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もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 若林正恭

2021-04-23 20:49:30 | BOOK
文庫本

キューバ・モンゴル・アイスランド
旅をしながら若林は
今の日本
『新自由主義』と自分の生きづらさをつらつらと考える。

『新自由主義』はただの経済システムなのに
人間の生き方に多大な影響を与えていて
多くの悩み苦しみ生きづらさが生み出されている。
ってことは
違うシステムで動いている国を見てみよう。

それは亡くなった父親の青年~壮年期の日本を知りたいという強い思いから
終戦から今日までの歴史を家庭教師から教わるという
大人としては勇気のいる行動から繋がっている。
自分でも書いているようにファザコンなんだろうが、
親のことを好きなのはいいことな気がする。
父親に
聴きたいことがことが沢山あって
話したいことも沢山あったという思いが
旅のそこここで立ち上がる。

だけど
センチメンタルでも時代を語るでもなく
”若林が旅をした話”なのだ。
キューバでは革命博物館に行き市場に行き闘鶏を見て
葉巻を吸えるようになり
冒険のようにバスで現地のビーチに出かけバカンス気分も味わう。
些細なトラブルにびびる姿には笑えるし
自分だったらどうするだろう、と旅気分も味わえる。

ただ
自分の生きている足元を見てみると
この国のシステムは上手く行って無いんだなぁ
という読後感も強かった。
とても面白い本。