TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

それって?

2018年08月30日 | インポート
救急車が信号を無視して(正確には決して無視しているわけではなく、慎重に徐行しているのですが)病院に向かってまっしぐらに走っていくさまを見るのが大好きである。ぞくぞくとさえする。
横断歩道を渡り終わったあとも、わざわざ振り返って、救急車が通り過ぎるのを見送ってしまう。
この心理ってなんでしょう。
規則に堂々違反してみたいという願望の現れか、
それともただ単に、この頼もしい助っ人を陰ながら応援したいという気持ちなのか。
 いずれにせよ、青信号ではなんとなくもの足りない。
是非とも赤信号を突っ切ってもらいたいと期待してしまうのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝顔の長時間労働

2018年08月23日 | インポート
朝顔を育て始めてほぼひと月。
毎日のようにブルー、鮮やかなピンク、地味目なピンクと花を咲かせて
いる。
この猛暑の中、ベランダに鉢を出しておくと昼過ぎには、へなへなになっている。
哀れに思って冷房の効いた部屋の中に入れると、いったんしおれかけた花がまたしゃんと立ち直る。
結果、夜の8時ぐらいまでもつことも……。
これって花にとってどうなのだろう。
朝顔は朝の花なのであり、夜まで咲きたいと思っているのかしら。
からだ?に悪くないのか否か、などと思いつつ、やっぱり家にとりこんでいる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オリンピック

2018年08月21日 | インポート
 夏のオリンピックの東京開催が決まって以来、すべてがこの祭典と関連付けて回り始めた。
温泉を表すピクトグラフを外国人にもわかりやすく変更しようと候補にあがった図柄は、
まるで、人が釜茹でになっているかのようだ。
 日本文化を知ってもらういい機会なのに、そこまで媚びるとはね、
などと私はこの盛り上がりについていけない。
おいてけぼりをくったようでそれもおもしろくない。
 が、そういう私にも、心に残る場面がある。二十年近く前、
冬季オリンピック長野大会のスキージャンプである。
 私は昼休みに、職場近くのスーパーの電化製品売場にいた。
ちょうど団体戦が放送される時間帯だった。テレビの大画面には、横殴りの雪が映っている。
その中をついて三人目の原田選手が飛ぶ。
自動計測不可能なほどの飛距離をたたきだす。その前のオリンピックでは、彼の飛距離が伸びず、足を引っ張ったと聞いていた。
続いて船木選手が飛ぶ。着地の瞬間、メダル獲得がわかったのか、彼が雪の上に仰向けに倒れこむ。
「やったー」の声がこちらまで聞こえてきそうだ。
飛び跳ね抱き合う四人のメンバー。『泣き虫原田』のくしゃくしゃにゆがんだ顔――。
 ま、開会式ぐらいは見るかもね、などと距離を置きながらも、
あんな展開に立ち会える瞬間が再びあるかもしれない。
そういえば、船木選手が当時としては珍しく、眉を描いていて話題になったなんてことまで今も覚えている。  
期待しないぶん、余韻は大きいのだ。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひとカラの魅力

2018年08月20日 | インポート
10年ほど前から〝ひとりカラオケ〟を楽しんでいる。
職場の最寄り駅近くにたまたまカラオケボックスがあった。
どういう風の吹きまわしか、ふらりとはいってみたのが、始まりである。
 今でこそ、ひとカラなどといってひとりで店にはいるのも、さほど珍しくはなくなったが、
当時はそんな言葉もなく、敷居が高いものだった。
なんといっても、最初の難関は受付である。
ほかの客がいないのを見計らい、
「今の時間、ひとりでもだいじょうぶ?」
などといかにも、もの馴れた口ぶりで常連を装ったものだ。
いったん個室にこもってしまえばこちらのもの。ヘッドホンステレオで何度も聴いたお気に入りの曲を試す舞台だ。ときには中島みゆきのように重々しく、またあるときは、加藤登紀子のようにしみじみと――。
もちろん、たまには知り合いと連れ立って行くのも楽しい。
レパートリーを増やすきっかけになったり、ブラウン管時代の懐かしい曲に再会できたりするからだ。
しかし、なにぶんわたしの周りの聖子や明菜は、そろってメドレー好きときている。
ひとたび彼女たちにマイクを握らせたら、こちらに回ってくるのはいつのことになるやらわからない。
周囲をはばからず、同じ曲を気が済むまで何度でも練習できるのが〝ひとカラ〟の魅力なのだ。
音の高さをあげたりさげたりしながら、難しい歌詞を伴奏にのせて歌えるようになったその瞬間は格別である。
しかしながら、熱唱場面を店のスタッフに目撃されるのは、いまだに気恥ずかしく、
うっかり飲み物など注文してしまうと、歌いながらも気がそぞろ。
ノックの音とともにマイクを放り出し、その手を素早く端末操作に切り替えて、
まるで、ただ今選曲中であったかのように振る舞ってしまうのである。  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝食

2018年08月19日 | インポート
旅行の楽しみのひとつに、ホテルの朝食がある。
最近は、バイキング形式が多い。
ケチャップたっぷりのスクランブルエッグに、ソーセージとポテトを添え、
サラダの上には、スイートコーンを山盛りにして、席に着く。
食後のデザートは、フルーツポンチ。
生(なま)のパイナップルなど味わえるのは、こんな時しかない。
夕食ほど華やかではなく、定番が多いのだが、だからこそ、右往左往せずに、落ち着いた気分で味わうことができる。こういう場所では、ありきたりのものもおいしく感じられる。施設自慢の焼きたてパンや、地元の野菜を使った小鉢などがあれば十分だ。
朝食開始は、早くても7時頃。部屋からレストランまで、5分くらいかしらなどと計って行くものの、
どうしても早く着いてしまう。
食い意地がはっていると思われないよう、入り口付近で何くわぬ顔をしてはいるが、
心の中では、お待たせしましたの声を、足踏みしながら待ち構えている。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする