認知症一期一会 http://blog.goo.ne.jp/mizukiosamu/

毎朝8時30分
ケイタイのアラームが鳴ると、私はアリセプト5mgを飲み食卓を離れます。


ロールシャッハーテスト

2005年12月09日 | 5mgの日記

平成17122

定期診断の日である。
午後の診察は3時からであるが、
40分も前に着いてしまったので、
近くを一回りしてこようか………と私は笙子に言った。

「やめたほうがいいじゃない」
と答えたが私は無視して走った。

近くの道を左折し、
又左折して行くうちにどうしたわけか迷ってしまった。

私の方向感覚はやはりおかしい………
「だからさ………私の言うことは素直に聞きなさい」
と笙子はぴしゃりと言った。
私もそう思った。

今日は医大の先生が来られて
「ロールシャッハーテスト」
を受けることになっていた。

「こうもりのような絵」
と思っていたがすこし違ったようだ。

こうもりの絵のようではあったが、
一部に色が着いている部分があって、
なぜか絵はとても明るく感じられた。

私はその明るさに陽気になって答えた。
「この絵は、恋を囁きあっているところで………」

とか言った。

十枚の絵にコメントするのだが
一枚だけは………私には………答えられなかった。
表現する言葉が浮かばなかった。
そして結構ですと終わった。

その後で係りつけ医は
「今の薬を飲み続けることが一番よいようです」
と言われた。
医大の先生の見立てもそうであったということだ。
私は間違いなく
「アルツハイマー病患者」
だと追認されたのだ。

「恋を囁きあっているところで………」
はなく、墓石の注文をしている絵ではなかったのか。

私はそれを見誤ったのか………と思った。


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