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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

白の中へ

2009-12-31 23:23:50 | 日々随想
午後から 工房のストーブをつけて
楽器を温めて 数時間
調律をして 梱包をして 深夜の高速へ


毎年 大晦日は 実家に帰省して
父と母と姉と 猫に会いにゆくのだけれど
今年は そうもいかなかった





明日のコンサートは 真白い街
白い響きで 新しい年を迎えられるなんて
なんだか 嬉しいな


だから 楽器にも 張り切ってもらわなきゃ


新しい楽器には 初めての冬 初めての雪
凍えないように 温めて行くからね
機嫌 損ねないでおくれよ!


今年 最後の調律は 工房で 自分の楽器
どうせ狂ってしまうのに 丁寧に 丁寧に
9時間後には 新年 最初の調律


白いスタートは
どんな1年になるだろうか
いざ 西へ



勾玉

2009-12-30 20:56:39 | 日々随想
夢は たくさん見る
覚えてるのは わずかだけど
デジャブと思えることは きっと
色褪せた 夢の記憶なんだと思う


でも 今朝 僕は ちゃんと覚えていた
いや 正確に言うと ストーリーの前後は
きちんと 記憶してないのだけれど


三つの石を 身につけろ


絵に描いたような 仙人から そう言われて
僕は 石を探す旅に出るのだけれど
夢の中では なんか別のストーリーへ沈んで行った





だから 僕は うつつの世界で
勾玉を みっつ 買ってきた


まがたまは ひとつだと 胎児の形で
ふたつだと 陰陽の形で
みっつだと 大韓航空のマークになる


アメジスト 大好きな紫
ヘマタイト 黒というか銀というか
タイガーアイ 金というか黄というか


ふうん


紫と黒と金
あの仙人は きっと 僕の潜在意識が創り出した偽者で
結局 僕のセンスが ただ 形と色になっただけだった


でも 僕が 今日 初めて知ったことも語っていた
紫は 2月の誕生石 その人と出逢え と…
確かに 調べてみたら アメジストは2月の誕生石だった


ま 生まれて初めて 首飾りをしてみて
まあ ちょっとだけ 土人になった気分さ
勾玉は 形も響きも とても好きだし


来年は 自分の潜在意識と つきあってみようと思う
…2月生まれか   …はぁ

小さな沙汰

2009-12-29 22:50:13 | 日々随想
レコーディングが終わって
2月の終わりには 出来上がる
そんなメールが来た


ふうん


あの曲 本当にCDになるんだ
歌詞を送って その後 メロディーの確認の為に
ギターで弾き語りしたMDを送って それきりだった





彼女は 澄んだソプラノなのだけれど
しゃべる声は 低くて
そのアンバランスさが とても素敵だった


どんなアレンジになったのか
とっても気になっていた
曲は アレンジで イメージが大きく変わるからね


なんだか 秋には入院したりしてたらしい
そうか 大変だったんだ
でも いいCDになってれば 嬉しいな


メールの中の 少ない言葉の中に
それでも ときめいてる匂いがした
よし! 発売されたら 思いきり 援護射撃してあげよ

空が広すぎる車窓

2009-12-28 17:46:49 | 日々随想
高速料金よりも
電車の方が 交通費が安いから
今日は 早起きして 電車で北へ向かった


大宮を過ぎて しばらくすると
すっかり 空が広くなって
刈取が終わった田畑は ミレーの世界


いつもなら 電車の中は 本を読むのだけれど
今日ばかりは 窓の外を 飽きることなく眺めていた
宇都宮で乗換えて 更に北へ





ピアノの上に座った おとなしい猫を眺めながら
調律できるなんて なんだか幸せだった
シッポの振りに 唸りを数え間違いそうになったけど


帰りに 無農薬の野菜を たくさんいただいた
白菜 大根 キャベツ
調律鞄より 重たいお土産は 嬉しさまでギッシリ


こういう環境で 育っていたら
様々な価値観が 違っていただろうな


もう 冬休みなのかな
電車の中に乗ってきた 学生達の笑顔は
本当に キラキラしていた





音痴な縦と横

2009-12-27 20:51:10 | 日々随想
9時にホールに到着
今日は オルガンの調律師と 時間を分け合って
先に 僕が調律を始めた


オルガンの調律が始まると
僕は 朝飯を買いに駅前へ


ファーストフードで 朝食セットを抱えて
ロビーで 本を読みながら 
ハンバーガーを 食べ始めた頃





「おはよ」
彼女は 突然 懐かしい笑顔で 隣に座ってきた
『あ おはよ』
僕は 本を閉じて ちょっとだけ たじろいだ


「元気だった?」
『うん それしか取柄ないからね… そっちは?』
「うん 元気だよ! まだフットサルやってるの?」


そっか 彼女は 今 僕がサッカーをやる前
フットサルをやってる頃しか 知らないんだ
そっか そんなに時間は 流れたんだ


そんな話を 普通に やりとりしていた


『あの子犬 元気? 何歳になった?』
「うん元気だよ もう7歳かなー」
『ふうん』


『まだ ヨガ 続けてるの?』
「先生が変わっちゃったから やめちゃった」
『ふうん』


『ドラムは?』
「あ 聞いてよ! 5月の発表会の時 16ビートに挑戦したんだよ!」
『マジ? 凄いじゃん!』


高校 専門学校と 僕は バンドでドラムを叩いていた
だから ドラムの話は 二人の少ない共通のテーマだった


でも 僕は ギターや鍵盤に比べると
一番最初に 諦めたのが ドラムだった
あまりに 自分がリズム音痴だったから


歌っても 音程が音痴で
刻んでも リズムが音痴で
僕は 縦も横も 音痴なことを十代で悟ったんだ


『そろそろ リハ 始まるんじゃん?』
「あ 本当だ! 行かなきゃ!」
そう言いながら 彼女は 慌ててホールへ走っていった


バックステージで 僕は コンサートを聞いていた
チェンバロの調律は ほとんど狂わなかった
ただ 器楽も合唱も 縦と横が音痴なコンサートだった


でも 音楽は それでも大丈夫な時が たくさんある


魂の縦と横と 音痴な僕は
結局 関わる人と 長く一緒に いられない
楽器を積み込んで 挨拶もしないで エンジンをかけた