吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

長谷川博己主演NHK BSドラマ『獄門島』

2022-09-18 07:10:00 | 映画・ドラマを観て考えよう

 のっけから島へと渡っていくシーンから何やら違和感が・・・。

 例によって金田一耕助が船で島へと渡るシーンから始まるのだが、続くタイトルバックの音楽が何とエレキギターの轟音だったのでのっけから『アレ!?』という感じだった。ミスマッチ感を狙ったのかも知れないが、私はこの音楽を聞いた瞬間『これ、彼岸島DELUXの間違いぢゃないよね!?獄門島だよね!?』と思ってしまったのだった。

 案の定、何だか情感もヘッタクレもない演出で、ちょっとガッカリ!? SFXの進歩で死体のリアル感は増したものの全然怖くない。因習に囚われた陰湿な日本の田舎の感じが出せないで、単なるサスペンスものになっちゃいました。


 長谷川博己の金田一耕助はアツくなり過ぎ、もっと押さえた演技ぢゃないとこのヒトの良さが出ないです。シン・ゴジラ等への出演で、デキる男の役が続いてますが、全然似合ってない。このヒトの真骨頂はダメ人間を演じたときに発揮されるので『家政婦のミタ』の優柔不断なお父さんや『雲の階段』でのニセ医者とかをしたら俄然イイ味が出せるのに、使い方を誤っているよね。惜しい!金田一耕助は探偵としては全くの敗北者(関係者がほぼ全員殺されてしまった後でしか解決できない)なので、そうした手遅れだった感をもっと出して演技するべきでした。

 金田一耕助が住職と相対して犯行に関る謎を解いて語るお寺のシーンはキレイでした。印象に残ったのはこのシーンだけかな。

 あと『仲里依紗はキャラからしてどう考えても分鬼頭(わけきとう)の後妻をするべきだよね』とか『奥田瑛二は住職にしたら生臭過ぎるよね』等、全体にミスキャストが目立ったように感じました。

 島を去るとき金田一耕助宛に電報(アクマガキタリテフエヲフク/タスケコフ/トドロキ)が届いていましたね。次回に期待します。


初出2016年11月21日(16日20時~放映)

再掲2022年09月18日(11時~BSプレミアムにて再放送)


アストリッドとラファエル ー文書係の事件簿ー

2022-09-09 08:28:00 | 映画・ドラマを観て考えよう
 海外ドラマの秀作『アストリッドとラファエル』を御存知でしょうか❔

 NHK総合、毎週日曜日23:00~23:56です。夜更かしはやめて録画でご覧くださいね。

 自閉症で人付き合いが苦手なアストリッド・ニールセンは文書係として普段は犯罪記録の整理にあたっていますが、実は驚異的な観察眼と推理力の持ち主で趣味はパズルを解くこと。結構ムズカシイ性格で生活不適応者、人と会っている間に花瓶に挿された花の花弁を数えたりする・・・実はその注意力が事件の真相を鋭く突いてゆく・・・。


※資料から推理を進めるアストリッド。典型的な安楽椅子探偵です。

 一方のラファエル・コスト警視は、同僚が飲もうとサーバーから取り出したコーヒーを『ありがと❗』って取って飲んじゃうような雑さと大胆不敵な行動力が取り柄。正反対な性格の二人が迷コンビで事件を解決します。


※アストリッドとラファエルの迷コンビ。

 だんだんラファエルに心を開いていくアストリッド。フクザツな家庭環境もだんだんと明らかになってきます。

 バリを舞台にさまざまな難事件を快刀乱麻のイキオイで解き明かす二人の活躍から目が離せません。

 ぜひぜひご覧ください。オススメします。