日本一川幅の広い場所が、自宅から車で30分くらいのところにあります。
その幅は、何と2537m。
橋を渡り始めると『川幅日本一』というポールが堂々と立ち、川はゆうゆうと……。
しかし、実際の川の幅は30m。
期待が大きかっただけに、ちょろちょろの小川に見えてしまいます。
国土交通省は、「川幅」を、河川敷を含めた両岸の堤防間と定義。
河川敷が農地でも、「川の一部」と見なし、ここが「川幅日本一」と認定されました。
そこを通ると、何か後ろめたい気持ちもします。
それが一気に払拭されたのが昨年。
台風19号の通過後、川が川幅いっぱいになりました。
その光景たるや、見渡す限り茶色の濁流がうねり、まさに黄河でした。
残念ながら、河川敷の田んぼの風景は水没してしまいました。
水が引くと灰色に乾燥した世界が現れます。
天辺まで白骨化したような樹木。
運転手を失った車はまるで廃墟。
絶望感が重く漂います。
それでも、今年の春は見事に復活しました。
見渡す限り緑の絨毯。
幅30mの川が、何とも平和に流れます。
いま、風はさらさら流れ、稲は日一日と大きくなります。
これから楽しみなのは稲の開花。
7月に入ると、お昼前の二時間。
人に見つからないようにそっと咲きます。
田んぼの風景が大好きな私でもタイミングよく開花をみることができるのは数年に一度。
小さな白い花。
縄文時代から今日まで私たちの命を支えてくれていると思うと愛おしくなります(就職指導室・徳永)。