TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

計画停電の夜

2011年03月18日 | インポート
 震災関連の報道が続く。

被災された方たち、ひとりひとりに目が行き届き始め、
それぞれの方の事情や言葉が、テレビの向こうから伝わってくる。
 生きていてくれさえすれば、それでいい……。
現地から伝わってくる言葉。
 そうした言葉よりも、重い言葉があるだろうか。

 計画停電が始まる。

「計画」とはいえ、直前にならないと、わからない。
 停電予定の時間になる。
今、切れるか、もう、消えるか、と思いながら過ごす時間は、落ち着かない。

 ブチッという音とともに、停電が始まる。
電動式のポンプか何かで給水しているせいか、職場では、トイレの水も出なくなる。
パソコンが使えないと、ほとんどの仕事が進まない。
 普段から、いかに電気に頼った生活や、仕事をしているか、思い知らされる。
 長く手持無沙汰の3時間が過ぎ、また、ブチッと言う軽い音とともに電気がつく。
一斉に歓声があがる。
 今までアタリマエに思っていた電気の明るさが、本当に有り難く思える。

 昨日は2回停電があった。

夜帰宅すると、真っ暗である。
 非常用の懐中電灯を片手に、コンビニで買ったおにぎりやサラダ、魚の缶詰めを食べる。
 暗いのはまだいいが、寒い。
 不思議なもので、頭の中では、停電したことを理解しているのに、無意識のうちに、
壁にある電気のスイッチを押そうとしてしまう。
 スイッチを探している自分にハッとして、
「ああ、そういえば、停電してるんだった」と
ひとり苦笑する。
 ダウンコートを着込み、マフラーを巻いたまま、部屋に座りこんで、真っ暗な外を眺めて過ごす。

 地震当日、「帰宅難民」になったことをしみじみと思い出す。
本当に、心細く、不安であった。

 どんなに暗くても、寒くても、自分の家にいるというだけで、本当に安心感を感じる。

コメント
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