日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

さて連休の活動は

2012-12-21 23:11:11 | 旅日記
一時職場が切迫する場面はあったものの、幸いにして全てが丸く収まり、明日から出発できることになりました。予告通り、今回は全五日間の汽車旅となります。
列車で北海道へ渡るのは五月の花見以来とはいえ、そのときは函館まで往復したに過ぎません。その前ということになると、飛行機に乗り遅れて列車で追いかけた五年前が最後で、道内ではもっぱらレンタカーでの活動でした。このように、近年列車で北海道へ行くといえば、函館止まりか飛行機に乗り遅れたかのどちらかで、列車で道内各地へ向かうのは実に十年ぶりのことです。
その間路線図は変わらなかったのに対して、中身は随分と変わり果ててしまいました。札幌を起点に本州、道南、道東、道北と各方面を結んでいた夜行列車も、青森行の「はまなす」を残して姿を消し、車中連泊で道内各地を転戦した昔が嘘のようです。北海道の汽車旅からこれほど長く遠ざかってしまったのは、車という交通手段を手に入れたのもさることながら、周遊券に夜行列車という重要なアイテムが相次いで失われてしまったからでもあります。
とはいえ、安普請のロングシート車などがはびこる内地の鉄道に比べれば、北海道はまだましな方です。400km近くを走破する今時珍しい長距離列車も多く、少なくとも乗っていて興ざめさせられるような場面はないでしょう。しかも今回は、冬の北海道を列車で旅する初めての機会です。旅先ではマンネリズムに走りがちな昨今ですが、今回は初めて旅する土地のような新鮮さを感じられるのではないかと期待しています。

大まかな行程は以下の通りで、道南、道央、道北、道東を一通り巡る予定です。その気になれば半月でも滞在できる道内を、わずか五日で回るということは、当然ながらかなりの詰め込み型にならざるを得ず、ひとたび出発すればひたすら列車に乗り、あとは投宿して酒場で吞むだけという、極端に単純化された旅になりそうです。しかし、冬の北海道を列車で旅するのが今回の目的であり、他にすることがなくともそれでよいのです。列車を降りて行きたい場所が無数にあるのは事実ながら、それは次回の楽しみにして、今回は純然たる汽車旅に徹するつもりです。

12/22 東京→新青森→函館→札幌
12/23 札幌→稚内→旭川→札幌
12/24 札幌→網走→釧路
12/25 釧路→根室→釧路→札幌
12/26 札幌→函館→新青森→東京

それにしても、空を跨げば午前中には着いてしまう札幌へ、倍以上の予算と丸一日の時間をかけて行くのですから、相変わらず物好きな人間です。先週末の汽車旅にしても、まっすぐ行けば二、三時間のところを一日かけて行くという場面が、最近の旅には増えてきました。それだけ鉄道という交通手段が廃れ、早くて便利な交通手段に取って代わられているということなのでしょう。しかし、早く着こうとすればするほど、移動の時間は無味乾燥になるものです。こちらは移動がしたいのではなく旅がしたいのですから、先を急ぐことにそれほどの意味はありません。注ぎ込んだ金と時間は、便利さと引き換えに旅情を買うためのものだと考えています。
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