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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

紫のシンフォニー

2009-07-13 19:34:06 | 日々随想
遅すぎる 夜の終わりなのか
早すぎる 朝の始まりなのか
そんな 東雲 午前4時


開けっ放しの窓から
ヒグラシのカノンが 
飛び込んできた


もう そんな季節なんだ


一番 好きな音
一番 好きな声
一番 好きな歌


石の建築 西洋の室内は
残響が長いから 
ハーモニーが生まれたらしい


木と紙の建築 この日本では
残響が無いから
点と点の線な音楽 そして斉唱


でも 不思議なんだ


人間の音がしない 紫の時間
天井も壁もない 近くの小さな森の ヒグラシ達の歌は
たっぷりの残響に満ちている


まるで 奥行きのある空間のよう
メッサ・ディ・ヴォーチェ リタルダンド 
クレッシェンド  ディミヌエンド


ヒグラシ達の シンフォニー
指揮者は きっと 紫の神様
僕は もう一度 目を閉じた


雨とか 朝露とか 
濡れた林は 淋しいのかも知れないけど
僕は 午前4時だけ S席の聴衆になれる



「♂」