夜が明け、窓越しに外を見ると青空が広がっていた。しかし俯瞰してみる富良野の町は雲海の中にあり幻想的空間が広がっていた。この雲海も出発するころには消え、すがすがしい天気になっていた。今日の行程は美瑛:青い池を見てから、大雪山 旭岳姿見の池周辺を散策する。そして高速道路を通って札幌近くの北広島グラッセホテルに帰る行程である。バスは8時30分出発したが、今日はこの旅行のメインである旭岳散策の日である。晴天の青空のなか最初の観光地「青い池」に向かった。この池は十勝岳中腹を源とする硫黄沢川からアルミニウムを含んだ水が、美瑛川の水と混ざると発生する青さで、本来は砂防用にできた溜り池であったとのこと。しかし、池の青さが有名になり観光地化したものである。しかしこの青さも数日前までは台風の影響で、泥水となっていたようだが今は本来の青さに戻っていた。
そこからバスで揺られ、ナナカマドの並木を通って旭岳ふもとのロープウエー乗り場に着いた。ここから101人乗りのロープウエーに乗り姿見駅に向かった。ここから見る紅葉は今が一番の見どころなのか、赤や黄色の紅葉が広がっていた。降りるとすぐ先が頂上のように思えたがこのツアーではそこまでは入っていなかった。着いたところは高低差100mほど登ったところの「姿見の池」までの散策を楽しんだ。約2km程ある高山植物が自生する山道を歩き「姿見の池」に出た。ここから頂上までは2時間ほどで行けると云った。しかしここからの展望でも旭岳が北海道の中心にそびえ島全体を形造っていることが分かる。いつか頂上に立ちたい願望にかられた。
そのまま帰りのロープウエーに乗り旭川に入った。ここは北海道第2の都市で35万人を有する広い平野に思えたが、ここは北海道開拓の拠点で屯田兵が切り開いた土地である。彼らは過酷な状況の中でこの地に果てた人達のことを思った。ここから高速道路を通って札幌に出た。札幌ドームを視野に入れながらバスガイドの話を聞いた。『明治の初期北海道農学校に赴任したクラーク博士は約1年未満の赴任であったが、生徒達に大きな感銘を与えた。そしてアメリカに帰るとき室蘭港から船に乗るため馬車は札幌から北広島に入ったところで、クラークは生徒たちにここまでの見送りでよいので帰りなさいと促した。しかし生徒たちは室蘭港で見送ることを願った。クラークは生徒をさとしここで別れた。その時クラークの有名な言葉「boys be ambitious 大志を抱け」を言い残した』とのことであった。
そんな話を聞いていると、今夜の宿北広島温泉のクラッセホテルに着いた。ここのホテルも山の上にあり20階ほどの高層ホテルであった。この5階の部屋に泊まった。部屋から眺めると、ゴルフ場が併設され広大な森林の中に建っていた。ここの浴場も薬草の匂いがするヌルヌルした湯質であった。