花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

オオバコ(大葉子・車前草)

2009年10月13日 | 草花・植物

★。.:*:・'゜☆。.:*:・'  オオバコ(大葉子)・シャゼンソウ(車前草)  オオバコ科オオバコ属 ★。.:*:・'゜☆。.:*:・'


「オオバコ(大葉子」」の名前の由来といえば、まず「大葉」から、「しその葉」を思いつく。実の付き方が、よく似ているが、「オオバ」の名前は古くは使われていない。やはり、道端などに生える野草の中でも葉が大きく目立つことから、オオバの名がつき、日本全国どこにでもあるので、ドジョウっこ、ふなっこのような、「コ」が付いて、オオバコの名になったという説が有力。俳句の季語では「者前草」と表記するが、これは、車(馬車や、牛車)の通る道端に、たくさん繁茂していることから付いた。種子から出る粘液が動物や人間の足、車などに付着して、どんどん運ばれいたるところに繁殖してしまう。


ヘラオオバコ2007.6.28仙台市             オオバコ2009.9.10仙台市         公園のオオバコ2009.10.8仙台市


オオバコの方言は多く、オンバコ、カエルバ、ミチボウキ、オバコ、ギャーロッパ、カエロッパ、ゲェーロッパ、マルバ、マルコバ、テリコバ、オンバク・オンバ・・オンバツノハ・オンバッコ・オバコグサ・オンバン・アンバツ・アンバン・ウンバツ・ウンバグサ・ウンバノハ、ガイロッパ・カイツルバ、ツンベ、スモトリグサ、メンバツクサ、などがある。これほど多くの地方名を持つ植物も珍しいのではないかと思う。

葉をよくもんで、葉柄の元から息を吹き込むと葉がふくれ、カエルの形になることから、「カエル」に由来するものもある。

《踏み跡植物》車や人に踏まれるような場所でよく育つ植物のこと。オオバコ、ヤハズソウ、シバなど。
★エゾオオバコ(蝦夷大葉子):北海道に多く自生があることに由来する。全体に白色の軟毛が密生する。(本州日本海側にも)
★ヘラオオバコ((箆大葉子):葉の形が細長くヘラの形をしている。外来種。
★ツボミオオバコ(蕾大葉子):花が開かず、つぼみのまま。
★トウオオバコ(唐大葉子):「唐」は中国を意味するものではなく、単位「大葉子」に比べて大型で「異国風」であることから。海岸に自生する。
※ミズオオバ(水車前)  :葉はオオバコによく似ているが、水の中に生育しトチカガミ科ミズオオバコ属で、花は異なる。

《薬草》 草車前子(種子)、車前草(全草)といい、葉を利尿に、種子を鎮咳・去痰に用いる。http://www.e-yakusou.com/yakusou/072.htm
家紋としての「オオバコ」は花と葉をデザインしたもので、医家で用いられているくらいなので、薬効は確かなものがあるのだと思う。

《民間薬》 種子を咳止め、葉は温めて傷の貼り薬として使われてきた。

《山菜》葉を天ぷら、炒め物、あえ物に。暖地では1年中採集可。揚げ物にするときは、葉が膨らんで油がはねるので注意。

《大葉子相撲》花茎を引っ張り合って強さを競う相撲。「スモトリグサ」の由来。

《俳句の季語》
大葉子・大葉子の花は盛夏
大葉子の実は秋の季語。盛夏、「車前草」表記し、「オオバコ」

      車前草 今年つとめて 日焼けたり  林火