夜更かしには 理由がある
眠れずに 過ぎてゆく夜と
眠ってはならない夜と
ふうん
結局 生還という色の帰宅は
27時を回ってしまって
割増のタクシーすら消え
新聞配達のバイクと伴走しながら
ぼんやりとした丑三時
こんな生活じゃ やっぱり ネコなんか飼えない
22時間も 家を空けてるようじゃ
2回の食事を おあずけしたことになる
ルームミラーの上の
紫のネコは 真っ暗で見えないし
信号も外灯も 逆光になっていて
たいくつだったから
話しかけてみた
「君は 何を食べてるんだい?」
『アンタの無事さ』
「無事? それじゃ 僕は危険になっちまう」
『違うさ 無事がオイラのゴハンなんだ』
「ふうん 今日のゴハンは おいしいかい?」
『ちょっと しょっぱいな』
「しょっぱい?」
『ああ 干からびた無事だと こんな味になるんだ』
「仕方ないじゃん」
『不味いけど 餓死するよりは マシさ』
「君は 眠くならないのかい?」
『オイラは 一生に一度しか 眠らないんだ』
「ふうん」
僕は きっと
ポラ君の寝顔を見ることは 無いだろう
だって 彼が眠る時は きっと餓死する時
それは 僕が無事でない時だから
どうやら 僕は
紫のカフェインと
出逢ってしまったようだ
眠れずに 過ぎてゆく夜と
眠ってはならない夜と
ふうん
結局 生還という色の帰宅は
27時を回ってしまって
割増のタクシーすら消え
新聞配達のバイクと伴走しながら
ぼんやりとした丑三時
こんな生活じゃ やっぱり ネコなんか飼えない
22時間も 家を空けてるようじゃ
2回の食事を おあずけしたことになる
ルームミラーの上の
紫のネコは 真っ暗で見えないし
信号も外灯も 逆光になっていて
たいくつだったから
話しかけてみた
「君は 何を食べてるんだい?」
『アンタの無事さ』
「無事? それじゃ 僕は危険になっちまう」
『違うさ 無事がオイラのゴハンなんだ』
「ふうん 今日のゴハンは おいしいかい?」
『ちょっと しょっぱいな』
「しょっぱい?」
『ああ 干からびた無事だと こんな味になるんだ』
「仕方ないじゃん」
『不味いけど 餓死するよりは マシさ』
「君は 眠くならないのかい?」
『オイラは 一生に一度しか 眠らないんだ』
「ふうん」
僕は きっと
ポラ君の寝顔を見ることは 無いだろう
だって 彼が眠る時は きっと餓死する時
それは 僕が無事でない時だから
どうやら 僕は
紫のカフェインと
出逢ってしまったようだ