内向的性格を生きる

不安と共に生きる
  by mo-ri-tan
(対人緊張・抑うつ感・劣等感を持ちつつ)

神経質の原因的関係

2008-09-27 01:10:18 | 森田正馬先生の本
 『私は神経質をヒポコンドリーになりやすい気質であり、先天性の素質であるという。それならこの先天性という意味はどういうことかというに、それが遺伝原質を血統から直接に受けたものであるか、あるいは子宮内発育中に、ある事情から起こるか、または生後の疾病や養育上の関係から、この気質を得るようになるものであるかということについては、これを確定する正確な材料をまだ持たない。この研究は将来に待たなければならない。』(神経質の本態と療法 p.56)

 『丸井博士は、フロイトの精神分析法から研究を進めて、小児期の養育が神経症の発生には重大な関係があるということを唱えている。下田博士も、神経質は、小児期の不良の養育によって生成されるものであるというふうに、後天的の影響を大へん重大視している。これはもちろん、だれしも承認すべき事実である。(中略)しかしこれも、あるいは影響するというほどの相違で、本態的の区別ではなく、根本的の原因として断定ことはできないようである。』(p.57)

 『神経質の先天的素質ということについても、いろいろ軽い重いの差がある。良い境遇にあって養育も適当であっても、なお幼児から神経質性気質の著名なものがある。これに反して一方には、従来はほとんどその気質として認められるほどのものがなくて、後天的にある機械的原因から、本病を発することがある。』(p.58)

 森田先生の見解としては、はっきりとは断言できないにしても、神経症になるのは先天性の気質によるものであって、養育環境は多少は影響するものの決定的なものではない、ということでしょうか。ただし、先天性の気質はなくても、後天的に神経症になるということはあるということです。

 私の子どもも、小さい時から人見知りで、人に抱っこされるのを極端に嫌がり、親に似て恥ずかしがり屋だったりという気質を備えています。一方で、私のような大人にも平気で話しかけてくる子どももいます。これはやはり養育というよりも、やはり先天性の気質と言えるのではないかと思います。

 養育があまり影響しないのだったら、どう育ててもいいのかということになるかもしれませんが、そういう気質を持っていたとしても将来的に神経症になりにくいような育て方というのはあるように思います。

 私が今大事だと思っていることの一つには、まず友達と遊べる環境を作ってあげること。引っ越す前は近所に友達がいなかったので、ずっと親とだけ遊んでいる状況だったのですが、今は近所に同年代の子どもが多く、私なんかと遊ぶよりも、友達と朝から暗くなるまで、ずっと外で遊んでいます。外で友達と遊びまわるのがとても好きみたいです。これは引越ししてよかったなあと思っていることです。

 もう一つ、我が家にはテレビがありません。実家に帰ったときにだけテレビを見るくらい。テレビゲームもありません。テレビは思慮分別のついた大人が見るのはいいかもしれませんが、暴力場面だったり、小さい子どもにとってはあまりいい環境とは言えないと思います。何よりもただ受け身になってしまうのが問題のように思っています。テレビを見ないで子供たちは夜とかは何をしているかというと、折り紙をしたり、絵を書いたり、編み物をしたりして過ごしています。からだを動かすこと、感受性を高めること。それは、きっと主観的・観念的になることよりも現実的に生きる力につながってくように思うのです。
 実際のところ、うまい具合にそうなるかどうかはわかりませんが。