を残してきたのですから、我ながらよくやったものだというのが実感です。気まぐれで始めたのはfacebookも同じだというのに、あちらはものの一月も経たないうちに早々と飽きてしまい、今では完全に形骸化しています。mixiやtwitterにいたっては、手を出そうと考えたことすらありません。雨後の筍のように表れては消える「ソーシャルメディア」なるものの中で、blogだけがかくも長続きしたのは、それだけこの媒体が自分に合っていたからなのでしょう。

五年間一貫して浮草暮らしの日常を綴ってきたとはいえ、その流儀は時々で移り変わってきました。開設当初は、旅先から携帯電話を使って短文を投稿し、後から一記事に一枚ずつ画像を貼り付ける体裁だったのが、旅から旅の暮らしの中で画像の添付が追いつかなくなり、二年弱経ったところで文字だけのblogになったというのが最初の変化です。その副産物として、三年目の前半から文字による描写が次第に増えていきました。これはとりもなおさず、携帯電話では文字の入力に無理が出てくるということでもあります。ほどなくしてスマートフォンに乗り換えたもののさほど能率は上がらず、四年目の途中からはノートPCを導入し、投稿に携帯電話を使うこともほぼなくなって現在に至ります。
それでは、今はストレスなく入力できているかというと、必ずしもそうではありません。正確には、PCの導入によって入力の速度は格段に上がったものの、その一方で記述量がますます増えてしまい、更新に費やす時間は一向に短縮されないか、むしろ延びているのが現状です。中でも、顕著な変化が出ているのは酒場めぐりの記録です。この手のネタは語り出すと長くなりがちなこともあり、時間に追われる旅先では、後々清書することを前提にかなり端折った記述で済ませることが少なくありませんでした。しかし、旅から旅に明け暮れる毎日では、「後々」といってもいつになるやら見当もつかず、結果的に中途半端な記録のままうやむやになるのが常でした。このような経緯から、最近では多少の時間をかけてもその場その場で更新するという方針に転換した次第なのです。
もちろん、旅の記録としてこのblogがあるのであって、blogのネタ作りのために旅をしているわけではない以上、更新に時間をかけすぎるのは考えものです。しかし、おざなりな記録では結果として印象も希薄になりがちなのに対して、事細かに記録しようとすることで、結果的により多くのことを考えたり感じ取ったりするようになったのもまた事実でした。その場ではロスタイムのように思えても、より密度の濃い旅をするという点では、更新にはある程度の時間をかけた方がよいというのが現時点の方針です。

まあ、そうはいっても、しがない旅鴉の日常をつれづれなるままに綴るのがこのblogの原点ですから、究極的には方針というほどの明確な考えはありません。今から半年、一年経てばさらに考えが変わっていることもあるでしょう。最初の記事にも記した通り、自然体で綴って行きたいと思います。この先どこまで行くのやら…
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