昨日と今日は
東京芸術劇場で リハーサル
ここの大ホールには 立派なオルガンがある
先日 NHKの収録の時に
このオルガンを製作した工房の フランス人と
いろいろなことについて 語り合った
彼は 幼少の頃
お父さんが このオルガンの製作で
何年も 日本に行ってしまって 留守だったので
寂しかったと 話してくれた
だから 今でも このオルガンと対峙すると
「僕のお父さんを独占したヤツめ!」
と 思うそうだ
ふうん
このオルガンは
彼のお父さんが造ったから
じゃ 兄弟なんだね
そう言ったら 笑ってた
いろんな話の中で
使うモノと 残すモノについて
僕らは 同じ周波数を持っていた
いつだったか 大金持ちの日本人が ゴッホの絵を買って
「私が死んだら 棺おけに この絵も入れて欲しい」
そんな ことを のたまわったらしい
所有するということは
歴史の中で
ほんの一時期 預かるだけのことなんだ
ほんの一時期 守る役割を担っただけなんだ
後世へ 遺すべき価値のものを
歴史の 聖火リレーの一人として
繋いでゆくだけのことなんだ
これまで 大切に受け継がれてきたものを
お金と交換して 所有したからといって
その未来まで続く命までを 自由にできるものではないんだ
そして 今 作られてるものも
いずれ 過去になってゆき
同じように 敬虔に繋がれてゆく資格を持っている
消費することによって 回転している時代の中で
所有という錯覚は 時に 愚かな権威をふるってしまう
モノを造っている人たちは
造られてゆくモノが
どんなモノか 知っている
人類が 相変わらず 命を尊ぶのは
絶えることなく 命を創って 繋いでいるから
だから 命が どんなモノか 知っている
音楽の為に 造られた楽器達は
音楽がある限り 生かされてゆくべきだと思う
そして 人類がある限り 音楽は存在してゆく
古いものだけが 尊いワケではなく
その出生に 注がれた魂が存在してるモノは
同じ権利を持っていると思う
人間にとって 平等なものは ただひとつ
それは 死
そして 宇宙にとって 平等なものは 時間だけ
それは この瞬間も 必ず過去にしてくれる
僕らも いつか 昔話に登場する日がやってくるんだ 必ず
彼とは 握手をして別れて
彼の車は 雨の渋谷に 消えていった
いつか 彼がいなくなっても
彼の楽器は 音楽の為に 存在し続けることだろう
いつまでも
東京芸術劇場で リハーサル
ここの大ホールには 立派なオルガンがある
先日 NHKの収録の時に
このオルガンを製作した工房の フランス人と
いろいろなことについて 語り合った
彼は 幼少の頃
お父さんが このオルガンの製作で
何年も 日本に行ってしまって 留守だったので
寂しかったと 話してくれた
だから 今でも このオルガンと対峙すると
「僕のお父さんを独占したヤツめ!」
と 思うそうだ
ふうん
このオルガンは
彼のお父さんが造ったから
じゃ 兄弟なんだね
そう言ったら 笑ってた
いろんな話の中で
使うモノと 残すモノについて
僕らは 同じ周波数を持っていた
いつだったか 大金持ちの日本人が ゴッホの絵を買って
「私が死んだら 棺おけに この絵も入れて欲しい」
そんな ことを のたまわったらしい
所有するということは
歴史の中で
ほんの一時期 預かるだけのことなんだ
ほんの一時期 守る役割を担っただけなんだ
後世へ 遺すべき価値のものを
歴史の 聖火リレーの一人として
繋いでゆくだけのことなんだ
これまで 大切に受け継がれてきたものを
お金と交換して 所有したからといって
その未来まで続く命までを 自由にできるものではないんだ
そして 今 作られてるものも
いずれ 過去になってゆき
同じように 敬虔に繋がれてゆく資格を持っている
消費することによって 回転している時代の中で
所有という錯覚は 時に 愚かな権威をふるってしまう
モノを造っている人たちは
造られてゆくモノが
どんなモノか 知っている
人類が 相変わらず 命を尊ぶのは
絶えることなく 命を創って 繋いでいるから
だから 命が どんなモノか 知っている
音楽の為に 造られた楽器達は
音楽がある限り 生かされてゆくべきだと思う
そして 人類がある限り 音楽は存在してゆく
古いものだけが 尊いワケではなく
その出生に 注がれた魂が存在してるモノは
同じ権利を持っていると思う
人間にとって 平等なものは ただひとつ
それは 死
そして 宇宙にとって 平等なものは 時間だけ
それは この瞬間も 必ず過去にしてくれる
僕らも いつか 昔話に登場する日がやってくるんだ 必ず
彼とは 握手をして別れて
彼の車は 雨の渋谷に 消えていった
いつか 彼がいなくなっても
彼の楽器は 音楽の為に 存在し続けることだろう
いつまでも