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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

杜の境内 小さな願い

2009-04-30 19:36:50 | 日々随想
今日は 東京の最東端へ 自分の楽器を取りに行った
学生さんに 貸し出しているんだけれど
コンサートで使うから ちょっとだけ 必要になってしまった


久しぶりに会う 学生さんは 
女の子なんだけれど
髪を バッサリと切っていた!


「なんで髪を切ったの?」
『もちろん ハサミで』 と 
切り替えされそうだったので 理由は聞かなかった


僕等は 楽器を積み込んで
インド料理を たいらげて
路傍の小さな寺に ふっと足を運んだ


たくさんの絵馬には 
祈願というよりは 宣誓のようなものや
呪いの言葉 報告など 実に様々な意思がチャンポンになっていた


僕も ふと 絵馬を献納しようと思い立ち
牛の絵馬を 購入し 筆をとった
しかし・・・ 何を書けばいいのだろうか・・・


願いごとが 思いつかなかったので
「いい願い事が 思いつきますように」
その瞬間の 純粋な願望を 記してきた


 昨年 もらった 御守りの期限が切れる
 あの人と引いた オミクジは 大吉だった
 何が守られて 何が大吉だったのだろうか


今日は 新しい 御守りを 買ってくることを忘れた
オミクジを 引くこともなかった
境内には 僕の生まれた年が 本厄 と赤く書かれていた


学生さんを 上野の杜まで 送り届け
僕は 工房へ帰った 
僕は 僕の場所へ戻った

オジサンと ヤギさんと

2009-04-29 06:37:39 | 日々随想
「ヤギのなぁ エサのさぁ 草を刈ろうとしたんだけどさ・・・」


16時を過ぎた頃 作業が集中して 安定していく時間帯
隣のオジサンが 工房にやってきて 唐突に話はじめた
手には 草を刈る カマを持っている


「でもさぁ 刃が欠けちゃって 上手いこといかないんだよ・・・」


オジサンは 時々 やってくる
そして いつだって わずかにズレたコトを のたまう
初めて会う人は きまって 知的障害を勘ぐる


「それでさぁ これ どうにか出来ないかなぁ・・・」


僕は 鍵盤の作業を 中断して
オジサンの 刃が欠けたカマを 手にとって じっくりと眺める
つまり このカマを 治してくれと そういうコトらしい


『どうしたの? 石にでも ぶつけたの? 結構 ひどいコボれ方じゃん』
「うん そうだと思うんだけどさ ヤギのエサを 刈ろうと思ってさぁ」
『分かった ちょっと待ってて』


僕は グラインダーをセットして カマの刃を大きく削りだした
それから 2階に行って 荒い砥石から始めて 仕上げ砥石まで 
しっかりと刃がつくように 大胆に慎重に カマと格闘した


『たぶん これで大丈夫だよ』
「いやぁ ありがと 邪魔してゴメンネ」
オジサンは しきりに感謝と陳謝を繰り返し 弁解をして 去っていった


彼の話を ジグソーパズルのように 繋ぎ合わせてみると
どうやら 近所の幼稚園にいる ヤギのエサを 取ってきてやろうと
カマを借りたらしいのだが それを 使えなくしてしまったらしい


で さすがに 刃がコボれたままでは 返すに返せないので
隣人の工房を訪ねて 危機を脱したらしい
ふうん よかったね


2階から まだ 濡れてるカマを持って 階段を降りてきた時
オジサンは さっきと同じ場所で さっきと同じポーズで立ったまま
さっきと同じ 困惑した表情で 僕を迎えてくれた


たぶん 30分くらい かかったんだけれど
オジサンは その間 ずっと ポツネンと 
そこに立っていたんだろうな


僕は 鍵盤の作業を再開した
工房には オジサンの 煙草の匂いが かすかに漂っていた
なんだか ちょっと やわらかい気分になった


さ 今日も がんばっていこう!







夜明けのタップと ヤタガラス

2009-04-28 07:53:17 | 日々随想
昨日は 二人の友人が フラリと工房に訪れた
楽器の進捗ぶりを 冷やかして そうやって元気をくれた
僕の落ち込みぶりを 茶化して そうやって元気をくれた


作業が終わって 僕等は 街へ繰り出した
久しぶりに 三人で 杯を重ねた
アルコールが滲んでいく 心の中で 少し はしゃいだ


僕が喪失したものは 愛なんかじゃなかった
ただの 誇りや自信だったのだろう


自分に向き合う時間は 決して 裏切らない
楽器を造りながら 僕は 手足を動かして
目耳を冴えさせて 心まで新陳代謝させていく


東雲に カラスがタップを踊れば 燃えるゴミの日
屋根の上で 歌って踊れる 無名のカラスは
それでも 火曜日と 金曜日と 夜明けを知っている


   夜明け前が一番暗い


友人の 純粋で不器用な優しさの中で
手になじんだカンナが 木を削る音の中で
夜明けの予感が やってきた


カラスみたいに タップは踊れないけど
僕も 火曜日と 金曜日と 夜明けを感じよう
さ 今日も 頑張ろう!

くすぐったいほど ソクラテス

2009-04-27 08:47:58 | 日々随想
「ともかく 結婚せよ
 もし君が 良い妻を持ったなら 君は幸福になるだろう
 悪い妻を持ったならば 君は哲学者になるだろう」


ということはだ
哲学者とは 幸福でない 
ということになるのか?


今日は ソクラテスの命日


ソクラテスと キリストは
自分の著作が 何も無いのに
弟子達によって たくさんの言葉が残されてる


哲学とか 宗教とか


哲学は 死の前に ヒントをくれる
宗教は 死の後に 答えをくれる
だから 生きてる間に 答えなんて ないんだ


というのが どうやら 答えか?


さ 今日も オヒサマが笑ってる!
よっしゃ がんばるぜ! ソクラテス!





日曜日は クラムボン

2009-04-26 08:30:02 | 日々随想
家の前の道路が 静かな朝は 日曜日
雨もあがった 日曜日
時々 寝ぼけた陽射しが 雲の隙間から降りてくる


下鍵盤が なんとか 終わった
今日からは 上鍵盤に とっかかる
決戦は金曜日 いよいよ カウントダウン!


太陽があれば 少し 心も軽くなる
昨夜は 本当に やばかった
僅か 数グラムの理性が 暴走を制御してくれた


クラムボンみたいに クプクプ笑わなきゃ
さ 今日も 頑張ろう!