Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

宵待草の花

2008-06-17 21:12:17 | Weblog
 庭には宵待草が群生している。丁度この時期は夕方から朝開けにかけ黄色の一重の5~6cmほどの花を付ける。今の時期では丁度午後6時ごろか、日が落ちる頃合いを見て真黄色の花が咲きはじめる。それは少し大きくなった蕾から黄色な花びらが出てきて20分ほどかけて開ききる。あたかも、蜻蛉か蝉が羽化する時のようにゆっくりと開く。全ての宵待草が同時にゆっくりと開いてくる。そして60から80個の花が一斉に咲く。蛍光色を感じさせるような黄色の花が闇夜に浮かぶ。 このように美しい花が夜しか咲かないことがもったいない様な気がする。
 丁度1mほど離れた所に夜光灯があり、その光の中で咲く宵待草は何ともいえない風情がある。
 庭に群生していると言ったが、昨年までは何の花かも判らず雑草として扱っていた。だから大部分は抜いてしまった。しかし日本の歌曲「宵待草」をある事情から調べることになり、いろいろのことが分った。
 宵待草という花の名はなく、北アメリカ原産で「マツヨイ草」がある。「この花は夏の夕方開花 黄色花で直径5cmほどの花を咲かす。花が終わったあとはくしゃくしゃ状態の赤っぽい色となる」とある。まさに宵待草と同じである。
 きっと「宵待草」の作詞者である竹久夢二がマツヨイ草では、詩情としてしっくり来なかったので宵待草としたのではないかと思った。
 そのことを知って、抜くことなくそのままにしておいた。野生化した花であり、生命力が強い花である。今年も自然に育ってたくさんの花を付けた。
 この花の命は一晩だけである。太陽が上がると赤みをおびて萎んでしまい、次の日には自然に落花する。それでも毎日たくさんの黄色い花を付ける。
 この時期の花は紫陽花、百合、金魚草、グラジョラスと言った大輪の花とか、色彩豊かな花が咲く、そうした中で夜のみ咲く宵待草に何故か愛着を感ずる。そして朝起きるとその花がいくつ咲いたか数えるのが楽しみになる。誰からもこの花の美しさを愛でることもないが、それでも夜の間だけ咲く花に健気さを感ずる。  
 宵待草は与えられた環境の中で一生懸命に生きている。その姿に人の生き方を見ているような感覚になる。

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