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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

新しい夕陽へ ガタンゴトン

2010-04-26 17:18:10 | 旅々愁想
たくさんの楽器に会って
たくさん まぐわった
仲良くなれたり なれなかったり


たくさんの人に会って
たくさん 喋った
笑いあえたり あえなかったり


変わりゆく 日々の中で
自分が思っていたより
しっかりと耐えることが 多かった気がする


特に 最後の三日間は
僕の 貧弱な記憶力でも
きっと いつまでも残る耐力だった


久しぶりに 韓国からの帰国が
とても さわやかに疲れているんだ
また行こうと 思ってるんだ


パソコンのキーを叩くと
いつもと違った違和感
うん ツメが伸びて カチカチ カチカチ


この12日の間も
僕の体は 成長していたんだ
ほんの僅かづつなんだけれど


次のコンサートは 10月
帰国前に オファーをもらった
それから 7月にはセミナー


流されていた この1年
新しい楽器も ドデカゴンも 完成させたんだけれど
自分の中では どこにも立っていられない不安があった


久しぶりに 限界と対峙して
なんとか 乗り越えて
僕は ようやく 自分の足で立つことを思い出したんだ


スカイライナーの車窓には
出国する時の どんよりとした景色でなく
鮮やかな景色が 反対方向に流れてゆく


耐えることによって 得られるモノは
耐えずに 失っていったモノよりも
少ないけれど 尊い


韓国出張が 僕の中で
初めて 日常のひとつになった
そんな旅だった

見上げる雲と 見下ろす雲と

2010-04-26 07:44:57 | 旅々愁想
朝から ボンヤリ
見上げれば 空は 曇ってる
きっと 雨かな


感動的な結末で終わった小説
楽器を蘇生させて
熱い演奏会になって


仲の悪かった 意地悪おじさんとは
最後に握手して 別れるくらい
仲良くなったりして


やれることは 全部 やりつくして
だから 完全燃焼できて
そして その反動が グラリ ボンヤリ


ふうん


雲の上は いつだって 晴れている
でも 晴れてるだけじゃ 生きてゆけないから
どんよりしたり 雨に会えたり


さ カバンをまとめて 帰ろ
ようやく 春楽章が始まるんだ
真っ白い 雲の海を見下ろした後から

ルビコン川を越えようか

2010-04-24 22:21:14 | 旅々愁想
「だいぶ 怒ってるね」
『うん 去年の夏も あの野郎に邪魔されたんだ』
「で どうだったの?」
『うん なんとかなった』


「こんがらがってない?」
『大丈夫 もう ほどけたから』
「怒りは 重心を見失わせるからね」
『あの野郎は無視するに限る 僕は楽器をどうにかしないと』


「出来るのかい?」
『やるしかないでしょ その為に ここまで来たんだから』
「ふうん」


かろうじてベター
それは 出来うるベストを尽くした後に
もしかしたら やってきてくれる ラッキーでしかない


ホール専属の 舞台チーフは
去年の夏だって いばりくさったあげく
事前に伝えた温度維持を 勝手に無視して
照明も エアコンも チェンバロを苛める暴君に豹変させていた


ただ 怒りを 1本1本 ほどいていくと
彼のようなタイプは ある意味ちょろい
物理的な回し蹴りより
心理的なジャブの方が 効果が出るはず


残された時間は 3時間
ソロリハ前 デュオリハ前 本番前


調律という弦の状態の前に
弦へ働きかける ジャックを何とかしないと


「出来ないことが存在する訳じゃないんだ」
『というと?』
「出来るとか出来ないとか考える人間が 存在するだけなんだ」
『ふうん それでも やれることを やるしかない』


ポラ君は 紫の猫
でも 瞳は緑色
音楽という光を見つめて
光合成をするらしい


ふうん

3小節の全休符

2010-04-24 11:30:57 | 旅々愁想
朝も ハヨから
本番楽器のメンテと調律
10時半に演奏者が来て リハーサル


隣の駅だったから 
いったん 宿舎に帰って
午後は ホールに楽器を移動して リハーサル


最初の予定では
今日は テジョンに出張だったんだ
でも 調律師協会の運動会があるっていうから


テジョンは 水曜日に変えてもらった


結局 運動会には行けなかったんだけど
出張を水曜日に変更したことは
本当によかった


来年は 運動会に行きたいなー
それまでに 体力 回復しなきゃだな
サッカーとか リレーがあるって 言ってたし


今日は よく晴れていて 暖かい
もっと 楽器と仲良くなって
明日のコンサート うまく行くといいな


晴れたまま 帰国できるといいな

あの角を曲がれば

2010-04-23 23:01:28 | 旅々愁想
午前は ハニャン大学でメンテ
ユン先輩や ウンギョンに会えて
嬉しい時間でしたが・・・ 時間が足りなくて・・・


ウンギョンは 02年に訪韓した時 知り合って
当時は この大学の学生だったんだけれど
卒業して ケルンに留学して 帰国して
なんと この大学の 副科の先生になってました!


おめでとーーー!


そして 5月の甲府のコンクールに来日するそうです!
ナヌ? 僕も行くよ! 
仕事じゃなくて ドデカゴンの行商なんだけど・・・


そんな訳で 1時間近く遅れて 午後の仕事へ
タクシーの中で いただいたサンドイッチを
ほおばりながら・・・ と そこへ電話が・・・


「アモス君 ヨン様が やっぱり日本の調律師と電話したって 言ってるけど」
『は? いや それ僕じゃないですよ 他にも誰か来てるのかな?』
「今 隣にいるから 電話かわるね!」


日本から来たチェンバリストが
本日 今回のコンサートのマネージャーの ヨン様に
ようやく会えたらしいんだけれど


なんだか メールでも 日本人の調律師と電話した って書いてあって
昨夜の食事から 何がどうなってるのか
さっぱり 分からなくて これってミステリー? と ちょっとブルブル


で 電話に出た韓国人のヨン様に
「あなたは 私と 電話で話したことありますか?」
『いいえ』


ふうん


本当は 芥川賞候補になりえる
純文学なシナリオに なればいいねって 話していたのに
ますます ただのミステリーになっていく・・・


これじゃ 直木賞な結末にもならんわい


現場に到着してしまったので
とりあえず また電話することにして
ちょっとカビがはえたチェンバロをメンテ・・・


この時すでに18時
サイレントな携帯には メールが来ていて
最初の作戦は成功したらしい・・・


つまるところ
何としても ゴネて
本番で使う楽器を 今日中に見に行けと


どうやら 本番のチェンバロにも遭遇したのだけれど
これから リハーサルをやるから・・・
了解! 電話して 初めて会うチェンバリストの家へ 


21時半に 全て終了し 
担当者と 演奏者と 一緒に食事へ・・・
打ち合わせを兼ねていたので 辞退することも出来ず・・・


凄く 凄く 不思議なテーブルでした・・・


イタリア人と日本人は イタリア語で
その二人と 韓国人は 英語で
僕は イタリア人以外と 韓国語と日本語で


日本人同士では 韓国人へ探りを入れるべく依頼があり
韓国人からは 日本人へ探りを入れるべく依頼があり
生まれて初めて 二重スパイになれた気分でした!


でも とにかく安堵してます
飛行機が 飛べないかもしれない欧州から 演奏者が到着して
本番の楽器に出逢えて メンテの方向も見えて


あとは 明日の 午前と午後のリハーサル
そして 明後日のコンサートで
みんなが ベストなコンディションで臨めれば・・・


ようやく ミステリーでなく
芥川賞な結末を・・・


ここまで書いて ふと気づいたんだけれど
この文体って このブログの書き方じゃないよね
なんだか 紫の時代と交錯してる・・・


ふうん