もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「三度目の殺人」

2017-10-14 23:16:51 | 映画
2017.10.13

是枝作品で気持ちがこんなに重くなったのは初めて。

殺人の前科がある男が雇われていた会社の社長を殺した。
クビになった、金が欲しかった
そんな動機を語るが方法は
河原で撲殺し火をつけるという残虐さだ。

同僚が持て余したその三隅の案件を引き受けた重盛。
犯行を認めているのなら死刑だが、減刑を勝ち取るテクニックを使おうと言うクールさ。
弁護士という仕事に熱心ではあるが矜持がある風でもなく
真実を知ることは弁護に必要ではないと言い切る彼は
忙しさがかその性格がか、もしくは両方が原因で妻と娘と別居をしている。

三隅本人が犯行を認めている以上簡単だと思われた弁護は
接見するたびに変わる三隅の供述から迷走をはじめる。
三隅の言葉にコントロールされるように
真実を知りたいと思いつめていく重盛は別人のようだ。


そもそも
三隅が本当に犯人なのか?
三度目の、とはどういう意味なのか
当時裁判官だったのが重盛の父だった意味
昔取り調べた警官も言っていた通りに三隅は本当に虚ろな殺人者なのか
何故殺したのか遺体に火を放ったのか
裁判というシステムは正しさを求めるものなのか
帰り道で延々考えてしまう作品。

接見室の映像で、
二人を隔てているアクリル板に顔が映るために三隅と重盛が重なって見えるのが
とても重たかった。

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