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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

紫のカフェイン

2010-02-13 03:57:51 | 紫々猫想
夜更かしには 理由がある
眠れずに 過ぎてゆく夜と
眠ってはならない夜と


ふうん





結局 生還という色の帰宅は
27時を回ってしまって


割増のタクシーすら消え
新聞配達のバイクと伴走しながら 
ぼんやりとした丑三時


こんな生活じゃ やっぱり ネコなんか飼えない
22時間も 家を空けてるようじゃ
2回の食事を おあずけしたことになる


ルームミラーの上の
紫のネコは 真っ暗で見えないし
信号も外灯も 逆光になっていて


たいくつだったから
話しかけてみた


「君は 何を食べてるんだい?」
『アンタの無事さ』
「無事? それじゃ 僕は危険になっちまう」


『違うさ 無事がオイラのゴハンなんだ』
「ふうん 今日のゴハンは おいしいかい?」
『ちょっと しょっぱいな』
「しょっぱい?」


『ああ 干からびた無事だと こんな味になるんだ』
「仕方ないじゃん」
『不味いけど 餓死するよりは マシさ』


「君は 眠くならないのかい?」
『オイラは 一生に一度しか 眠らないんだ』
「ふうん」


僕は きっと 
ポラ君の寝顔を見ることは 無いだろう
だって 彼が眠る時は きっと餓死する時
それは 僕が無事でない時だから


どうやら 僕は
紫のカフェインと
出逢ってしまったようだ





1/∞=0

2010-02-12 05:07:40 | 日々随想
早起きには 理由がある
早く起きてしまった時と
早く起きなければいけない時と


ふうん





これから 横浜へ
夜のコンサートが終わったら
宇都宮まで 楽器を運んで


帰宅するのは
26時を過ぎるだろう


調律屋なんて
調律してる時間より
移動してる時間と 待機してる時間の方が長い


分子は 調律時間
分母は 実労時間
僕の仕事は 数学的には ほとんど無


では いざ 出陣!

琥珀のトレモロ

2010-02-11 22:33:48 | 日々随想
度数の高い 琥珀をあおれば
引力に忠実な 焼ける液体が
内臓の位置を 正確に教えてくれる





減衰の早い楽器は
トレモロによって
音を伸ばすことに 成功している


ふうん


でもね
トレモロには いちいち 子音が伴う
はじかれたり たたかれる 弦の音は
母音だけで 減衰の輪郭が描かれるんだ


伸びながら消えていくものと
必死に 細かく繰り返されるもの
それは まるで 白鳥の上と下


音の長さに 意味があるのは
音楽が 時間の芸術だから


時間というキャンパスの中で
色も 面積も 曲線も


トレモロは 浮世絵のよう
いちいち 黒いふちどりをして
鮮明にされた輪郭は リアリティーより
構図のコントラストが 印象を強くする


琥珀の媚薬に チェイサーはいらない
昂ぶって 静まって
そんなトレモロを 繰り返す


あ また
僕の中で 転調した
どうやら 僕の魂は とても減衰が早いようだ

月にだって行けるけど

2010-02-10 22:32:44 | 日々随想
車が ビニールの音をたててゆく
ああ 雨が降ってるんだ
屋根には 足音を残さない 静かな夜





本当は 嬉しいんだ
長い時間と 新陳代謝してゆくアイデアを
思い切り ぶつけたドデカゴン


でも 僕にとって
新しいことは
いつだって すぐに 古くなってゆくから


それでも 嬉しいんだ
ほとんど 終わった
後は 解説を書いて もう一度 表紙のデザイン


出来上がったら きっと
僕は 今のような 気持ちになれない
いつだって
「もしかしたら 終わる」 そこにときめくから


たくさんの人に 力を借りた
何も 恩返しができないのだけれど


17日は 両親の結婚記念日


だから それまでに 
全てを終わらせて
二人に捧げたい


僕が 生きているということ
それから 今でも
二人が 生きているということ


いつだって 当たり前みたいに 思ってるけど
本当は そうじゃないことも 知ってる
だから けっこう 毎日 頑張れた


ミトコンドリアみたい


知ってる人にとっては
その価値を 十分 解ってもらえるけど
知らない人には 何の価値もない


そんな ドデカゴン


ようやく 屋根に 雨の音がしてきた
明日は 北へ行くけど 雪になるのかな
インテンポを知らない 雨のリズムを聞きながら
今夜も もう少し 頑張ろう


つかれきって ベッドに入って
夢を見れば 君に逢える
いつか 君は 本当に 現れるかも知れない…

パイランの中のセシリア

2010-02-09 23:55:19 | 日々随想
僕は 左ききの人に弱い





数年前 フットサルで右手首を骨折した
調律屋なのに 右手が使えなくなった
だから 自分でギブスを作って 左手で生活を始めた


でも 僕の左手は
僕の想像以上に 不器用だった
歯も磨けなければ ハシも持てなかった


左ききの人が
頑張って 右で生活できるように
努力してるのは 凄いことだと 初めて知った


ちなみに 父は
左ききである
おまけに AB型である


パソコンだと 右手も左手も
平等な感じだけれど
この配列は タイプライター


韓国語だと 左手は子音 右手は母音
だから ハングルは日本語より
把握するのは 簡単


ま それどころじゃない日々なんだけどさ