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苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

ハンカチ王子の限界、道具の持つイメージの限界

2007年08月21日 | 日記
 いまだにメディア情報などで、2週間に1回ぐらいの割合で「ハンカチ王子」という文字を目にします。すごい人気なんだなあ、と思います。「ハンカチ王子」「はにかみ王子」と、ちょっとよく分からない状態です。
 「ハンカチ王子」について思うことがあります。それは「ハンカチ王子」が汗を拭く道具としては、どこまでが「ハンカチ王子」としての許容範囲であるか、ということです。これが、この記事の表題の「ハンカチ王子の限界」という意味です。
 「ハンカチ王子」に対して、世間の人たちは、どのようなイメージを持っているのでしょうか。「若い好青年」「さわやか」「格好いい」「育ちが良い」「だらしなくない」というイメージかと思います。ハンカチは、あくまで「ハンカチ王子」をエキセントリックに引き立てた道具であり、「ハンカチ王子」に普通の球児とは違うイメージを付加した道具でもあります。イメージが、あくまで大事なのです。よって、これらのイメージを逸脱した道具を「ハンカチ王子」が手に持ってテレビに映ったときは、それは逸脱した行為となり、「ハンカチ王子」の限界となります。
 ちょっと分かりにくいと思います。考えていることをいくつか書いていきます。
 「ハンカチ王子」ブームでは、青色のハンカチが話題になりました。「ハンカチ王子」が青色ではなく、淡い緑色のハンカチを使用していたらどうでしょうか。これは許容範囲でして、淡い緑色のハンカチでも充分に「ハンカチ王子」は成立します。赤色、ピンク色、黄色でも充分に成立すると思いますが、淡い緑色のハンカチの方が「ハンカチ王子」らしいという印象を受けます。それは、赤色やピンク色が女性を連想させる色だからであり、黄色では映画の名作である『幸福の黄色いハンカチ』を連想してしまうためです。このハンカチの色が、葬式のときに携帯するような無地の白色のハンカチならどうでしょうか。これは、「ハンカチ王子」らしくない色のハンカチであると思います。葬式用のハンカチを使って汗を拭いている「ハンカチ王子」をテレビで見たとき、視聴者は引いてしまうと思います。よって、無地白色のハンカチは「ハンカチ王子」の限界です。
 同じハンカチであったとしても、ボロボロの汚いハンカチはダメです。端がほつれていたり、くしゃくしゃにシワが入っているものもダメです。できればきれいに折りたたまれたハンカチがふさわしいと思います。
 ハンカチ以外の道具を考えてみましょう。ハンカチタオルはまったく問題ありません。タオル生地のハンカチタオルならば、無地白色でも充分に許容範囲であります。ハンカチタオルの方が、普通のハンカチよりも許容範囲が広いです。ハンカチが持っている生々しいイメージがなく、スポーツ寄りの道具だからであると思います。
 しかし、ハンカチタオルに何かアニメのキャラクターが印刷もしくは刺繍されていたらどうでしょうか。ドラえもんならば、何とか許容範囲だと思います。少し古いのですが、ドラゴンボールやスラムダンクもOKでしょう。しかし、ガンダムやエヴァンゲリオンでは「ハンカチ王子」らしくないと思います。ここらあたりが限界でしょうか。
 ハンカチ以外の道具としては、他に手ぬぐい、風呂敷、タオルが思い浮かびました。タオルはバスタオルのようなものはダメでしょうが、スポーツタオルやフェイスタオルはOKでしょう。風呂敷はダメだと思います。ちょっと和風のイメージが強すぎ、野球のマウンドには合わないと思います。手ぬぐいは非常に判断が難しいのですが、ギリギリダメだと思います。ハンカチよりも汗や垢のイメージが強く、落語、歌舞伎、大工のイメージもダブります。手ぬぐいは、ハンカチよりも粋(いき)な道具です。粋と「ハンカチ王子」は合いませんので、手ぬぐいは「ハンカチ王子」の限界であると思います。
 汗関係の道具としては、あぶら取り紙があります。これについては、普段の生活で愛用している人と、使わない人で意見が分かれそうな気がしますが、結論を述べますと「ハンカチ王子」にふさわしくないと思います。あぶら取り紙は、汗というよりも顔からの分泌物を吸い取る道具です。分泌物を吸い取るという作業は、さわやかさからは離れていると思います。また、あぶら取り紙は化粧道具の一種ですので、あぶら取り紙使用後のさわやかさを求めているだけではなく、人目を気にしているようにも思えます。「ハンカチ王子」はそのようなことを気にしなくとも、生まれつきにさわやかであった方が良いと思います。
 トイレなどに設置されている紙タオルはどうでしょうか。これもダメですね。紙タオルを使用するとき、私の心には罪悪感がわいてきます。それは、もったいない、という気持ちです。できれば「ハンカチ王子」には、使い捨て行為をして欲しくないと思います。
 ウェットティッシュはどうでしょうか。ウェットティッシュは上で述べた、あぶら取り紙の欠点をカバーしている道具です。よって、「ハンカチ王子」に近い道具と思います。あぶら取り紙よりも良いと思います。しかし、「ハンカチ王子」には合わないと思います。「ハンカチ王子」のハンカチは、汗を拭くためではなく、ゲン担ぎの道具であったことは有名です。ゲン担ぎに使うには、ウェットティッシュは存在が軽すぎます。一生懸命がんばって勝利をめざしている高校球児の願いを、ウェットティッシュがかなえてくれるとは思えません。ウェットティッシュには荷が重いです。よって残念ながらウェットティッシュは「ハンカチ王子」の限界だと思います。
 以上のように考えていくと、意外と「ハンカチ王子」にふさわしい道具の許容範囲が狭いことが分かってきました。「ハンカチ王子」が「ハンカチ王子」らしく振舞うには、それなりにふさわしい道具が必要なのです。このようなことが「ハンカチ王子」の限界であり、道具が持っているイメージの限界なのです。
 結構、長文になってしまいました。バカなことを書いているなあ、と思われるかもしれませんが、こんなことを頭の中で考えていると、何時間でも遊べます。「ハンカチ王子」に何を持たせたら面白いか。実際にテレビで映っている姿を想像しながら考えてみると面白いですよ。

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