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もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「苺とチョコレート」

2005-09-24 20:12:12 | お家で映画
キューバ映画。

うぶで生真面目な青年ダビドは、共産主義者。
自由と芸術を愛するアーティスト、ディエゴはゲイ。
ダビドを街で見かけたディエゴは、
アイスクリーム・パーラーで偶然を装って同じテーブルにつく。
苺のアイスを見せ付けるように食べるディエゴをゲイだと感じ取り、
避けようとするダビドを言葉巧みに家に誘い・・・。

キューバでは苺は女子供の食べ物で、それを食べる男はゲイだそうだ。
そして、チョコレートが男のお菓子。
所変われば・・・ということ。
が、これはゲイテイストムービーではあるが、エロい話ではない。

うぶなダビトは女心に振り回され、混乱する。
そこにつけこんだディエゴ、最初は下心がみえみえなのだが、
ダビドの真っ直ぐさに友情を育むこととなってゆく。
共産主義を無邪気に信じるダビドに、
音楽や詩や小説を教え、体制を疑うことを提示してみせるディエゴ。
それを危険なことと心配するダビド。

キューバという国の一面を見られる作品。
共産主義は宗教を否定しているが、キリストやマリア像に祈りをささげる者もいる。
そして、芸術というものは自由な心にしか必要とされないものだということ。
ディエゴは、芸術を愛し生活を楽しむマイノリティーとして、ゲイである必要があったのだろう。
国の貧しさも描かれているし、人間のしたたかさも描かれている。
(キューバのどこに魅せられているんだ、村上龍・爆)
二人の友情と、ダビドの成長を描いたあたたかな作品。