日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 23:44:50 | MOS
結局ほんの少し横になったところで再び外へ繰り出し、散策がてら中心街まで歩いてきました。ここで再び意表を突き、三軒目はMOSを訪ねます。
といっても、このMOSはもともと予定していたものではなく、歩いていると見慣れない場所にMOSがあったため急遽立ち寄ったというのが真相です。こんな場所にMOSができた、あるいは昔からあったという記憶は全くないのですが、店舗番号からしてここ一、二年の間にできたのでしょう。モスヲタとしたことが思わぬ盲点でした。
東西方向の通りの突き当たりにある幅の広い二階建ての、一階の一部と二階の大部分を占めているのがこの店舗で、レジと厨房と間に合わせの客席しかない一階部分はともかくとして、二階の客席はかなり広々しています。中でもメインとなる通り沿いのフロアは全面ガラス張りで開放感があり、二人用の丸いテーブルが整然と並んだ独特の客席配置になっています。特筆すべきなのは、このテーブルとフローリング、腰板の全てがニス塗りの天然木だということで、安っぽい合板製が標準となってしまった最近のMOSにしては珍しい贅沢さです。ダウンライトと間接照明、それに筒型のランプシェードを使った店内は明るくて居心地上々。何かと空振りが続いた札幌の夜でしたが、最後にこのMOSに出会えたのは幸いでした。

モスバーガー札幌南2条西1丁目店
札幌市中央区南2条西1丁目7-1
011-232-3702
700AM-2400PM
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 22:17:09 | 北海道
只今投宿して一息つきました。ここまでの間に早くも二軒をはしごして、少なくとも腹だけは完全に満たされています。今から三軒目へ繰り出しても無理に飲み食いする形になるため、しばしの腹ごなしをとらなければなりません。そう思って横になるやいなや眠りこけてしまうというのが、最近ありがちな展開です。このまま終わっては様にならないのですがね…
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 21:28:56 | B級グルメ
投宿前ではありますが、早くも本日の二軒目です。意表を突いて、北海道とは何の関わりもない牛タン焼きの「笑や」を訪ねます。
北海道へ来てまで牛タンというのも場違いな感があるのは事実です。しかし、秋田以外の東北各県にあった太助の分店も、狂牛騒動や店主の高齢化で次々と姿を消し、今や仙台以外ではこの店を含む三軒だけとなってしまいました。それだけに、場違いとはいえ貴重な存在ではあるのです。
四枚の牛タン焼きを、箸の進み具合を見ながら二枚ずつ二回に分けて焼くというのが、この店独自の作法です。牛タン焼は冷めやすく、なおかつ冷めることによって風味が大きく落ちます。それだけに、常に焼きたてをいただけるという心配りがありがたく感じられます。

牛タンの笑や
札幌市中央区南1条西5-7 敷島南1条ビルディングB1F
011-271-7775
1130AM-1400PM/ 1700PM-2130PM(LO)日曜休
定食1600円
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 19:28:46 | 居酒屋
投宿して夜の街へ繰り出すのがこれまでの流れであるところ、本日は駅へ着くやいなや一軒目へ飛び込むことになりました。というのも、教祖が様々な著作で絶賛してきた札幌の名店が駅の近くにあるからです。その「味百仙」を本日の一軒目とします。
初日は満席、二日目は日曜祝日の定休日に重なって振られ、三度目の正直にしてようやく入店できたこちらの店ですが、結論から申しますと、当初から抱いていた懸念が的中する結果となってしまいました。その懸念とはカウンター席の少なさです。6席しかないカウンターが、本日も予約で埋まっており、飛び込みの自分はテーブル席に甘んじる結果となりました。そのテーブルにはカウンターと同じニス塗りの立派な一枚板が奢られて、これ自体はかなり立派なものです。ところが、このテーブルが店内のほぼ中央に一つだけぽつんと置かれ、しかもカウンターに対して直角に据え付けられているため、カウンターや店内全体の雰囲気がとらえづらいのです。その結果、カウンターを真横に見ながら、壁際の冷蔵庫に正対して呑むという形になり、複数名ならともかく一人ではどうにも落ち着きがよくありません。にしんにカレイに沖漬けと、出された肴はどれも北海道らしく、なおかつ酒が進むように工夫された品々で、なるほど教祖が激賞するだけの実力はあるのでしょう。それだけに、この中途半端なテーブル席が、なおさら画竜点睛を書くように思えてしまいます。
予約をせずに飛び込んだ自業自得の結果であることはもちろん承知しています。しかし、気が向いたときにいつでも立ち寄れるのが自分の理想でもあります。数少ないカウンター席を事前に押さえておかなければならないとすれば、「行きつけにできるか」という点では難しいのかもしれません。教祖が激賞する店の中にも、自分に合わない店が少数ながらあるのは事実で、この店は数少ない例外の一つということになりそうです。一方で、たとえば職場の近くにこの店があり、お客が一巡した9時10時あたりにカウンターで一献傾けることができれば、この店に対する評価も全く違うものになっていたでしょう。要は呑み屋にもTPOがあるということです。

味百仙
札幌市北区北七条西4 宮澤興業ビルB1
011-716-1000
1700PM-2400PM(土曜・祝前日 -2300PM)日曜定休

金滴彗星・北育ち
お通し
宗八焼
身欠き鰊ねぎみそ
いかの沖漬け
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 19:13:44 | 北海道
道東の鉄路を反時計回りに一周して札幌に着きました。透明な冬晴れだった昨日も、道東、道北それぞれの雪景色を眺めた今日もそれぞれ見所があり、ほぼ乗車だけとはいえ十分に楽しめた二日間でした。しかし、釧路と根室の間を往復した以外は、一切経路の重複がなかったというのに、結果としては道東の旅客鉄道を全線乗り通したということになります。それだけ北海道の鉄路が剥ぎ取られてしまったのだと思うと、少々複雑な気分になるのもまた事実です。
ちなみに、函館本線を走行中に野生動物に接触したとのことで緊急停車し、20分ほど遅れての到着でした。昨日も今日も、エゾシカの群れに出くわし急停車という場面が何度となくあり、よく事故が起きないものだと思っていたところが、やはりこのような事故が少なからずあるのでしょう。動物に罪はないだけに、これまた複雑な気分にさせられます。これもある意味北海道の自然の厳しさとはいえ、できることなら遭遇したくない現実でした。合掌…
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 13:41:02 | 北海道
網走で特急に乗り換え、釧網本線の乗車は終了と相成りました。あまりに名高い釧路湿原とオホーツク海の眺めはある意味予想通りだったとしても、湿原から峠を越えるやいなや、斜里岳が雪原の彼方に姿を現し、さらに進めば海別岳が現れるという展開は実に見事でした。しかも網走市街の手前では海の向こうに知床の山並みが連なるなど、それぞれの車窓が絵になるだけでなく変化にも富んでいて、正味三時間少々の乗車が短く思えたほどです。この風光明媚さからシーズン中は半ば観光路線と化し、それが自分を長年この路線から遠ざけてきたわけなのですが、多少の弊害を承知で乗った価値は十分にあったのではないかと思います。
ここからはオホーツク海と別れて石北本線に入ります。ここまでの道中は、薄い雲に覆われながらも青空が広がる天候で、これが道東の雪景色かと得心させられました。これに対し、行く手に待ち構えるのはいくつもの峠と、深い雪に閉ざされた道北地方です。道央と道東、道央と道北の移動は経験済みなのに対して、道東から道北というのはこれが初めてになります。見所という点では釧網本線に一歩譲るとはいえ、こちらはこちらで楽しめそうです。

★網走1329/オホーツク6(16D)/1847札幌
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 13:12:06 | 北海道
後続の列車に乗って網走へ向かいます。網走からはわずかな接続時間で札幌行の特急に乗り換え、到着は19時前の予定です。

★藻琴1310/4732D/1324網走
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 12:35:32 | B級グルメ
心ゆくまで駅を鑑賞したところで、駅併設の喫茶店でお昼をとります。
開業当時の姿をほとんどそのまま残した駅舎と同様、店内は昔からの建物を極力活かす形で造られていて、矢羽根の転轍機、国鉄時代の制帽、安全綱領を掲げた額縁など、鉄道にゆかりのある品々がさりげなく飾られ、待合室にあったと思しき木製のベンチが座席に使われます。ともすれば平凡な木造駅舎に見えながら、大正時代の建物らしく隅々の造りは手が込んでいて、天井回りの細工もその一つです。簾をかけた窓からは、冬の弱い日が差し込んで、中央に鎮座するダルマストーブとともに、外の寒さをしばし忘れさせてくれます。
時節柄観光客の姿はないものの、地元の人々が三々五々訪れては昼食をとっていきます。この駅が無人化されながらも荒廃することなくよい状態を保っているのは、かつての駅事務室にこの店が入り、常に人が出入りしているというのが大きいのでしょう。店主の尽力に敬服しつつ、次の列車までの時間を過ごします。

トロッコ
網走市字藻琴
0152-46-2750
1000AM-1900PM
シーフードカレー700円
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 12:04:34 | 北海道
網走まで乗り通す予定のところ、急遽予定を変更して藻琴で下りました。後続の普通列車に乗っても札幌行きの特急に乗り継げるということに気付いたからで、網走で一時間半ほどある待ち時間を、この駅に振り替える形となります。
それではなぜこの駅なのかというと、開業当時からの古い木造駅舎が、ほぼそのままの姿で残っているからです。道内を通じても数少ないこの手の駅舎が近隣には集中していて、斜里から網走の間に止別、北浜、藻琴、鱒浦と四駅あります。このうち最も名高いのはオホーツク海を間近に望む北浜で、鉄道好きはもとより観光客の間でも知られた存在です。しかし、観光地をあえて敬遠するのが天の邪鬼の習性というもので、この駅をまず候補から外しました。よって、列車が通過する鱒浦を除くと、実質的には止別と藻琴の二者択一となり、両者の中から最も正統派の木造駅舎といえる藻琴を選んだという次第です。
他の三駅に比べるとより間口が広くて立派なのがこの駅舎で、切妻屋根に同じく切妻のファサードを備えた建物には、突出した特徴こそないものの、教科書通りによくまとまっています。オホーツクの厳しい風雪にさらされながらも、建物は特に傾いだり痛んだりしている様子もなく、矍鑠とした老紳士を見るようです。小さめの窓と、屋根から突き出たストーブの煙突が北海道らしく、琺瑯看板の駅名標にも味わいが。駅前には国道が通り、そこから折れて駅を背にする形で、芝桜で有名な東藻琴へ続く道道がまっすぐ延びていきます。そんな駅前の雰囲気を含めて秀逸というほかなく、一時間あまりの滞在時間は思いのほか早く過ぎそうです。
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 09:03:41 | 北海道
網走行の列車で釧路を後にします。宿を出る少し前から、細かい雪が舞い降りてきました。これまで道東では冬晴れの空しか経験したことがなく、ある程度まとまった雪が降るのはこれが初めてです。札幌には及ばないとしても、かき集められた雪が所々背丈よりも高く積もっていることからすると、釧路にしてはかなりの雪が多い年なのでしょう。初めて見る道東の雪景色とはどんな眺めなのでしょうか。

★釧路905/3728D/1205網走
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 08:32:20 | 北海道
出発します。昨晩世話になったのは定宿の「ホテルラッソ」でした。しかし、夜更かしが過ぎたこともあって空腹感が戻らず、この宿自慢の朝食バイキングを存分にいただけなかったのが少々残念です。「万年青」から宿に戻ったときには、早くも厨房の明かりがついていました。それだけ時間をかけて仕込んでいるということなのでしょう。次の機会は腹を空かせて、万全の状態でいただきたいものです。近いうちにまたお会いしましょう…
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 07:31:47 | 北海道
おはようございます。釧路市街は昨夜の星空から一変してどんよりと曇っています。何より驚くのは寒さで、現在の気温が氷点下15度、最低気温が氷点下19度だったそうなので、宿に戻る間際などはおそらくそれに近い気温だったのでしょう。これでは冷凍庫の中に入っているようなもので、外に出るやいなや全身がこわばってきたのも当然です。しかし、北海道の寒さをもう一度体感するというのが旅の目的の一つでもあったのですから、結果としてはこれでよかったのかもしれません。
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 04:30:10 | 北海道
本日の全行程終了です。というより、昨日なのか今日なのかさえ判然としなくなってきました。これが花見の季節なら、三時過ぎには明るくなってくるわけで、この時刻には間違いなく朝日が昇っているでしょう。終了がこの時刻では、朝起きられる保証もありません。9時の列車で網走へ向かうのが本来の予定のところ、乗り遅れたら来た道をそのまま引き返すか、新得から富良野、滝川経由で札幌へ向かいます。
宿までの道すがら、結氷しかけた釧路川の水面からは湯気が立ち上っていました。それほどまでに今夜の寒さは並大抵ではなく、ものの二、三分も外にいればたちまち全身がこわばって、屋内に入ってもしばらくは節々が痛みます。しばれる寒さと言葉には聞いても、実際に体感するのとそうでないのとでは大違いです。何度北海道へ渡っても、自然の威力に感嘆させられる瞬間が道中一度や二度はあるものだと常々申しますが、その経験則の通り、北海道の厳しい寒さを改めて思い知った夜でした。
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 02:27:18 | 居酒屋
三軒目に登場するのは釧路の居酒屋の真打ち、炉端焼きの名店「万年青」です。実は、一旦眠りに落ちてから出直したというのは、これが初めてのことではなく、五月の花見の時もそうでした。年中無休で朝まで営業しているという安心感が油断を生み、一度ならず二度までもこのような結果になってしまったわけです。しかし、それがよいことなのか悪いことなのかといえば、この店がいつでも開いているという事実に関する限り、紛れもなくよいことだと思います。ただでさえ人出の少ない連休最終日の夜、なおかつ草木も眠る丑三つ時に、この店は何一つ変わることなく営業中です。こんな時間に呑む客がいるのかと半信半疑で暖簾をくぐれば、コの字のカウンターの二辺は先客で埋まっていて、空いているのは右奥の短い辺だけでした。入れ替わりはあっても常時適度な客の入りなのですから、地元での根強い人気のほどがうかがえます。
聞けば、来る正月も休業するのは大晦日と元日のみで、かつては年中無休の365日営業だったそうです。見方を変えると、この二日間さえやり過ごせば、正月二日からは再び釧路で呑めるということでもあります。正月に再訪という悪魔のささやきが大きくなりつつあり…

万年青
釧路市栄町4-2
0154-24-4616
1700PM-700AM

酒二合
お通し(煮こごり)
おでん二品
開きにしん
三平汁
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汽車旅in北海道 四日目

2012-12-25 02:06:09 | 北海道
聖夜も大分更けてきました。時刻は午前二時、この期に及んで唐突に動き出したのには理由があります。別に大した理由ではなく、宿に戻って小休止をとろうとしたところがそのまま眠り込んでしまい、先ほどようやく目覚めたという次第です。土地によっては店の選択肢もなくなり、手痛い失敗で終わりかねないところ、幸いにして釧路には年中無休で朝まで営業の名酒場があります。眠気覚ましに一風呂浴びてから三軒目に繰り出したいと思います。
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