ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

クルミのキャビネットの制作 その2

2014年08月12日 | 木工
パソコンが故障してしまい、しばらく更新ができませんでした。

写真のファイルがまだ復旧できず、途中の工程の写真がないものがあります。




なので、キャビネットの引出、扉の制作写真がありません。






つまみを作ります。




これは扉のつまみ。




こちらは引出のつまみ。
材はローズウッド、たぶん。


四角いうちに取り付けの穴や指のかかりを加工しておきます。







これができたもの。






引出の前板はわずかに外アールになっています。
つまみの側はまっすぐなので、このままではつけられません。






前板にサンドペーパーを置き、前板のカーブにつまみがなじむようになるまで擦ります。












前板とつまみがぴったりと付きました。







塗装し、扉と引出を仕込み、つまみとガラスを付けて完成です。
簡単に言っていますが、仕込みは微調整がいろいろあってなかなかめんどうな作業です。






足や前板のアールの様子はこの角度からの方がわかります。






お客様のお宅にて。





少々作品の能書きを。

主材はクルミですが、天板と引出の前板はブラックウォールナットを使って彩りをつけています。
天板の前縁には緩やかなカーブがあります。
引出の前板にもわずかにアールがあり、前から見た姿に立体的な抑揚を与えています。
猫足と共に幕板にも曲線を用い、全体に優雅なフォルムをもたせました。

Pヒンジという蝶番を使うことにより、引出と扉の間にあるはずの束(つか)を隠し、
扉と引出を天板、猫足、幕板で囲まれた一つの面に作ってすっきりとしまとめました。

つまみはウォールナットよりさらに色の濃いローズウッドを使って作ったものです。




ああ、自分で解説するなんて、こっぱずかしいことだ。