内向的性格を生きる

不安と共に生きる
  by mo-ri-tan
(対人緊張・抑うつ感・劣等感を持ちつつ)

加藤諦三さん

2008-09-04 00:48:18 | 考え事
 昔、加藤諦三さんという方の本を、むさぼるように読んでいた時期があります。ちょうど一番苦しかった大学の頃。加藤さんの示された道が、この苦しみから抜け出せる唯一の道だと思っていました。たぶん、日本一熱心に加藤さんの本を読んでいたという自負があります。ものすごくたくさん本を書かれていましたが、それをすべて買い揃え、何回も何回も赤線を引きながら毎日読んでいました。常にかばんの中には加藤さんの本が入っていました。
 今も書店の心理関係のコーナーでたくさん名前をお見かけするので、ファンも多いことと思います。私が家族を捨てて家を飛び出したのも、加藤さんの本の影響があったからです。確か「自信」という本だったと思いますが、そのおしまいの部分に「家族を憎んで遠ざけよ」みたいなことが書いてありました。(もう20年も前の話なのでうろ覚えで申し訳ありません)もう家族と一緒に住んでいては私は生きていくことができない、そんな切羽詰った思いで家を飛び出したのでした。
 その頃、私は阿修羅のような顔をしていたと思います。家族を憎み、社会を憎んでいましたから。結局家族とはほとんど連絡をとらず、私はひとり孤独の道を歩んでいました。
 嵐のような青春時代でした。そしていつの間にか私は加藤さんの考え方から離れました。確かに「依存心」というキーワードを基に展開する加藤さんの論理は、説得力もありますが、何か生き方として違うんじゃないか、という思いがしてしまうのです。結局人のせいにしているところがあると思います。後に出会ったプロセス指向心理学や「生きがいの創造」のベストセラーで有名な飯田史彦さんの本のように、すべての出来事に意味があるというような捉え方のほうがまだ、私にはしっくりくるようになりました。まあ、今はそれも過ぎ去り森田一辺倒になっていますが。
 何年か前に、久しぶりに加藤さんの本でも読んでみるかと思って新刊を読み始めましたが、昔とほとんどその主張が変わっておらず、ちょっとがっかりして最後までは読みきれませんでした。
 加藤さんは人気のある方で、確かに多くの人に読まれていますから決して否定しませんが、自分にとってはちょっと合っていない部分があったということです。
 でも、私の青春時代を確かに支えてくださった方ではあるので、感謝はしています。