ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

猫棚の制作 その2

2015年02月15日 | 木工
ベッドなどの納品をしました。





組み立て式で、引っ越しの時にはお客様に分解、組み立てをして頂かなくてはなりません。

組み立ての方法を説明しながら、ご理解いただくために私はなるべく手を出さずに、ご家族で組み立てていただきました。

けっこう楽しんで組み立てをして頂けたと思います。





こちらは一緒にご注文いただいた机と本棚。

上と下で奥行が違うこの本棚はお客様のデザインです。
面白い形だなあと思いました。
いろいろお客様に教えていただきます。







さて、猫棚です。





この図面は正面図に棚板の形を書き加えたものです。


木取りも終わり、板を作っている最中に、はたと、とても重要なことに気が付きました。




「この家具は私の車に載らない!」



車はハイエースですが、後ろの開口は130cm×140cmです。
間口が160cmで215cmの高さののものはいかにしても載らないわけです。

食器棚などはよく作りますが、ふつうは上下二段にしたり左右二つにします。


この猫棚は複雑な違い棚で構成されていて、どう検討しても二つに割ることができません。

さんざんお客様とご相談したプランを今さら変更する気にもなりません。


もちろん、平ボディーのトラックならば簡単に載せられますが、あいにく貸してもらえるあてはなし。
僻地なので、レンタカーを借りに行くのも返しに行くのも大変です。



そこで運送屋を頼むことにしました。

ヤマト運輸が運ぶことのできる最大級の大きさでしたが、何とか引き受けてくれることになりました。











部材の加工が終わって、並べてみました。


同じ形のものがありません。

変わった形の板ばかりです。






これが最後に変更のあった棚の仕口です。

側板を切り込んで棚板が嵌るようになっています。







ちょっと変則的な形ですので、すべてを組むまでは強度が出ません。
少しずつ、部品を組み、ちゃんと糊が乾いてから次の組み立てに進みます。
そのため組み立てには時間をかけました。











組み立てだけで三日はかかりました。

糊が乾くのを待つ間は違う仕事をします。







すべての組み立てが終わり、オイルを塗ります。


高さ215cm、間口160cm 奥行は最大で40cmの大きなものです。






この縦長の棚が左側についてL字の棚になります。

これも高さが215cmあって、私では踏み台がなければ上のものが取れません。





私にとっても、この猫棚の全貌が明らかになるのは納品して組み付けがなされてからになります。