Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

タンホイザーから「巡礼の合唱」

2018-07-07 21:00:46 | Weblog

 8月5日グランシップで行われる「音楽の広場」で、ワーグナーのオペラ タンホイザーの中で歌う「巡礼の合唱」を合唱する。これはドイツ語で男声四部合唱部分を歌い私のパートはセカンドテナーである。旋律も覚えられないのに中世音はなお更難しい。現在CDを聞いているが、言葉の意味も分からず苦しんでいる。本番まであと一ケ月を切ったことからも少し焦っている。そこで言葉の意味と、この合唱がオペラ タンホイザーのどのような場面で歌われたのか調べた。

 歌劇タンホイザーは、13世紀初頭のヴァルトブルグ城を舞台にした、官能と快楽の世界に溺れた中世の騎士タンホイザーの波乱に満ちた人生を描いたオペラで、最終章の第3幕で出てくるのがこの「巡礼者の合唱」である。オペラの概要は ≪官能と快楽の世界から抜けられないタンホイザーに対し領主ヘルマンは、罪を償い許しを請うためローマ教皇へのもと行くよう命じる。時が経ち、ローマから帰る巡礼者の中にタンホイザーを見つけられないことを知った恋人エリーザベトは、友人ヴォルフラムの静止を振り切って自害する。その後ヴォルフラムのもとにタンホイザーが帰ってきて、ローマで許しを得られなかったことを告げ自暴自棄になっていく。そこにエリーザベトの棺が運ば込まれ、彼女の死を知って絶望したタンホイザーはそこで息絶えるが、ここで彼の魂は救済された。エリーザベトの死が彼の魂を救ったのだ≫

 この場面で歌われたのが「巡礼の合唱」で、ローマから帰ってきた巡礼者たちが荘厳な歌を響かせる。日本訳は『  故郷よ、喜びもて我が汝を見る  移くいい草原に、嬉しく挨拶を送る  神に仕えて巡礼を終えし今 旅の杖に休息を与えん// 懺悔と悔恨により、我が心捧げし主の許しを得たり 主は、我が悔悟に恩寵を与えたり 我が歌は、主のために響く 主のために響く//  恩寵の救済は、懺悔者に与えられたり 彼はいつの日か、天国に行く 地獄と死とは、彼を怖れにあらず 故に、我が命の限りに神を讃えん//』とあった。文語調で分かりにくいが歌の趣旨は概ね理解できた。

 ワーグナーのオペラは、長くて難解のものが多いので、なかなか取っつきにくいと思っていたがこのタンホイザーは、その中でもわかりやすい作品であるように思う。イタリアオペラのようなドラスチックな描き方ではないが、ワーグナーのオペラは、重厚さと荘厳さの中で「愛」「死」「救済」を表現していると云う。これはベートーヴェンの作品と共通しているように思った。

 


最新の画像もっと見る