goo blog サービス終了のお知らせ 

ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

会いたくない人に逢った朝

2009-07-26 22:24:40 | 日々随想
覚醒している時と
夢を見ている時と
別々の脳を 使っているのだろうか


夢の中から いきなり現に戻ると
とてつもなく 違和感の世界にいたことに 
呆然とするのだけれど


さっきまでの 夢の世界では
それぞれが ごく 当然のように思って
順応して生きていたりする


テレビがあった頃は
夜 見た テレビの影響を受けた夢を
見ていた記憶がある


最近は 映画とか 本とか


ということは
当然 現の記憶力が 影響してるはずなのだが
あまりに 荒唐無稽過ぎて 自分の脳や心理まで 疑ってしまう


登場人物なんて ハチャメチャだ
僕は 以前 ロナウジーニョと 
韓国語で 会話していたことさえある


10年以上住んでいる この家が
夢の中に出てきたことは 一度もない
何故か いつも 知らない家に 違和感なく 住んでいる


夢の中の 記憶力と 発想力が 自在に使えたら
チャップリンや ピカソを 簡単に超越するくらいの
芸術家に なれると思うのに …残念でならない

僕は時々 楽器の歩哨 

2009-07-25 22:32:30 | 日々随想
ホール主催の オープンハウス
おろしたての夏休みを着込んで
親子連れが ホールのあちこちを 探偵ごっこ


コンサートだって ごっちゃごちゃ
笑顔の細部の疲労は顕著
それでも ステージに立てば 音楽家


ステージ裏は 探偵親子にとって 興味深深
温度差がありすぎる 舞台裏で 
僕は 時間がある限り 調律 調律


親の関心 向こうを見てれば
子供は 音の鳴る方へ
僕の睨みを 笑顔でかわして
勝手に楽器の内部をいじる


「あ そこは いじらないでね」
僕の注意で 親が振り向き
『○○ちゃん おじさんに怒られるから こっち いらっしゃい!』


それって ちょっと 違ってるよね


それでも 作った笑顔で調律
どうしても 聞き分けの無い子供には
上着を ゆっくりと脱いで 
ピッチリシャツに 力こぶ作って ニヤと笑って


僕は時々 楽器の歩哨
にらむより 笑う方が どうやら 怖いらしい
もっと近寄って 悪さしてくれたら
尖った靴先で 迷わず カンチョウしてやる!

僕だけ開けた 玉手箱

2009-07-24 23:36:04 | 日々随想
必ずしも 好きになった人が
好みの顔だとは 限らないんだけど
好みの顔の人には 無条件で 好意を抱く


音大で仕事をしている時
とても 憧れた学生がいた
たぶん 顔が 好みだったのだろう


今 振り返れば
どうして その人の名前を記憶しているのか
よく 分からないんだけれど 何故か覚えている


あれから 20年近く 時間が過ぎて
リハーサルで その人に会った
不思議なくらい その人は 昔のままの笑顔だった


その人の弾く ヴァイオリンは
あの頃より 自由と力が 
しなやかな翼のように 宿っていた


こんなふうに 同じ現場で
一緒に仕事をする日が来るなんて
あの頃は 考えもしなかった


不思議な気分
僕だけ 浦島太郎


ちょっとだけ ふぅ って気分で
それ以外は 微妙に ザワザワして
視線を逸らしたまま 耳だけダンボ


いろいろ 舞台を手伝っていたら その人は ペコリと言った
「すいません 調律の方に ここまで やっていただいて」
僕は 泳いだ視線のまま 軽く会釈するのが精一杯


ふうん
そういう声だったんだ
ふうん そうなんだ


明日は ちゃんと 挨拶をしよう
たぶん 無理だけど

虹の円周率

2009-07-23 18:52:57 | 日々随想
関越道を南へ
晴れているのに
雨とワイパーが大喧嘩


行く手に 大きな虹


澄ましている透明だって
プリズムをあてれば
あんなに 複雑な多重人格


でも 光はいいさ
反射で見える色は 
混ぜ合わせれば 真っ黒になっちまう


そびえる虹 等比数列な弧
半径は どれくらい あるのだろう
円周率は やっぱり 3.14にするべきだろうか


だんだん 虹が大きくなって
だんだん 薄くなって
ついには 消えてしまった


あれ もしかして
虹の中に 入れたのかな?
いつだって 逃げてくばっかりの
虹の中に 入れたのかな?


せっかくだから
そう思うことにした

千曲川旅情

2009-07-22 17:45:39 | 日々随想
関越道を北へ 
途中のサービスエリアで
人々は 天を見上げて 大騒ぎ


きれいな 三日月みたい
月食された みかんな太陽


長野道を西へ
懐古園のある小諸
オヤキのおいしい小諸


おふくろの故郷 上田の隣
ばあちゃんが 施設から脱走して
文字通り 野たれ死にした 小諸


音楽が 好きになったのは
おふくろが いつも 歌っていたから
子供の頃から 音楽が身近にあった


千曲川旅情


僕は この歌が歌える
おふくろが口ずさんでいたから
この陰影に富むメロディーを 知っている


小学生の頃 ばあちゃん家がある長野県は
とてつもなく 遠く思えたものだ
高速がなかったから 碓氷峠を 
車は あえぎながら 走っていた あの夏休み


でも 大人になって
様々なサイズは 変わっていった


ばあちゃん 聴こえるかい?
僕が作った 楽器の音が
千曲川の傍で 歌ってる 楽器の音が


ばあちゃん ありがと
おふくろを 産んでくれて