goo blog サービス終了のお知らせ 

ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

マイミクに逢えない日々

2010-03-31 23:34:07 | 日々随想
ミクシーに入れなくなって
もう 1週間以上になる
きっと 誰かが侵入して 暗証番号 変えちゃったのかな


ふうん





もともと 僕は ∵25という名前で
ミクシーの中に存在していて
携帯を変えた時 別の人間 アノニモスを造ったんだ


∵25の友人で アノニモスは生まれて
でも やがて 二人はマイミクをやめて
密かに 別々の人間になりすましていたんだ


でも もう アノニモスの中に 戻れない
せっかく出来た 何人かの友人
どうしているだろうか


もう一度 ∵25に帰って
別の人間を 造り出そうか
今度は なんていう名前にしようか


また 一人に戻ってしまった
また 一人から始めよう
それが 自然の成り行きなら


遠すぎた紫

2010-03-30 20:15:03 | 紫々猫想
・・・がっかり


せっかく 今年2度目の ブルームーンな夜なのに
こんなに がっかりしてるよ
怒れれば 少しはマシなんだろうけどさ





昨日には 届いてるはずの ドデカゴン
連絡もないから 昨夜 電話したんだ 
そしたら まだ 終わってないと・・・


ふうん


でも 急げば 今日の夜には終わらせられるというから
中野まで 仕事の帰りに 車を飛ばして
約束の時間に 辿り着いたんだ


担当者が 印刷が遅れたことを 詫びてくれて
それでも まあ どうにか間に合ったから 
笑顔で 「かえって 急がせてすいません」
なんて チグハグな返答をして


念のため 仕上がった冊子を チェックしてみると・・・


え・・・・? 何 これ!


僕は 表紙と背表紙の装飾は 紫で指定したのに
出来上がった冊子の それは
なんていうか 名前の無い色


赤というか 茶色というか
やや色盲の気がある 僕にとっては
なんと呼べばいいか 分からない色で印刷されてる・・・


「あの これ 紫で指定したハズなんですが・・・」
担当者は 慌てて確認したら やっぱりミスで
『おかしいな 印刷機の不具合かな・・・』って


ふうん


泣きたくなったよ
遅れたあげく 割高の色指定の印刷が間違って
全部 やりなおしてもらおうと思いながら ページをめくってみた


でも そこには 長い間 頑張ってきた
見慣れた というか 見飽きるくらい つきあってくれた
モノクロのドデカゴンが ぎっしり


うん 本質は こいつらだ


こいつらが 生きていてくれてるんだったら
この100冊の冊子の 紙やインクは
無駄死にする必要ないよね


そう 表紙の紫だけ 僕が我慢すればいいこと


「これで いいです 本当にありがとうございました」
『本当に すいません』
「もし 増刷することがありましたら その時は 紫で!」


だから 紫は おあずけ
こんなマニアックな冊子 100冊もさばけるワケないし
増刷する見込みなんて ないんだけどさ


がっかり


交差点で 見上げれば ようやく会えた満月
「だめだったよ」 語りかければ
なんだか 僕の心が ブルームーン


「でも これでよかったと 思える日が来ますように」
そんな 消極的な願い事しか 出来なかったから
ルームミラーの上の 紫の猫に聞いてみたんだ


「これって 何色だと思う?」
『錆びきった色 君の心の色だよ』
「ふうん」
『紫には まだ早かったってことだよ』


やわらかい午後

2010-03-29 20:46:58 | 日々随想
左手にさげた 半透明のビニール袋には
うっすらと お菓子が いっぱい
そして 右手には 熊のぬいぐるみ


渋滞で 往生してる 僕の車の横を
彼は ゆっくりと 歩きながら
すれ違っていった





きっと お父さんなんだろうな
小さな 娘さんが いるんだろうな


ふうん


人には いろんな名前がある
仕事では 役職だったり 先輩だったり 部下だったり
家庭では 妻だったり 夫だったり 親だったり


そして それぞれの名前の数だけ 顔があって
険しかったり 優しかったり
そんなふうに 人は社会の中で 生きてるんだろうな


でも 僕の名前は たったひとつ
夫でも パパでも 上司でも 部下でもない
帰宅すれば一人 組織にいないから仕事も一人


それぞれの名前には それぞれの責任と
その責任を超えた 充足もあるんだろうな


彼は ぬいぐるみの手を持っていた
だから ちょっと 不恰好に
ぬいぐるみと 手をつないでいた


あの お菓子と ぬいぐるみに
喜ぶ子供の笑顔は
きっと 彼には 大きなエネルギーなんだろうな


ドアミラーの中で 彼は遠ざかって 小さくなっていった
ブラブラした 熊のぬいぐるみも 小さくなっていった
僕は 空っぽの車の中で ひとつだけの名前を 
大切にしようと思った


音の温度

2010-03-27 23:59:27 | 日々随想
照明を落とした 舞台袖
演奏者に うなずいて確認をして
その 大きな扉を開ける


まぶしい舞台へ
演奏者の背中を見ながら
僕は 大きな拍手を送る





調律師は 時々
ステージマネージャーを頼まれて
舞台袖で 照明やアナウンスの指揮をとる


静寂の密度が 
最高潮に高まった舞台へ
演奏者を送り


そのステージで 最初の音を出すのは
ステージマネージャーの拍手の音
聴衆の拍手を喚起させる きっかけの音


ふうん


昔は この役が嫌いだった
拍手って 心からするものだし
なんだか やらせみたいだったから


でも 今は 力強く 手を叩いてる
それは ただ 単なる きっかけの音でなくて
本気で 演奏者の出陣に エールを贈る気持ちを込めてるから


僕の拍手で 始まった 音楽の戦闘が
聴衆の体温の拍手で 終わった夜は
本当に 本当に 嬉しい


調律屋は コンサートで いろんなものを聞いている
演奏されていく音楽 調律した楽器の調べ
そして 聴衆の拍手の響き


その中で 一番 幸せな音は
体温のある 聴衆の拍手の音なんだ
その空間に 一緒にいられたことが
本当に 本当に 嬉しいんだ