MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

中国っぽい空気感の写真

2008年09月20日 | 日記
 土曜日でしたが今日は午後から出社。貴重な休みが半日なくなった……。せっかくですので、アポをとった役人さんとの待ち合わせ場所で待っているときに、町の写真を少しだけ撮影しました。何となく中国っぽい空気が漂っていて、気に入っています。 



 比較的、近代的な大きな道路ですが、建物の色やガードレールに中国っぽさが感じられます。細かいところを見ますと、いい意味で日本とは違うなあ、と思います。





 正式名称は知らないのですが、自転車式のタクシーです。エッチラオッチラと自転車を走らせています。町中ではよく見かけます。まだ乗ったことがありませんので、一度試してみたいと思います。





 道路掃除のおばちゃんです。暑い日中、麦藁帽子をかぶって道路のゴミを拾っています。けっこう交通量の多い道路の真ん中へも歩いて行き、何食わぬ顔でゴミを拾っています。強いなあ。おかげできれいな道路が保たれています。

汚染米事件について、冷静かつ科学的な新聞報道を求めます

2008年09月20日 | 日記
 今日は土曜日ですが、午後から出勤しました。中国の役人さんとの折衝のためです。中国で発生している粉ミルク事件の関係で、中国の食品関係の役人が忙しくなり、時間の都合がとれないため、土曜日にアポイントをとることになりました。かなりピリピリしていますね。
 役人さんは「日本でも米に関して問題が起きているのだろ」と言っていました。粉ミルクと米の問題を一緒にしてほしくないなあ、と思いましたが、口には出しませんでした。中国語できないし。
 今回の汚染米の事件については、食品業界にいる者にとっては絶対にやってはならないことですし、許されないことです。そのことは充分踏まえているうえで、以下のように書いてみました。本当に大切な論点がかすんでいるように思えたためです。

 相変わらずなのですが、日本では食品事件が発生すると、「安心」と「安全」を混同している新聞記事が大量に乱発されます。
 このブログでも何回も何回も書いていますが、「安心」と「安全」は異なる概念です。日本では近年、これらの2つの言葉を「安心・安全」と一緒にして使うことが多いのですが、意味が違いますので注意しなければなりません。簡単な判別方法は、「安心」の反対は「不安」、「安全」の反対は「危険」というように、反対の意味にあたる言葉が何であるかを頭に思い出せば、「不安」と「危険」をキーワードにして、新聞記事を読むことができます。
 今回の事件では「汚染米」と呼ばれている米が「安全」なのか「危険」なのかが、読者にとって最も大事なポイントになってくると思います。読者が最も知りたい情報は、「安全」か「危険」か、ということであると思います。実はこの点についてはっきりと書いている新聞記事は驚くほど少ないです。一番大切なポイントなのに。
 社説レベルでは、全国紙のうち、読売新聞が≪問題の汚染米が、健康に影響する可能性は極めて低いとされる。食への信頼が裏切られた事実は重いが、過剰反応は禁物だ。消費者は冷静に対応してほしい。≫、産経新聞は≪不正転売されていた汚染米については、専門家の多くが「汚染濃度が公表のレベル程度であれば、深刻な健康被害を起こす可能性は極めて低い」と指摘している。健康被害の追跡調査は今後も怠ってはならないのは当然のことであるが、何より求められるのは消費者側の冷静な対応である。≫と書いており、一歩引いた姿勢であることが分かり、少しだけ好感を持ちました。
 他の多くの記事には、米の業者や農水省の体質や検査体制の不備を非難している中、たくみに汚染米の危険性を暗示させる文章を挿入しておりました。これでは、市場に出回ってしまった汚染米が「安全」なのか「危険」なのか、というポイントが分りません。役所の体質や検査体制に不備があったことは否定できませんが、流通してしまった汚染米の安全性も同じように否定できるのでしょうか。区別して考えることはできないのでしょうか。
 米についていた汚染物質の長年の蓄積が心配、という論調もありますが、この新聞記者は何も勉強していないようです。一日摂取許容量ぐらい知らないのかな。「心配=不安」なのは分かりますが、感じている「不安」が「危険」につながるのか、単なる思いすごしであり実は「安全」であるのかは、調査しなければ分かりません。
 この危険性について、毎日新聞社説(9月17日付)には≪不安はぬぐい切れない≫と書かれていました。なんじゃ、そりゃ。憶測やんか。「不安」なのかもしれないけど、「危険」なの? 「安全」なの? 一番大切なポイントなのですからブンヤのプロとして調査してほしいと思います。
 残留農薬の基準設定については、「フルーツセーフティ」というホームページで分かりやすく説明されています。この解説を読めば、基準値の2倍の農薬を含む米を10年間程度食べたぐらいでは問題ないことが分かります。汚染米をブレンドしたものや加工品は残留農薬の濃度はぐっと減りますので、リスクはさらに低下します。
 この汚染米、おそらく人体に健康危害は及ばないと思います。「安全」と決め打ちしたら、辞任した大臣と次官のように世論によって血祭りにあげられるかもしれませんので、声に出せないのかもしれません。本当に「安全」な食品について「人体に影響がないことは自信を持って申し上げられる」と発言しても、「開き直るかのようなお役所目線の発言」「国民を愚弄(ぐろう)する、とんでもない発言」という声で圧殺されてしまっては、はっきり言って理不尽です。もちろん、大臣と次官が辞任した理由はそれだけではありませんので、辞任そのものを否定する分けではありません。ただ、「安全」なのか「危険」なのか、というポイントははっきりとした方が良いと思うのです。今回の事件に関しては、これ以上に大切なことがないためです。

 繰り返しになりますが、今回の事件のようなことを食品業界の人はやっていはいけません。私はこの業者をかばう分けではありません。このことをご理解ください。論点がごちゃごちゃの状態が気に食わないのです。