日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 23:01:23 | 居酒屋
二軒目は新年の挨拶代わりに「せくら」を訪ねます。「たにた」であらかた腹は満ちたため、今日は軽く一杯引っかけるだけです。しかし、なじみの店を訪ねる楽しみは、飲み食いとはまた別次元のものです。たかが三回目でそんな気分になれるのも、この店の居心地よさの表れではないでしょうか。「にせくら」なる方言にちなんだ店名の由来や、道中の出来事などについてひとしきり語らった後、松山名物の鍋焼うどんで締めくくります。

せくら
松山市三番町1-13-8
089-934-5671
1700PM-2400AM(日祝日定休)

小富士
突き出し(ぶり素揚げ)
宇和島産じゃこ天ちぎり揚げ
鍋焼うどん
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 21:56:13 | 居酒屋
昨日泊まった奈良のように、ある街で気に入った呑み屋ができると、あえて新規開拓をする気が起こらなくなるということが往々にしてあります。松山もしかりで、前々回初めて訪ねた「せくら」が非常によかったということもあり、前回はこの店一軒限りでした。本日の宿泊地を松山にしたのも、この店が今日から開くと事前に確認していたからで、松山に着いたら真っ先に直行するつもりでいたわけです。ところが、宿の至近距離に同じく教祖おすすめの「たにた」が。これも何かの縁かと思い立ち、予定を変更してまずはこちらへ飛び込むことにしました。

暖簾をくぐると、そこにあるのは正面に据え付けられたカウンター席と申し訳程度のテーブル席で、二階にテーブルか座敷があるという造りのようです。一人客の自分は靴を脱いで座るカウンター席へ。立派な白木の一枚板、天井まで届く造り付けの食器棚、ふぐとオコゼが泳ぐ生け簀などが据え付けられたカウンター回りからして、教祖が好む居酒屋使いのできる割烹と形容するのが適切なのでしょう。品書きについてもしかりで、正面の黒板にはよりどりみどりの魚の名とともに、それらに合った調理法が記されており、たとえば鯛なら刺身、薄造り、あらだきに骨蒸し、鰆であれば刺身、たたき、炙りに塩焼きといった具合です。この魚をお好み次第で一品二品選び、ホワイトボードに書かれた一品料理と組み合わせれば、まことに理想的な居酒屋の献立になるという案配です。
注文は暖簾を掛けた小窓の向こうの厨房に通され、頃よい間合いで運ばれます。切子の小洒落た徳利とグラスも、鰆のたたきの美しい盛り付けも、居酒屋というよりたしかに割烹のそれです。少なくとも、いちいち勘定を気にしながら呑むような店ではなく、品書きに価格表示がないのもそのためなのでしょう。とはいえそこは先人も推す名店だけに、驚くような請求をされることはありません。事前に覚悟していた勘定よりも大分低めで、なおかつ端数をまけてくれるのもありがたい心遣いです。
カウンターには割烹着姿の女将が立ち、客あしらいの上手さはさすがです。聞けば元日以外は通年店を開けているとのことでした。そうと分かっていれば、一日早く松山に乗り込み、四国に二泊するのが正解だったのかもしれません。来年以降の参考とさせていただきますφ(. . )メモメモ

たにた
松山市二番町3-7-4
0899-45-2300
1100AM-1400PM/1700PM-2300PM(元日休業)

雪雀・小富士
突き出し(まぐろ角煮)
じゃこ天
小だこ旨煮
鰆たたき
さより天ぷら
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 21:25:23 | 四国
松山に着きました。瀬戸内の街の明かりを一望できる松山道の眺めが秀逸でした。山の中腹から麓の街を見下ろして走るというと、上信越道にも似たような区間があるとはいえ、明かりの数と見晴らしが全く違います。眺めのよい高速道路として自分が常々挙げるのは中央道で、変化に富んでいるという点では紛れもなく一番です。しかし、眺めのいい区間がどこまでも続くという点では、この道がもしかすると全国随一かもしれません。少なくとも、トンネルや切り通しばかりで退屈きわまりない中国道、山陽道などとは大違いでした。
時間も徐々に押してきました。荷物を置いたところで早々に夜の街へ繰り出します。それでは後ほど…
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 19:50:12 | 四国
八時も近くなったところでようやく高速に乗ります。直行すればよいものを、なんだかんだで一時間以上も一般道を走ったのは、高速代の節約という平日特有の事情があってのことです。通勤割引が使える100kmまで高速での移動距離を縮めたため、あとは一路松山を目指します。この分だと到着は九時過ぎになるでしょう。幸いにして温泉つきの宿がとれたので、今夜は道後温泉を見送り、投宿後は早々に夜の街へ繰り出したいと思います。
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 19:16:29 | 四国
東中国の風物詩、マルナカで土産を買います。いつの間にやらイオンカードが使えるようになっており、レシートもイオングループ共通の様式に。時代は変わったのですね…
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 18:02:49 | 四国
辺りが大分暗くなったところで移動を再開します。諸々検討の結果、本日は松山まで足を延ばすことにしました。四国に滞在できるのは今日と明日の二日に限られるため、徳島、香川の二県でも行動範囲として不足はなく、たとえば今日は高松に泊まり、明日は再び徳島方面に移動して、夕方のフェリーで和歌山に渡って一泊するなどというプランも悪くはありません。しかし、ここから出発するなら松山も150km足らずで、無理なくたどり着ける距離ではあるのです。明日の夜当初の予定通りに高松からフェリーに乗るとすれば、いずれにしても高松には寄ることになるため、実質的には和歌山に泊まるか松山に泊まるかという選択になります。そうだとすれば、より再訪が困難な松山を選ぶのがよかろうと判断した次第です。
最寄りのICから高速に乗ったとして、松山に着くのは八時頃になるでしょう。道後温泉に寄るかどうかは、呑み屋の時間との兼ね合いをみて決めたいと思います。
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 17:22:48 | 四国
鴨島からさらに二駅進んだところで、夕日が山影に落ちました。四国の風物詩、吉野川に架かる沈下橋から夕景を望みます。実は以前もここで夕日を眺めたことがあります。前日奈良に泊まったことも、ここまでの経路もほぼ同じです。しかし、そのときの記録によれば、当日は終始薄曇りの煮え切らない天候でした。それに対して今回は、時折曇る場面もあったとはいえ、七割方から八割方の時間で日が差す好天で、昨日一昨日と同様天候には恵まれたということになります。
茜色の空が吉野川の水面に映えています。今日は特段先を争う状況でもないため、この空が紫色から漆黒へと変わるのを見届けてから先へ進むつもりです。
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 15:34:47 | MOS
鴨島に着きました。商店街の行灯に、見慣れた赤いMマークが。この場所こそ、かつてMOSがあった場所でした。駅前の通りの角地にあった店舗は今も空き家になったままで、昼間からシャッターを下ろした多くの商店ともども、地方の市街地の衰退ぶりを映し出しているかのようです。
しかし、奥手に長い店舗の造りと、脇道に面した客席の出窓、さらにはタイルで飾った腰壁からは、在りし日の姿が偲ばれます。通りの反対側から眺めれば、建物の出で立ちと街灯のMマークが古きよきMOSそのもので、軒先に赤看板を掲げれば、もう一度MOSとして営業できそうに思えるほどです。徳島山城店しかり、この店もしかり、およそ外食チェーンが出店しないであろう場所に、「路地裏出店」と称して小さな店舗を構えていた時代が、かつてのMOSにはありました。そして徳島はそのような店舗の宝庫でした。しかし、そんな愛すべき店舗も時代の波に呑まれてことごとく姿を消し、商店街の片隅に忘れ去られたように建つこの街灯だけが、古きよき時代を物語っているかのようです。
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 14:10:54 | 四国
例のごとく駅に寄りつつ西へ下ります。初日に訪ねた三重の駅が大幹線並の駅舎とホームを奢っていたのに対して、四国の駅は実に簡素です。しかも、JR化の直後に多くの駅舎が現代風に改装されたため、風情は若干損われてしまっています。しかし、駅舎を片っ端から撤去して小屋のような待合室に建て替えてしまう東日本に比べれば、昔からの駅舎が残っているだけはるかにましといえるでしょう。
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 11:50:11 | 四国
錦龍水で喉をうるおして一通り終了です。一時曇った空が、市街に入った頃から再び晴れてきました。これなら眉山に登れば見事な展望が広がっているでしょう。しかし、一月少々前にも同じく快晴の日に訪ねたため、今回は素通りして先へ進みます。早起きが功を奏して、徳島市街を午前一杯で出るという順調な展開になっており、これなら今日中に松山まで足を延ばせるかもしれません。
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 11:32:44 | B級グルメ
MOSの後は、これも毎度おなじみ中華そばをいただきます。注文はもちろん大肉とめしの二点セットです。中華そばはもちろんのこと、もっちりと炊かれたご飯が秀逸で、やはり徳島の中華そばとご飯は二つで一つなのだと改めて思います。

いのたに
徳島市西大工町4-25
088-653-1482
1030AM-1730PM(月曜定休)
大肉+めし800円
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 10:30:10 | MOS
給油を済ませて土産を買い、続いて立ち寄るのはもちろんこの店、モスバーガー徳島山城店です。十年一日のごとく変わらない赤看板もさることながら、それと並んで貴重なのが、コンビニでもあれば上出来だろうと思えるような、何の変哲もない住宅街の一角という立地です。こんな場所にファストフード店を出すなど、当時のMOSでなければ考えもしなかったでしょう。我が国ファストフードの歴史を語る貴重な生き証人といっても過言ではないと思います。大晦日に早じまいした以外は、元日から0時閉店の通常営業を貫く姿勢も見上げたものです。自ら厨房に立つ店主ともども、末永い活躍を願わずにはいられません。

モスバーガー徳島山城店
徳島市南昭和町5-99-1
088-626-2905
1000AM-2400PM
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 09:23:30 | 四国
その後しばらく走ったところで曇ってしまったため、鳴門は素通りして徳島に着きました。しかし、曇ったといっても薄日は差しており、景色を楽しむにはあと一歩だとしても、その他の活動には何の支障もありません。給油などの用事を済ませた後は、吉野川に沿って西へ進む予定です。
ちなみに寒さは相変わらずで、気温は現在のところ1.5度と、昨日の今頃よりもさらに下がりました。北海道のときと全く同じ耐寒装備が、昨日から一貫して手放せなくなっています。西日本への旅でここまで冷え込んだのは、もしかすると初めてかもしれません。
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 08:09:17 | 近畿
阪奈道路、阪神高速、第二神明と乗り継いで明石海峡大橋を渡り、淡路島までたどり着きました。たかが10kmそこそこで800円も徴収する第二阪奈など乗る気もしないのに対して、阪神高速に端から端まで乗って900円というのはお得感があります。朝日に染まる六甲の山並みを眺めながらの走行だっただけになおさらです。実質的な値上げでしかなかった距離別料金ですが、初めてその恩恵に与ることができました。
前回同じ経路を走ったときは平日朝の渋滞に巻き込まれ、神戸へ着いた時点で九時を過ぎていました。しかし、今回は淡路島に八時ですからかなり余裕があります。出発が早かったのもさることながら、世間がまだ正月気分ということもあるのでしょう。

気温は出発時と変わらず氷点下1度、曇りがちとの予報に反して昨日と同じ冬晴れの青空が広がっているため、四国へ渡ったらまず鳴門海峡の近辺を周遊しようかと思っています。
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新春の四国を行く 三日目

2013-01-04 06:08:52 | 近畿
出発します。昨晩世話になったのは「ホテルフジタ奈良」でした。初日に泊まった「ホテル美松」が家庭的なよい宿だっただけに、なんとなれば連泊もやぶさかではなかったのです。しかし、四国へ行くことを考えるとかなり早めに出発する必要があり、それなら宿を代えた方がよいだろうと思い立って探した結果、こちらの宿に行き着いたという次第です。
建物はそれなりに年季が入ったものとはいえ、バーも備える吹き抜けになったロビーの造りがビジネスホテルとは全くの別物で、全面ガラス張りになった建物の奥には小さな庭園が設えられるなど、格の違いというものを感じさせてくれます。部屋の構造は基本的に同一ながら、テーブルの広さや通路の幅などに余裕があり、格安のビジネスホテルはここを削ってコストを浮かせるのだということを、無言のうちに物語っているかのようです。普通車とグリーン車を比べたとき、着座位置の幅はそれほど変わらないのに対して、肘掛けと背もたれはあからさまに違うのと似たようなものなのかもしれません。
建物の年代も、部屋の造りと広さも、福岡の「西鉄イン」によく似ています。ロビー回りの設えはこちらが上、部屋からの眺めは西鉄インが上で、立地は互角といったところでしょうか。この立派な宿を、早々に発たなければならないというのが惜しまれます。もう少しゆっくり滞在してみたいと思う宿でした。
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