
今年は丑年だそうで、牛に係る記事でスタートしたいと思います。
禅の教えをやさしく伝える『十牛図(じゅうぎゅうず)』なるものをご存知でしょうか?

※十牛図(じゅうぎゅうず)
悟りに至るには10のプロセスを経る、というものです。
1.尋牛(じんぎゅう)

※『牛はどこだ~!』とあてもなく捜しまわります。
2.見跡(けんせき)

※ようやっと牛の足跡を見つけます。
3.見牛(けんぎゅう)

※『あっ!牛がいた!』
4.得牛(とくぎゅう)

※苦労して牛を捕まえることに成功します。
5.牧牛(ぼくぎゅう)

※牛を手なづけて自分の思う通り操れるようになります。
6.騎牛帰家(きぎゅうきけ)

※牛と一緒に家に帰ります。こうなればしめたものです。
ところが・・・。
7.忘牛存人(ぼうぎゅうぞんじん)

※あれほど苦労して手に入れた牛のことを忘れてしまいます。
牛は教えを現していて、教えはもはや自分の中にあるのです。
8.人牛俱忘(じんぎゅうぐぼう)

※もう人も牛もそこにはありません。
ところが・・・・。
9.返本還源(へんぽんかんげん)

※何もないところから美しい自然が立ち現れます。
自然の原理のおおもとにたどり着いたのです。そして・・・。
10.入鄽垂手(にってんすいしゅ)

※悟りを開いた人物は他の人にその教えを広めます。
この過程は実にオモシロイと思います。
以前に記事に書いた『序・破・急』や、ニーチェの言う『駱駝の時代→獅子の時代→赤子の時代』なんかに通じるものがあるように感じます。
今年はお互いそれぞれの牛を見つける年にしたいものです。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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ニーチェは人間の発達の3段階を次のように例えています。
すなわち『人はまずラクダの時代を経なければならない。ラクダは重い荷物を背負って長い旅をする。修行と忍耐の時代である』と。続いて『砂漠を旅するラクダはある時獅子(ライオン)に変身する。獅子は砂漠に棲むドラゴンと闘わねばならない』と言うのです。そして『ドラゴンと闘ううちに獅子は突然赤子になる』と。
すなわち『人はまずラクダの時代を経なければならない。ラクダは重い荷物を背負って長い旅をする。修行と忍耐の時代である』と。続いて『砂漠を旅するラクダはある時獅子(ライオン)に変身する。獅子は砂漠に棲むドラゴンと闘わねばならない』と言うのです。そして『ドラゴンと闘ううちに獅子は突然赤子になる』と。
これは物語の構成や稽古で言うところの『序・破・急』または『即・離・遊』と呼ばれる状態を現わしています。
シャカは『私の教えは川を渡るための筏(イカダ)のようなものだ。向こう岸に着いたら筏を捨てるがいい 』と言ったそうです。
6.54 私の文章は、つぎのような仕掛けで説明をしている。私がここで書いていることを理解する人は、私の文章を通り―――私の文章に乗り―――私の文章を越えて上がってしまってから、最後に、私の文章がノンセンスであることに気づくのである。(いわば、ハシゴを上ってしまったら、そのハシゴを投げ捨てるにちがいない)。
その人は、これらの文章を克服するにちがいない。そうすれば世界を正しく見ることになる。
その人は、これらの文章を克服するにちがいない。そうすれば世界を正しく見ることになる。
初めて見ましたよ。
禅の教えというと日本発祥ですよね!?
>今年はお互いそれぞれの牛を見つける年にしたいものです。
ホントにそうですね。自分の牛でいいんだ!!
みんな、それぞれ違っていいと、いつも思います。
本年もよろしくお願いいたします。
このころ戦火により多数の伽藍が焼失したため、カラダひとつで教えを授けられる禅が流行した・・・と聞いたことがあります。
このように私も自分の牛が見つけられればイイなと思っています。
本年もよろしくお願い致します。
十牛図の中で最も有名なものが『騎牛帰家図』です。古来から様々なヒトが『騎牛帰家図』を描いていますので、さまざまな場所で見かけることができますので、また見つける楽しみができましたね。よかったです。