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吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

あけましておめでとうございます。

2021-01-01 00:00:01 | 日々の私の主張とか考察とか
 今年は丑年だそうで、牛に係る記事でスタートしたいと思います。

 禅の教えをやさしく伝える『十牛図(じゅうぎゅうず)』なるものをご存知でしょうか?

※十牛図(じゅうぎゅうず)

 悟りに至るには10のプロセスを経る、というものです。

1.尋牛(じんぎゅう)
※『牛はどこだ~!』とあてもなく捜しまわります。

2.見跡(けんせき)
※ようやっと牛の足跡を見つけます。

3.見牛(けんぎゅう)
※『あっ!牛がいた!』

4.得牛(とくぎゅう)
※苦労して牛を捕まえることに成功します。

5.牧牛(ぼくぎゅう)
※牛を手なづけて自分の思う通り操れるようになります。

6.騎牛帰家(きぎゅうきけ)
※牛と一緒に家に帰ります。こうなればしめたものです。

 ところが・・・。

7.忘牛存人(ぼうぎゅうぞんじん)
※あれほど苦労して手に入れた牛のことを忘れてしまいます。

 牛は教えを現していて、教えはもはや自分の中にあるのです。

8.人牛俱忘(じんぎゅうぐぼう)
※もう人も牛もそこにはありません。

 ところが・・・・。

9.返本還源(へんぽんかんげん)
※何もないところから美しい自然が立ち現れます。

 自然の原理のおおもとにたどり着いたのです。そして・・・。

10.入鄽垂手(にってんすいしゅ)

※悟りを開いた人物は他の人にその教えを広めます。

 この過程は実にオモシロイと思います。

 以前に記事に書いた『序・破・急』や、ニーチェの言う『駱駝の時代→獅子の時代→赤子の時代』なんかに通じるものがあるように感じます。

 今年はお互いそれぞれの牛を見つける年にしたいものです。
 本年もよろしくお願い申し上げます。


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 ニーチェは人間の発達の3段階を次のように例えています。
 すなわち『人はまずラクダの時代を経なければならない。ラクダは重い荷物を背負って長い旅をする。修行と忍耐の時代である』と。続いて『砂漠を旅するラクダはある時獅子(ライオン)に変身する。獅子は砂漠に棲むドラゴンと闘わねばならない』と言うのです。そして『ドラゴンと闘ううちに獅子は突然赤子になる』と。 
 これは物語の構成や稽古で言うところの『序・破・急』または『即・離・遊』と呼ばれる状態を現わしています。 

 シャカは『私の教えは川を渡るための筏(イカダ)のようなものだ。向こう岸に着いたら筏を捨てるがいい 』と言ったそうです。

6.54  私の文章は、つぎのような仕掛けで説明をしている。私がここで書いていることを理解する人は、私の文章を通り―――私の文章に乗り―――私の文章を越えて上がってしまってから、最後に、私の文章がノンセンスであることに気づくのである。(いわば、ハシゴを上ってしまったら、そのハシゴを投げ捨てるにちがいない)。
    その人は、これらの文章を克服するにちがいない。そうすれば世界を正しく見ることになる。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白い図 (ゆり)
2021-01-16 18:31:23
こんばんは。

初めて見ましたよ。

禅の教えというと日本発祥ですよね!?

>今年はお互いそれぞれの牛を見つける年にしたいものです。

ホントにそうですね。自分の牛でいいんだ!!
みんな、それぞれ違っていいと、いつも思います。

本年もよろしくお願いいたします。
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Re>面白い図 (管理人)
2021-01-26 09:24:23
禅・・・ですから宋の時代でしょうか?
このころ戦火により多数の伽藍が焼失したため、カラダひとつで教えを授けられる禅が流行した・・・と聞いたことがあります。

このように私も自分の牛が見つけられればイイなと思っています。

本年もよろしくお願い致します。
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Unknown (発行人)
2021-02-16 19:26:30
この間九州国立博物館に行き、菅原道真関連の展示室にはいったとき、太宰府天満宮に奉納された灰原薬さんの「騎牛帰家図」が展示されてて、つまり灰原さん描くところの道真が牛に乗ってる絵なのですが、この一連の流れなのかーと、今日知った次第です。
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Re>Unknown (管理人)
2021-02-22 14:46:51
コメントありがとうございます。
十牛図の中で最も有名なものが『騎牛帰家図』です。古来から様々なヒトが『騎牛帰家図』を描いていますので、さまざまな場所で見かけることができますので、また見つける楽しみができましたね。よかったです。
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